映画レヴュー(154)「DAGON ダゴン」

2001年スペイン

ラブクラフトの「インスマスの影」の映画化。彼の作品の中で一番面白いのが、このインスマスだと思う。色々な国や監督が映像化している。
海で遭難してたどり着いた港町は、謎の神・ダゴンを奉ずる恐ろしい場所だったという話。
夢で見た人魚の女が実は…。
この女(マカレナ・ゴメス)の美しいことよ!
これだけでも一見の価値あり。
当時はレンタルビデオで観たのだけど、クトルゥフもの映画にありがちなだらだら感もなくて、高いテンションのままエンディングまで引っ張られる。何しろ監督はスチュアート・ゴードン(「死霊のしたたり」あ、これもラブクラフトものの佳作だわ)
「DAGON ダゴン」
(追記)
日本においても、1992年にTBSが佐野史郎主演・小中千昭脚色で翻案ドラマ(邦題:『インスマスを覆う影』)が制作されている。作中では日本の漁村・因州升になっていたと思う。
実は私にも、このインスマスをネタに書いたホラーSF「沈黙の島」という作品がある。舞台を三河湾の離島にし、南方熊楠が留学中に大英帝国図書館で見つけた「死霊大全」という清時代の漢書が実は「ネクロノミコン」の漢訳だったという展開。
小説を書き始めて8年目で、公募では毎回二次予選で落ちていた私が、初めて最終候補に残れた作品だった。第三回ムー・ミステリー大賞(この年から小説部門誕生)で、ある種「黒歴史」か(苦笑)
結果は落選だけど、半村良さんや菊地秀幸さんたちに読んでもらえただけでうれしかった。
当時、結婚二年目で、新婚の嫁放っといて小説書いてたんかよと、苦笑いだ。

当時は、モダンホラー・ブームの真っ最中で、私もスティーブン・キングの作品をむさぼるように読んでいた。H・P・ラブクラフトも再評価の時代で、コリン・ウィルソンの「ロイガーの復活」とか読んでいた私は、ラブクラフトもので応募したのだった。
当時書いた作品群を短編集としてKindleでリリースしている。ご興味のある方は下記リンク先をどうぞ。Kindle アンリミテッドの方は無料で読めます。有料でも100円です。
「盂蘭盆会○○○参り」(うらぼんえふせじまいり)

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