映画レヴュー(131)「エンバー 失われた光の物語」

2008年米国のファンタジー映画

 滅びゆく地球環境からの避難所として建設された、大型発電機を動力源とする都市エンバーは、200年にわたり人口を維持するよう設計された。しかし、その計画の詳細は七代目の市長の時に失われ、人々は壊れゆく街で不安な日常を送っている。そして、その発電機が故障した今、エンバーは闇に沈み、まばゆかった光はちらつき弱まり始める。
 主人公の少女リーナと少年ドゥーンは地上への道を探す…。
 ファンタジーであるが、これは剣も魔法もないSF的ファンタジーである。閉ざされた都市から脱出するのは少年や少女であり、これはクラークの「都市と星」の頃から変わらぬ少年が大人への一歩を踏み出す的な暗喩である。
 日常から踏み出せない大人たちと、外へ踏み出そうとする少年と少女。そしてそれを助ける老人という図式。お約束通りで、ウェルメイドな感もある。
 そういう意味ではジュブナイル系の物語か。お約束通りと言えばその通りだが、ま、楽しければええやん。
「エンバー 失われた光の物語」

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