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あいまいな夜 ②

「こんばんはー」

「あ、吹山くん、めぐみちゃん、いらっしゃい」

あれからというもの、僕らは何度か店に足を運び、ハンナさんとお喋りをする日々を過ごしていた。

すっかり気を許してしまった僕は
必要以上に飲んでしまい
いつも後半ベロベロに酔っ払っていた。


「吹山くん、大丈夫?」

「あー、ハンナさん大丈夫大丈夫。問題なし!」

「めぐみちゃんは強いね、しっかりしてる」

「ね、山さんって男らしい見た目なのに、ふにゃふにゃしてるんですよ」

「大丈夫!大丈夫だから、ちょっとトイレには行きますけどもね!」

「ねえ」

「はい?」

「あなたたちって」

「はい」

「付き合ってるの?」

「あー...」

「付き合ってません!」

めぐみちゃんが先に力強く答えた。

「...だそうです!付き合ってません!」

僕も苦笑いで追いかけた。

「ふーん、そうなの。不思議な2人ね」


「ほら!山さん!ちゃんと歩いて!」

「めぐちー、ちょっと待ってよー」

「誰がめぐちだ!馴れ馴れしい!」

「いいじゃん、めぐち、かわいいなまえ」

「うるさい!ほってくよ!」

めぐみちゃんが泥酔した僕を呆れた顔で見ながら
2人で京都の街を歩くのがいつもの流れだった。

「めぐちー」

「なに!?」

「僕はめぐみちゃんが好きだよ」


「...君は本当にずるい奴だな」


(ハンナさん、今日行っていいですか?)

(ああ、吹山くん、1人?2人?)

(今日は1人です)

(ああ、よかった。待ってるね)

(よかった?どういうこと?)

(後で話す。あ、あと九条ねぎ買ってきて!)

そんなやり取りをメールでしながら

ちょっとのやな予感と

立派な九条ねぎを持って

いつものように、ハンナさんのお店に向かった。

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