暇空茜氏と石丸伸二氏の利害の一致

暇空茜氏のコラボ問題の「追求力」

まずは私個人として、暇空茜氏がコラボ問題についての公開請求・訴訟など複数の動きを以前から観ていたが、とても関心を持った。当初は温泉街のアニメ調のキャラクターの撤去騒動からかと記憶している。その後、コラボへの不審な金額があることを発見し、かなり深ぼった情報量と追求力をして、フォロワー数にも表れる支持を得ているのだと感じる。他にもアニメやマンガなどのアニメカルチャーを守るという一心であろう。私自身はオタク・ヲタクと言えるほどでもなんでもない(暇空氏と同じように俺たちのフィールドは読んでいた)し、人気アニメを少し見る程度だが、カルチャーは守りたいという気持ちは強い。
この問題の発端となった温泉街の件も、創造性のあるアニメなどのイラストカルチャーの線引きは難しい。あのアニメはOKで峰不二子はNGなのかなど、線引きを誤るとこれまでの日本の創造作品を否定する動きにもなりえない。

対談動画で感じる「オタクの声」

一度、石丸氏と暇空氏の対談動画は視聴はしている。「政治の話を聞きたかったんだ」や「アニメを知らないのにアニメを語る政治家は信用ならん」など様々な意見が飛び交った。私自身は石丸伸二という政治家について評価をしているし、暇空氏のコラボ問題の追及についても大いに評価している。正直、二人が仲たがいしていることにもどかしい気持ちである。この対談動画を通してみた”気持ち”という面をくみ取りながら私自身の感想を述べてみたい。オタクたちからすると浅い考察だと感じるかもしれないが見当違いであれば読まないでいただいても構わない。
暇空氏としては、これまで様々な創造物への冒涜ともとれる法案や条例が国政や自治体における政治で度々議論され、通過してきたことへの憤りの気持ちが強いと、対談を視聴して私は感じた。特に東京都はアニメ・マンガコンテンツへの「表現規制」という「表現の自由」の侵害ともとれる条例案が成立しそうになったことからも背景になるだろう。さらには、東京都ではマンガに対して青少年健全育成条例という名の下で不健全図書認定を独自で行っていることもある。アニメ・マンガのオタクとしては「これ以上、自分たちの楽園を汚してほしくない」という気持ちなのではないだろうか。例えが正しいか分からないが好きだった深夜番組がゴールデンに放送時間帯が変わってしまうことや、元来のサウナ好きがサウナブームが起因して居場所がなくなってしまうことなどに近いのではないか。
これまでの「政治」が行ってきたアニメ・マンガをはじめとするカルチャーへの冒涜。軽々しい言葉で発信しつづける「クールジャパン」という言葉の使われ方などを考えると憤りは致し方ない。今回の対談ではこの”前提”が抜けていたのではないだろうか。この前提の言語化があれば、石丸氏もカルチャーを守っていくという意思など知識の差はあれど暇空氏との意見の一致が生まれていたのではないかと考える。
今回の対談では「アニメやマンガを知っている・知っていない」という議論になってしまってはいたが、そこだけで政治家としてというよりも石丸氏の人間性を「嘘つき」という判断はできないだろう。建設的な議論にするのであれば、「マンガ好きと公言している石丸氏はアニメ・マンガカルチャーに対する政策があるか」などの質問が適切だったのではないだろうか。

この2者の利害の一致

「オタクの政治不信」という部分はさておき、私はこの2者の向いている方向は同じなのではないかとも考えているし、正直”仲良く”したらかなり強い結束になるのではないかとも考えている。コラボ問題をはじめとして一般人でもあるにかかわらず都政の無駄について言及・戦っている暇空氏はネットにもファンも多く強いオタク結束コミュニティもある。知事としての都政の無駄・利権排除を石丸氏は目指している。特に石丸氏は「利権=特定少数が得をする状態」を常に嫌い、安芸高田市でも利権をなくすことに尽力をした。時には強い口調でのパフォーマンスもあったかもしれないが、この行動力こそ石丸氏が支持されている所以である。
また、暇空氏の追及するコラボ問題は「特定少数に対する利権」が税金の無駄遣いになっているという部分が一番の追及ポイントだろう。この点に関しても石丸氏は利権を排除する姿勢で「透明化」を目指すと私は考えている。そうなると、2者の目指す方向性は同じではないか。
石丸氏は今後仮に都知事になったとしても「Youtube上でのコミュニケーションをとれる政治家」であるに違いない。安芸高田市でも誰にも頼まれていないのにも関わらず「あきたかたmeet-up」を継続してコミュニケーションをとっていた人物である。公が観ているところで都民が”追求”もできる環境がある。追求力は暇空氏の”持ち味”だ、もし透明化が進まない状態であれば石丸氏を暇空氏がオタク代表として”監視”をすればよい。もちろん「オタク利権」にはならない程度に、だ。
もし、暇空氏が石丸氏を仮に援護射撃するようになれば本当に都知事選が面白いと思うが、どうだろうか。一般人である私が伝えてもなにも起きないだろうが、これまでの歴史を見ても完全無欠の政治家などいないのである。どの政治家も好きなところもあれば嫌いなところもある。「一部の嫌いな部分」で石丸氏のすべてを否定するのではなく、「一部の重なった部分」を目指して支援するのは面白くはないだろうか。もちろん私も石丸氏に対する否定的な部分もあるが、評価する部分の方が大きい。オタクのマウントを取り合うだけでなく、一つの”山”を目指して一緒に登っていく気持ちがあってもいいのではないか。そして感じるのは、マンガを全く読まないよりは、にわかの方がまだよいだろう。ラグビーワールドカップでも発されて流行もした「にわかでいいじゃないか」という言葉も私一個人の想いである。
特にアニメやマンガだったらこのシーンでライバル同士が手を組むと”熱いシーン”であるのは間違いないだろう。

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