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旅の回想録『再会』


旦那さん、46歳。

今月末で、28年間の公務員生活を卒業し、4月からセカンドライフを始める。
鹿児島で農業を営む私の両親の「焼き芋」と、実家の自然の大ファンで、「公務員生活で、やりたいことはやり尽くした!」と、自然豊かな田舎で暮らすことを決断した。

元々、定年退職したら「赴任していた先を巡る旅をしたい。」と話していたのを9年早め、「人生の節目に、お世話になった人に会い、懐かしい土地を巡りたい」と計画した【始まりのハジマリ】の旅。

様々な人と連絡を取っていたうちの1人で、「今回の旅で、絶対に会いたい!」と話していた高校の同級生。
ただの同級生とも、友達とも呼ぶにはあまりに軽く感じてしまうほど、旦那さんにとっては、かけがえのない存在。

高校を卒業以来、音信不通だった彼と、Facebookで繋がった時、大興奮していた旦那さんを今でも思い出す。

お互い、違うスポーツの部活を引退した高校3年生の後半、一緒に過ごす時間が増えた。
彼の、高校生で親元を離れ1人暮らしをしていたことにも、ギターが上手かったことにも衝撃を受けたらしい。
親離れしていく自分の娘達と彼とを重ねたり、雪の降る公園で、かじかむ指で2人で弾いていたというギターは今でも続けている。

会うのは実に28年ぶり!
高校を卒業して以来初めてで、お互い緊張したらしく、最初の一言を「何て言おうか」とシュミレーションしていたと言うから、可愛らしかった。

彼が自ら手掛けたという内装の素敵なお店で、近況や思い出話は尽きず、忘れていたことも思い出したり懐かしんだり、2人とも、それはそれは嬉しそうだった。

彼が、お酒の弱い旦那さんと私に出してくれたお酒は飲みやすくて美味しくて、「どんなお土産より嬉しい!」と持参した両親の焼き芋を「おいしい!」と頬張る彼を見て、私も本当に嬉しかった。

ほろ酔いになり、お互いのギターを披露した2人。

旦那さんは中島みゆきの「糸」。
彼はハナレグミの「家族の風景」。
ギターの音色と歌声が沁みて、目頭が熱くなった。

当時、2人で弾き語っていたTHE BOOMの「中央線」を一緒に歌う2人は、見た目は「オジサン」だけど、少年のように無邪気だった。感性が豊かで、繊細で、まっすぐで、優しい2人だから惹かれ合ったんだなぁと、胸がキュンとなった。

「中垣と会えて本当に嬉しい!」と連発しながら、歌詞にしてまで歌ってた彼(笑)。

最後は、常連のお客さんや、バンド仲間でもあるお客さんと、全員でセッションして、めっちゃ楽しかった♪

「自分の財産は人脈!」と言い切る彼の生き様を垣間見た気がした。


今でも思い出すと涙が込み上げるほど、初めて会ったとは思えないほど、懐かしくて切なくて、夢のような、至福の時間だった!

「鹿児島にも行くよ!」と言った彼と、再会を約束して別れた。

次は、いつどこで会えるのか楽しみだ♪


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