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願わくば静かに眠りたい

そっと部屋の電気を消す

シャワーを浴びて火照った身体が冷えるとともに、眠気がおしよせてくる

あらがえない脱力感に誘われ、寝床へ吸い込まれていく

一度伸びをすると今日の疲れが頭を重くする

生きているうちに、あとどれくらい寝て起きてを繰り返すのだろう

波の満ち引きのようのに、私は寝床と作業机を行き来している

サラリーマンも主婦も農家も皆おなじ行ったり来たり

心地よい波を探して沖にでるも良し、浜辺に城を築くのも良し


なんてnoteの書き出しを考え始めていたら、急に騒がしい声が襲う

寂しさや不安の根源は孤独だと知らしめられる声

楽しく暮らしていた日々の懐かしさや、何気ない会話で笑い転げていた日常を突き付けられる声

若さが全てだと、元気で活発に生きることが全てだと、そうまくし立てて来る声

こんなにも苦しめられるならば、ここから出ていきたい

頭をつんざき身をちぎるような声に怯え、怒りを覚える

わが身を解放させて欲しい

この声から逃れたい



あまりの苦痛に地団駄をふみ

床をケル

一回

二回



「どうだうるさいだろ、これはフェラーリの音だよ」

と、笑いながら返ってくる声



そうか、これが幸せの象徴か、金さえあれば何でも手にはいるのか

と、さら落ち込む




ここは家賃3万の安アパート

壁が薄い



そう願わくば

下の人に静かにして欲しいのだ

ただただ、そう願うばかり

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