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【経営者向け】朝礼で話したくなる週刊AIニュース|2024年3月25〜31日

今週の「経営者が知るべき」AIニュースです


AIがもたらす大変革:求められる新たな職種とスキル

アクセンチュアによると、ChatGPT-4のような大規模言語モデル(LLM)によって、全労働時間の約40%が影響を受ける可能性がある。
世界経済フォーラムの「Jobs of the Future Report 2023」では、事務職などはAIによって急速に減少すると予測されている一方、AIやデータ分析の専門家の需要は大幅に増加すると見られている。

アクセンチュアは、AIを効果的に活用するための社員の再教育がカギになると指摘している。

企業は、AIがもたらす変化に備えて、タスクを細分化し、AIの適用可能性を見極め、社員のスキルアップを図る必要がある。

LLMがもたらす影響は大きい。

Around 40% of all working hours could be impacted by AI large language models (LLMs) such as ChatGPT-4, says a report from Accenture.
(アクセンチュアのレポートによると、ChatGPT-4のようなAI大規模言語モデル(LLM)によって、全労働時間の約40%が影響を受ける可能性がある)

出典:DAVOS AGENDA.”These are the jobs most likely to be lost – and created – because of AI”.WORLD ECONOMIC FORUM.2023年3月4日,https://www.weforum.org/agenda/2023/05/jobs-lost-created-ai-gpt/, (参照2024-3-31)

事務職はAIによって減少すると予測されている。

Many clerical or secretarial roles are seen as likely to decline quickly because of AI, according to the World Economic Forum's Future of Jobs Report 2023.
(世界経済フォーラムの「Jobs of the Future Report 2023」によると、事務職などはAIによって急速に減少すると見られている)

出典:同上

一方、AI関連の専門家の需要は増加する見込みだ。

But roles for AI and machine learning specialists, data analysts and scientists, and digital transformation specialists are expected to grow rapidly, the report adds.
(一方、同レポートでは、AIや機械学習の専門家、データアナリストやサイエンティスト、デジタルトランスフォーメーションの専門家の需要は急速に高まると予想されている)

出典:同上

AIを効果的に活用するには、社員の再教育が重要になる。

Reskilling people to use AI effectively will be the key to companies being able to use the technology successfully, says Accenture.
(アクセンチュアによると、AIを効果的に活用するために人々を再教育することが、企業がこの技術を上手く活用するカギとなる)

出典:同上

仕事へのAI活用に、Z世代のジレンマ

Z世代の労働者を対象とした調査で、仕事でのAI活用に対する意識の二面性が明らかになった。

36%がAIを使うことに罪悪感を覚え、3人に1人がAIに依存しすぎると批判的思考力が低下すると懸念している。一方で、49%がAIによって創造性が高まったと回答し、7人に1人が収入増加を報告している。

AIの倫理的・社会的影響への理解や、適切な使い方の教育不足が、こうした意識の差につながっている可能性がある。
現時点ではAIに職を奪われる危機感は低いが、10年後には61%がAIに仕事を代替されると予想。

AIをうまく活用しつつ、過度な依存を避けるバランス感覚が求められている。

AIの活用には肯定的・否定的両面の見方がある。

論文執筆サポートのEduBirdie(エデュバーディー)が、仕事でのAI活用をZ世代がどのようにとらえているか調べたところ、肯定的な見方、否定的な見方の両方が示された。

出典:Luciana Paulise.”36% Of Gen Z Feel Guilty About Using ChatGPT And AI At Work”.forbes.com.2024年3月23日,https://www.forbes.com/sites/lucianapaulise/2024/03/23/36-of-gen-z-feel-guilty-about-using-chatgpt-and-ai-at-work/?sh=3896cbdc65cd, (参照2024-3-31)

多くがAI使用に罪悪感や依存への懸念を抱えている。

調査では、回答者の36%がAIの助けを借りて仕事を行うことに罪悪感を感じていることが明らかになった。さらに、回答者の3人に1人は、ChatGPTに依存しすぎるとクリティカルシンキング(批判的思考)の能力が伸びない可能性があると考え、過度の依存に懸念を示した。

出典:同上

一方で、創造性の向上や収入増加も報告されている。

調査では、49%がAIを使用することで創造性が高まったと回答し、7人に1人が収入が増えたと答えた。

出典:同上

現時点ではAIによる失職の危機感は低いが、将来的な懸念はある。

Z世代は今年AIに自分の職が奪われるとさほど危惧しておらず、その可能性が高いと考えているのはわずか9%だった。だが、回答者の61%は、10年後には自分の仕事をAIがするようになる可能性があると考えている。

出典:同上

AI×ブランディング。Note社流、UXライティングにおけるAI活用術

Note社のUXライターが、ブランドを守りながらAIを効果的に活用する方法について解説した。
同社ではテキスト生成AIを5つの区分に分け、フェーズごとに適切な活用方法を模索している。

初動のアイデア出しや、ニュアンスの微調整、客観的なレビューなどにAIを活用し、作業の効率化を図っている。一方で、ブランドの特性を維持するために、最終的な判断は人間が行うことが重要だと指摘。
そのためにはUXライティングの基準を明確にし、AIで生成された案の中から最適なものを選べるようにしておく必要がある。

AIの活用方法を5つの区分に分けている。

そこで私はAIを業務に組み込むにあたって、テキスト生成AIでできることをざっくりと5区分して、壁に当たった時にどの分類の生成が効きそうか考えたり、よかったプロンプトの蓄積をしています。

出典:鮎.”AIとブランドを作る。UXライティングにAIを活用する方法”.note.2024年3月25日,https://note.com/ayujimann/n/n8bae115d8cde, (参照2024-3-31)

ブランドの特性を維持するために、最終判断は人間が行う。

現在は、80%くらいまでAIと一緒に作って、最後は人間が判断するという塩梅が結果うまく行っています。ここで気をつけているのは「UXライティングの基準を持っておくこと」になります。

出典:同上

UXライティングの基準を明確にしておくことが重要。

UXライティングを議論する際、「noteさんはこれいいそうだよね、言わなそうだよね」などよく話しています。

出典:同上

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『ご意見、ご感想、反論、持論などなど…はコメント欄へ』
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【筆者のひとり言】

先日、商工会議所青年部にてChatGPTの入門セミナーを行った。

参加いただいた経営者は、中小から零細規模の建築業や製造業の方々が多く、正直に申し上げるとITに疎い方々だった。
同じ業界であっても、大企業であれば、最先端のITを駆使した、大規模なシステムを投入し、大幅な業務改善を行う事が可能だが、規模の大きくない企業であれば、ITと縁遠いところが多い。

しかし、そんな方々でもChatGPTに興味を持ち「どの様にして活用すればいいのか」「そもそもどんな事ができるのか、まずは知りたい」と思い、ご参加してくださったそうだ。

今回のセミナーの目的は「生成AIを知って、AI活用の一歩を踏み出す」として講座を行い、セミナーの満足度は90%以上(アンケート回答より)で「使い方、活用方法がわかった」「解説がとてもわかりやすかった」「ビジネス文章作成などが苦手だったので改善できそうです」というお声をいただいた。

AI活用の一歩を踏み出す、きっかけにしていただけたのではないかと思う。

この様に、建築業や製造業などのIT活用が簡単ではない業界でも、生成AIへの注目度が増している。
やはりイメージしやすいのは「事務作業の効率化」で、これについてはアクセンチュアのレポートでも示唆されている。

しかしその一方で、生成AIの活用については、心理的ハードルもある事がEduBirdieの調査で明らかになった。

調査結果の内容としては、生成AIを活用することへの罪悪感の他に、依存することによる能力・成長の鈍化を懸念している声があった。

確かにChatGPTやClaudeなどの文章生成能力は素晴らしく、簡単な指示でも優秀な文章を生成し、今までにない新たな視点などを与えてくれたりする。
それは自分の能力を超えていると感じることもあり、出力された結果を鵜呑みにしていくと、自分で考える能力は劣ってしまいそうである。

しかし同時に、調査結果の他の内容としては、生成AIを活用することで、創造性が高まったとの回答も多くあった。

今、皆さんに御覧頂いているこの「note」を運営するnote株式会社では、UXライティングやそのほか様々な領域でAIを活用している。

活用方法については、引用元から見ていただきたいのだが、その中で語られていた下記に注目したい。

現在は、80%くらいまでAIと一緒に作って、最後は人間が判断する…[中略]…たくさん案だしをしてもらっても、結果選べなければ意味がありません。

出典:鮎.”AIとブランドを作る。UXライティングにAIを活用する方法”.note.2024年3月25日,https://note.com/ayujimann/n/n8bae115d8cde, (参照2024-3-31)

生成AIは確かに知識が豊富で、人間の能力を超える部分があるかもしれない。しかし、彼ら(彼女ら)は"意思決定"を行うことは出来ない。少なくとも現状は。
生成AIはあくまでツールであり、そのツールをどう使うのか、出力された結果を判断するのは人間である。

これからの時代、手を動かすだけの「単純作業」は確実にAIによって効率化されていく。
頭のいいAIは、人間に追いつけないスピードでそれらをこなしていくだろう。

では、そんな時代に必要な知識・スキルとは?

それは「判断力」「意志決定力」。そしてAIとの対話を楽しみ、AIと一緒に未来を考えることができる「創造力」ではないだろうか。

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