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ウクレレ、はじめちゃいました

音楽の成績はいつも「3」だったけど
 

 音楽の成績は、いつも「3」だった。
 幼い頃からエレクトーンを習っていたけど、
「楽しい」と思ったことは一度もなかった。
 エレクトーン教室にきちんと通えば、母の機嫌もいい。通うというより、なかば強制的に行かされていたような気がする。

 子どもの頃に習い事に通わされていた方は、よくわかるかもしれない。
 ある意味、子どもの習い事は、「習い事に通わせている」という親の虚栄心を満たす道具のように思う。

 そんな音楽「3」の私がウクレレはじめちゃいました。
 楽譜も読めない、コードの押さえ方すら知らないクセに。
 んでもって、すっかりはまってしまい、ライブ配信までするようになっちゃいました。

 ウクレレをはじめたきっかけは、コロナ自粛期間中、イタリアのニュースを見てのこと。
 自粛で外出がままならない中、声楽家と思わしき女性がバルコニーで歌うと、それを聞いた人々がギターやタンバリンなど、思い思いの楽器を持って一緒に歌うシーンに感動したからだ。

コスパ最高のウクレレで自分を甘やかす

 「音楽に国境はない。こんな時こそ音楽だ!」

 そう思って、手に取ったのがウクレレだった。
 何故ウクレレだったかというと、ギターだと大きいし、弦がいっぱいあってコードを抑えられそうにないから。
 あのコロコロとしたのんきな音もいい。
 何より小さいし、指が短い私にはピッタリだと思って選んだ。

 とはいえ、音楽の成績は常に「3」の私。
 音楽センスもないし、飽きたらもったいないからと、楽天の通販で5800円(チューナー・CDもセット)で購入した。
 飽きるどころか、今はコードを抑える指の皮までむけるほど、日々ウクレレを弾いて歌っている。

 イタリアで見た声楽家のように、人を癒すほどの技量はないけれど、私自身はじゅうぶん癒されている。
 音楽の成績なんて、大人になったら関係ない。
 うまくなくても、楽しけりゃいいのだ。

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