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駅の中の配送

配車係のたろーです。

今回も私が乗務員時代にやっていた昔話をさせていただきたいと思います。

もう10年以上も前ですが、私は駅の中の配送を行っていました。いわゆる、駅の売店とかコンビニに飲み物を卸す仕事です。

当時の会社の課長が言っていたのですが、駅の中に配送する仕事って結構審査が厳しくて、新規で案件とるのも難しいんだとか?なので、やってればそのノウハウはのちに役に立つから覚えておけよ。いい会社にスカウトされたら、自分の経歴を安売りするなよ!と言われていたものです。

駅の中の配送というのは、一歩間違えば電車を止めることになってしまい、被害が甚大な額になることもあります。ですから、そんな経験を持った乗務員は他の会社でも引っ張りだこだ、という理論だったはずです。

残念ながら、そのキャリアは今は全く生かされておらず、当時の課長には騙された気持ちでいっぱいです笑

駅中の配送に必須な電動階段昇降機

駅の中で配送していて一番よく周りに見られているのはコーラの配送かな?と思うんですが、そのお兄さんたちが使っている電動階段昇降機をご存知ですか?

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こういう機械なんですけど。私もこれを使って配送をしてました。確かのぼるクンって言ってたんで、本当かな?と思って調べたら本当にのぼるクンでびっくりしてます笑

こいつがあると、階段の上り下りも非常に楽で、一応最大積載は10ケースくらいだったかと記憶していますが、積み方によっては20ケース弱までいけたんですよ、当時は。今はコンプラ的にもそんな積み方はダメって言われていると思いますが。なので、こののぼるクンがあるか無いかで配送効率と体への負担が段違いなんですねー。

これを夜のうちに充電しておいて、朝トラックに積み込んで配送に出かけるんですけど、なかなかヘタったバッテリーを会社が買い換えてくれなくて、頻繁に差し替えしていた記憶があります。

バッテリーが切れたらほんと最悪で、350ml缶のケースを4、5箱を手でもって階段を上る羽目に…。当時は代車で階段落とし(駅中では危ないからやらないけど)が出来たので、上まで運べればなんとかなったんですが、お客様用だからエレベーターは使うなとか結構乗務員に厳しいルールもあって、のぼるクンのバッテリーが切れると地獄の配送になる日々でした。

余談ですが、のぼるクンがなかった時代は脱腸してやめていく人も多かった、という話を聞いたことがあります。7、8ケースを地面から持ち上げて、階段を上がっていくわけですからそりゃケツにも力が入りますわな。

私も荷台から裏口までくらいの10mくらいなら、7、8ケース持って歩いたことがあります。地面から持ち上げるのはちょっと無理ですね…。荷崩れも怖いしねぇ…。

水濡れ外装不良、誤配送などなど…

屋根の下にばかり車を止められるわけでもないので、雨空の中配送を行うことももちろんありました。ちょっとの距離だからと、上に段ボールとか毛布とかかけずに運ぶと、一瞬で段ボールがふやけて致命傷になることも。

ただ、駅中のコンビニや売店って基本的にバラ売りなので外装が多少悪くなってても気にせず取ってくれるんですよね。

「どうせ箱なんて使わないし」

こう言ってくれるパートのオバちゃんが何度神様に見えたことか。ただ、缶の凹みだけはちょっとうるさかったです。そりゃ、それがそのまま飲料コーナーに並ぶんだから当然なんですけど。

また、誤配送も何回か経験しています。普通は降ろしたあとに、冷蔵庫に入れる前にオバちゃんと伝票で検品するんですけど、缶商品の外装って似てるものが多くてメーカー違いとか起こすんですよね。

一度冷蔵庫に入れたものは絶対に返さない、というオバちゃんとの死闘が懐かしい…。夏だと冷蔵庫に入れた直後なら、まだ缶の表面が常温なのでわかりますよね!とゴリ押しで交換してもらったこともありました笑

コンビニは高校生や大学生のバイトがいっぱい

私が配送していた途中から、駅の売店がコンビニにちょこちょこ変わっていった時期で、その販売形態が変わるとともに中で働いている人たちも変化していきました。

売店はオバちゃんたちがメインだったのが、コンビニは社員が一人いてあとは学生のバイトとかフリーターとかに。

小ロット高頻度配送だった駅中の配送は、週三日で顔を出すような感じだったので自然とバイトの子とかとも仲良くなったりしました。あーいうのって、男より女の方が会話してくれるんですよね。

周りの人たちはそれで結構飲みに行ってたりしたようです。他の会社も似たような感じみたいですね。若い配送の人だと、向こうから声をかけられるんだそうな。…まぁ私は無風でしたけどね。

どちらにせよ、仕事上のお客さんに手を出すような真似するなよな、と個人的に思ってましたので、皆様は真似しないようお願いします。何かあっても自己責任ですから…。

人情オバちゃんのプレゼント

さてさて、そんなわけで昔を思い出しながらこんなことがあったなぁ、懐かしくなってしまいましたが、最後に人情オバちゃんのお話。

駅中の配送をしていると、大きい駅だと結構な数を回るので朝から行ってもお昼を過ぎることがあります。私は駅中の立ち食いそばが好きで、特にコロッケそばのおいしさにこの時に気づいたわけなんですけど。

最後に蕎麦屋に納品して、そばを食べるのを日課にしてたんですが、ある時、そこで働くオバちゃんがトッピングに入れてないワカメを入れてくれるようになったんですよね。

あれ?と思ってオバちゃんを見ると、ウインクをかましてました。

どうやら彼女なりのプレゼントだったようです。一緒に配送に行ってた先輩には入ってなかったので、どうやら私にだけ特別に入れてたみたいですそこから毎回行くたんびにワカメとオバちゃんのウインクを頂くことになりまして…。

これが若い子だったらな、と思いつつありがたく頂いていましたが、ある時ワカメがいつも多く減るということにガサが入ったようでオバちゃんはクビになってしまいました。内部で密告者がいたようです。

どうやら、私以外にもお気に入りのメンズにワカメをプレゼントしていたようで…。

駅の中の蕎麦屋を見ると、あのオバちゃんのウインクをついつい思い出してしまい、なんとなーく駅中の蕎麦屋を避けるようになってしまいましたとさ。オバちゃん元気にしてるかな?

なんか今回は本当に纏まりのない話をツラツラ書くだけになってしまいました、すいません。

次回はもう少し構成がしっかりしたお話を書きたいと思います。

お金が貯まったら飲みに誘います。