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続・未だ聴こえない音楽の制作日誌-18- 売れるものよりどう売るか

2021年10月5日

4年ぶりのアルバムの発売日が22日(金)に延びて、一時は動揺したものの、いまは落ち着いた日々を過ごしている。

改めて宣伝の方法を色々考えるうちに自分の中でこのソロプロジェクトを始めたころのことを思い出した。

「創作したものを、どう売るか考える。」

という場所を作りたかったのだ。

トレンドとか、マーケティングとか、ターゲッティングとか、市場を目指して作るのではなく、自由に思いっきり作ったものをどう市場に結びつけるかを考えたかった。

そうすれば制作期間は表現の追求や技術の向上に打ち込めて、より純粋に近い創作ができると思ったのだ。

出来上がったものをよく見て、自分で何かしらの存在価値を見出せれば、または誰かが見出してくれれば、世の中に放つ意味がある。

理論的に考えて狙った存在価値を作り、世に送り出すのは何か違う気がしていたのだ。狙いが外れた時のショックも大きいし。

そういうわけで私は毎回、個人的に制作を進めてデモを作り、そのデモを送ってリリース先を考え、宣伝を考えることをいちいちしている。作ってから友人や信頼のおける人からの感想やアドバイスをもらって、これを小さなマーケティングとして若干の修正を加えたりして完成に持っていく。

それから、どう売るかを考える。

私にとってはこっちの方が性に合っている。楽しい。

現在の世の中や、その中での自分の暮らしのことを音で表現したいと考えているし、そのために制作の日々の中でも世間の動向や最新の音楽、トレンドを気にしているから、それくらいで創作には十分なマーケティングではないかと思っている。

あまりに世間のことを考えすぎて、そこに捉われてしまっては、表現したいことやその衝動を忘れてしまう気がするからだ。

しかし、完成してしばらく経つと、楽天的で注意散漫な私は制作の日々を抜けた開放感から、その作っていた時の気持ちなどすっかり忘れてぼけっとした日々を送ってしまうので、どこかに控えておく必要がある。この制作日誌もその一つとして非常に役に立っている。

自分にとってやりやすい道を探していくことはとても大事なことかもしれないなと、ふと思い出した。

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