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若者と猿

若者は猿に言いました。
「ずいぶん立派な首飾りだな。お前はどこかの偉い人かい?」
猿は傷口の痛みにキャッキャと鳴きましたが、若者が自分を傷つけるわけではないのに気が付いていたので若者にしがみついていました。
若者は、猿が首もむず痒そうにしているのを知っていました。
警戒心の取れた猿に、首飾りを少しずらして洗ってやろうと首に触れた時
猿は自ら首飾りを取りました。
すると、若者はアッ!と目を覆いました。
そこには裸で首飾りを持っている女が現れたのです。
女は少し笑いながら若者を見ていました。
若者は目のやり場に困ったので、女を水辺から引き戻しマントを体にかけてやりました。「なんてことだ。まじないのついた猿だったのか…。」
すると、女は聞き慣れない言葉で若者に話しかけてきました。猿の言葉なのかと若者は考えましたが、きちんと言語になっているようです。しかし、若者はこのままでは家に帰れないと思ったので、女の首回りを洗いすぐに首飾りをしてやりました。
女はまた小さな猿の姿になりました。
猿が風邪をひかないようによく拭いてやり、一人と一匹は家に帰りました。



<続く>

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