偏質的俳句鑑賞-第五十七回 美しき緑走れり夏料理-星野立子 

夏料理とはやっぱり新鮮な青野菜が良い。その光景を考えると凄く単純な作りをしている句だ。
まず「美しき」と言ってしまえるところが良い。普通は「美しき」なんて言ったら面白みがないし、普通すぎて詩がなくなってしまう。
それが「緑走れり」という色に繋がる。まだ、少し足りない。
そして、「夏料理」という季語につながる。そこで全てが一気にわかる。
今までのは自然の光景ではなくて、人の手による「夏料理」の盛り付けだったのだ。ということが。
「美しき緑走れり夏木立」とかだったら、そう…となってしまう。
しかし、「夏料理」という新鮮な野菜などのイメージを持つ季語に今までの十二音が覆いかぶさることによって、「夏料理」の美味しそうな緑が映えるのだ。
それだけです。次回も良ければ読んでください。

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