偏質的俳句鑑賞-第二百三回 寒星や神の算盤(そろばん)ただひそか-中村草田男『銀河依然』

神というものを持ってきて世界の広さを表現することはままある。しかし、星をそろばんの玉に見立てること、しかもそれが「ひそか」という表現によって非凡さが出る。
基本的にそろばんといえばあのパチパチ言う音が想像させられる。
だが、「寒星」という冬の白く鋭い星々は「ひそか」なのだ。
だからこそ、「神の算盤」にふさわしい荘厳なイメージと噛み合ったのかもしれない。
次回も良ければ読んでください。

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