偏質的俳句鑑賞-第三十九回 夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり-三橋鷹女『向日葵』

自分のことをはっきりと(場をわきまえた上でだけど)言える人は格好良い。とか一回ぐらい言った気がする。
でも、嫌いなものは嫌いと言える人はあんまりいない気がする。
この句は作者がどういう人なのか知ってこそ輝くところがある。三橋鷹女は俳句界の中でもかなり大胆に、自己アピールというか芯を通した存在だったからだ。
特に時代的に今より俳句の重鎮に女性が少なく、女性の俳人自体も少し冷遇されている環境があった。
しかし、三橋鷹女はそれを破壊するような強さを持って現れた。そして、女性の俳人の力を示した。
それを踏まえるとこの鷹女の「嫌いなものは嫌い」と言い切る姿勢はやっぱり必要だったのかなと思う。夏痩せしても言い切るような強さが。

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