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俳句「甲子園と山寺がつながる日」

山寺の鐘に祖父の名終戦日

 父の故郷の山寺の鐘には祖父の名が刻まれている。第二次世界大戦の際の金属回収令によって、この山寺の鐘も供出された。戦後、寄進を募って寺の鐘を再建したときに、寄進者の名前が鐘に刻まれた。祖父もまた寄進者の一人として名前が刻まれた。そういうことらしい。ささやかながら、これもまた戦争の歴史のひとつと言えるだろう。
 これを記しているいま、高校野球が行われている甲子園では、黙祷が捧げられた。戦争下、甲子園もまた金属回収によって屋根などが供出されたことをアナウンサーが伝えている。大観衆に湧く甲子園の屋根とお盆でも人数まばらな山寺の鐘。一見、無関係なこの二つの物が戦争の歴史によってつながっている。

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