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詩「難題」
石を切る
僕の読んだ『姥捨て山』の物語では
息子が山に捨てられず家の床下に隠した母親が
殿様からの難題を解決する
ここでは年寄りが
智恵の象徴として描かれている
だが、認知症になった母に
いかなる智恵があろうか
在る
そもそも智恵とは発せられるものではなく
引き出されるものだろう
『姥捨て山』の物語でも
息子が母親に相談しなければ
母親の智恵はその死と共に消えるしかなかった
そもそも殿様が難題を出さなければ
その智恵は生かされることはなかった
・・・・・・
ことばという刃物を持ちながら
楊枝一本削り出せていない僕だが
いつか路傍の石を切り
その中に眠る宝石のような智恵を
世に出したいものだ
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