「男系男子の天皇」は続けられるのか(天皇マニアが語る・なぜこうなった編)

家系図が好き、そして天皇家の歴史が好きとなれば、語らずにはいられない、今後の天皇家について。

男の子がいないのは知っているけど、何がやばいのか、どうしてこうなったのかを、歴史的経緯から見ていきましょう。

何がやばいのか:天皇がいなくなっちゃう

今、皇位継承について有識者による会議が行われています。今上天皇の次の世代の男性が、今上天皇の弟・秋篠宮家の悠仁さましかいないからです。

現在、皇族は18人いますが、女性皇族は結婚すると皇族ではなくなります。悠仁さまが天皇になる頃には、皇族が悠仁さま1人しかいない、という可能性も大いにあるわけです。

皇族ってめちゃくちゃ忙しいんですよね。外国の代表との面会、式典への出席、施設や被災地等へのお見舞い、外国への訪問といったものから、宮中祭祀や伝統文化の継承も大事な仕事です。

これを1人でやれというのは当然、無理な話です。さらに悠仁さまの次の世代はどうなるのか、新しい天皇が誕生するのかという、「天皇」という存在が危ぶまれているので、お偉い方々が慌てて会議を開いているわけです。

ちなみに、海外での天皇の存在感というのは凄まじく、ローマ法皇、イギリスの女王、アメリカ大統領と同等の立場とも言えるほど。天皇=日本の外交官1000人分の効力と例えられるほどです。

どうしてこうなった:側室前提だったから

明治以前は、正式な妻の他に、側室というたくさんの女性がいました。妻がたくさんいれば、子どもの数は多くなり、子どもが増えれば男の子が生まれる可能性も高くなります。

ここで問題です。過去400年の天皇のうち、正式な妻(皇后や正室)の間に生まれた天皇は、一体何人いたでしょうか?



正解は・・・4人!(109代・明正天皇、124代・昭和天皇、125代・上皇陛下、126代・今上天皇陛下)

少なっ!大正天皇以降は側室が置かれなかったので、昭和天皇以降は当然、皇后の子です。つまり、天皇を産んできたのはほぼ側室なんです。

「男系(父もしくは父方の先祖が天皇)」はずっと守られてきましたが、「男性」しか天皇になれないと定められたのは、明治時代になってからです。

明治の頃はまだ、側室制度は当たり前でしたし、華族と呼ばれる皇族に近い(父方の先祖が天皇という人も)身分の方々がいました。だから当時の政治家は、天皇はたくさんの妻を迎えてたくさん子どもを作れば男系男子は守れる、いざという時は華族がいるから安心、と考えていたのでしょう。

ところが、時代に合わせて側室制度はなくなりましたし、華族は解散されました。1人の女性が生涯に産める子どもの数なんて、たかが知れていますから、遅かれ早かれ、男の子が全然産まれない!という状況になっていたわけです。


続きは明日!

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