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けふの一句

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2020年6月8日刊行、北大路翼 著「見えない傷」(春陽堂書店)の掲載俳句を解説付きで公開します。5月20日より1か月間を予定。「見えない傷」予約受付中▶︎urx.blue/obVD
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#おうち時間を工夫で楽しく

けふの一句/5月28日

ワンピース濡らして金魚持ち帰る びしよびしよになりながら、やうやく一匹掬つた金魚。透明な…

けふの一句/5月27日

褞袍着て人生ゲームでも未婚 家族の否定が僕の中の大事なテーマ。家族といふよりジェネレイテ…

けふの一句/5月26日

炎天の真つすぐな道真つすぐに 志ん朝の口調で真つすぐを「まつつぐ」と読んで欲しい。道案内…

けふの一句/5月25日

ブーケトス受けても日本に居られない 受け取つた人は幸せな結婚ができるといはれてゐるブーケ…

けふの一句/5月24日

花冷えの麻雀牌の彫り深し 手が冷たいときは感覚が鋭敏になつてゐる。ことに花の魔性に触れた…

けふの一句/5月22日

もう一度キスしてダイヤ改訂期 恋愛の初めの愛し合つてゐるときは、別れ際に三度振り返るとい…

けふの一句/5月21日

靴擦れの綺麗なピンク山開き 表題の「見えない傷」は精神的な傷をイメージしてつけたが、靴擦れはまさに「見えない傷」である。足フェチの僕はおつぱいより、お尻より、足の裏に興奮する。靴擦れは踵だらうが、足の裏、足の指につづく第三のフェチポイントである。女はくるぶしより下の部分だけあればよい。ピンクといふところに僕の愛が溢れてゐる。 |予約受付中! 6月8日発売 見えない傷(春陽堂書店) 著者:北大路 翼 二〇一七年以降の作品から厳選収録。新宿の片隅から世の中を憂う第三句集。こ

けふの一句/5月20日

手触りが今年の髭になつてくる 巻頭の一句。正月に向けて剃つた髭がはえてきたところを詠ん…