「手紙の時間」- 山粧う季節、錦秋の手紙 -
秋分を迎え、心地よい澄んだ空気と過ごしやすい気温にほっとするころとなりました。
今回、 POSTORY代表の近藤千草さんとお届けするのは、おたよりを通して秋の粧いを楽しむ内容となっております。
ご参考にしていただけますと幸いです。
山粧う季節、錦秋の手紙
最初の画像でご紹介しているのは、木版摺り ちらし便箋を使った錦秋の手紙です。
紅葉を鮮やかに写しとった便箋と封筒は、幕末の絵師・柴田是真による「榛原謹製花くらべ」を元に復刻されました。
切手は「ふるさと切手」と呼ばれるもので、こちらの紅葉が描かれている切手は1990年に広島県を代表する植物として発行されました。
青楓と紅葉の切手と、あざやかな木版摺の重奏を楽しむ組み合わせです。
懐かしい町かどのおたより
秋の味覚の代表格、秋刀魚が描かれている葉書で日常のお便りはいかがでしょうか。
見張っている猫の姿も愛らしい1枚です。
垣根のもとに舞う木枯しを落ち葉の切手で表しました。切手を吹寄せのように用いて心躍るお便りに。
和紙細工で造られた、あたたかみある七輪と秋刀魚は、デスクの上や目にとまる場所に置いて季節感を大いに楽しみたいです。
(ご紹介している絵はがきと和紙細工の七輪と秋刀魚は、榛原日本橋本店でのみ取り扱っています。)
秋のピクニック、楽しさをお届けする葉書
原画：いわさきちひろ／かわいいかくれんぼ 1965年
行楽の季節でもある秋。今年は昨年同様、お出かけには緊張感が伴いますし、どこでも自由にとはいかない状況が続いています。
最小人数でお庭や密にならない場所で、ピクニックを楽しむ方もいらっしゃるかもしれません。それも難しい場合には、手紙の世界で楽しみましょう。
伊藤綾春の筆による可愛い子犬の葉書で、送る方も受け取る方も、きっと心和むひと時に。
原画：いわさきちひろ／かわいいかくれんぼ 1965年
切手は画家・いわさきちひろさんの作品「かわいいかくれんぼ」が元になっています。
枯れ葉に隠れた小さなひよこと、微笑む少女が描かれています。
身近な自然と季節の色彩を優しく見つめる秋の様子に郷愁と健やかさを感じる1枚です。
季節の一筆箋を贈り物に
草冠に秋と書く「萩」の文字のごとく、観賞用だけではなく、秋草文様の代表としても古くから愛されてきた萩。
吉祥文様としても知られ、秋は勿論のこと、四季折折にお使いいただけます。
この萩の一筆箋は、抒情的な画風や詩、モダンなデザインで魅力を放ち続ける竹久夢二によるものです。
お手持ちのお好きな色(ここでは葡萄色)のリボンで包み、日頃の感謝を伝えるプチギフトにも。
香 ふみの友「錦秋」、「秋桜」をそえて
封書でのお手紙には「文香」を添えて柄合わせを楽しむ他、時には無地の便箋に彩りを加えるのも素敵です。
季節感を携えたものや相手のお好きなモチーフを選ぶ時間は手紙の時間をさらに豊かなものにしてくれることと思います。
四季折々の美しさを読む
秋にはやはり「読書の秋」という方も多いのではないでしょうか。
文芸作品や作家の全集、各種資料、はたまた人気の漫画まで。
様々な種類がありますが、榛原が協力を行った『「日本橋はいばら」がおくる 四季の暮らしの心得帖』
是非お手に取っていただけましたら嬉しく思います。
季節や人生の節目ごとの和紙との関わり方、暦に記されている大切にしたい日本の暮らしについて、一頁ずつ大事に読みたい内容が満載です。
榛原千代紙の意匠が散りばめられている紙面は目に鮮やかで、眺めるだけでも楽しい一冊です。
(『「日本橋はいばら」がおくる 四季の暮らしの心得帖』は、榛原の日本橋本店でも販売を行っております。)
秋の手紙の結びの言葉のご紹介
・深まる秋、いっそうのご自愛をお祈り申し上げます
・気遣わしい時世の折、お疲れが出ませんように
・朝夕冷え込んでまいりましたので流行りものは勿論のこと、風邪など召されませぬように
・ふたたびお目にかかる日を心待ちにしております
・変わらぬご健康を心よりお祈りいたします
・過ごしやすい季節となりましたが時節柄どうぞご無理をなさいませんように
・実り多き秋、日々お健やかにお過ごしくださいますように
あたたかいお飲みものとご一緒に、ほっと落ち着く秋の手紙時間をどうぞお楽しみください。
※ 本連載に掲載の切手は、
日本郵便株式会社において販売終了しているものを含みます。
何卒ご理解の程お願い申し上げます。
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