平岩優奈さん、現役生活お疲れさまでした!

こんばんは。はいいろペンギンです。

今回は2021年東京五輪の体操競技日本代表、平岩優奈さんが現役引退を発表なさったということで、彼女の体操の魅力や観戦した時の思い出などを少し語っていきたいと思います。

彼女はYouTubeを見ているととてもふわふわした性格に見えますが、体操経験者から見ると、雲の上の存在という感じがあります。やっぱりすごい方なんですよね。
しかも今24歳ということで、女子の選手としてはかなり長いキャリアを頑張ってこられたんだなと思います。トップ選手でも20歳前後で引退する人が多いイメージなので。

以前、体操をやっていたことがあるという記事を書きました。
その影響で、日本国内の選手をはじめ、中国、アメリカなどの体操選手はある程度把握しています。

平岩優奈さん(もう引退発表をなさったので、「選手」ではなく「さん」とお呼びさせて頂きます)も、2013年か2014年から知っていました。私はそのころもう体操はやっていませんでしたが、主要な選手はチェックしていたため、お名前や演技の特長は把握していました。

世界選手権の代表に選ばれて、現地入りしてからケガで出場できなくなったという経緯も、リアルタイムで知っていました。

その後お名前を見なくなりましたが、2017年ごろ(?)からまた少しずつお名前を見る機会が増えていきました。
そして2018年には、インカレで生の演技を拝見することができました。

当時の日本トップレベルだった寺本明日香さんは大学をご卒業されていたので出ておられなくて、村上茉愛さんもケガで欠場ということで、平岩さんが一番難しい演技構成で演技されていたと思います。生で見ていてそう感じました。

実際ゆかの伸身ダブルをやっていたのはその会場の女子では平岩さんだけで、レベルが頭一つ抜けているなーと思いました。試合直前のアップでも何本も伸身ダブルを跳んでいて、「やっぱりレベルが違うわ」と思った記憶があります。

そして得意の平均台では座の3回ターンを無事成功し、素晴らしい演技でした。会場の皆さんも平岩さんの平均台は注目で、特に座のターンは目玉であるということを分かっていたようで、目線が集中しているのを感じました。成功した瞬間、会場が「おお~」とどよめいていたのを覚えています。

日本で一番美しい体操をする、とよく評される方でした。まさにその通りだと思います。

個人的な体操界への見解があります。
近年の女子体操界は、世界的な傾向として「パワー体操」になりがちだなと思うところがあって、「これで本当にいいのかなあ」と疑問に感じることもありました。

そして、中国やロシア、アメリカなどの大国かつ強豪国は、同じ体育館で代表レベルの選手が練習することが多くて、「その国の体操と言えばこんな感じ」という国のカラーが割とはっきり出ていたりします。
※アメリカは各クラブで練習しているイメージで自由度が高い印象がありますが、技を重視しがちな点は同国の選手の共通の特徴だと思います。
(最近中国にその傾向が強いと感じる…)

対して日本の体操界のいいところは、個人経営の体操クラブが多いため、選手同士が代表合宿以外でずっと同じような練習環境下にあることが少なくて、選手個人個人の個性が出やすいことです。(多分ね。代表合宿のことを全然知らない人が言ってごめんなさいという感じなんですけども。)
だから代表選手を見てみても、「日本ってこんな感じだよね」という選手ばっかりではなく、パワー系、表現力に強みがある系、洗練された技の捌き方をする人、などいろんなタイプが混ざっています。

だから、日本選手の演技は、その人らしさが出ていて正直とても見ていて楽しいです。均一化されていない感じ。

そして、平岩さんは日本の体操界の長所を詰め込んだ感じの体操をされていたなと感じました。
・自分が表現したい動きをしている
・自分の良さが演技に出ている
・ほかの選手と被らないテイストの表現
こんな感じです。

丁寧で繊細で、表情も良くて、素敵な演技をたくさんされていたなーと思います。
あとは、男子にはできない演技をしていました。
パワー系の体操(つまり現状の女子体操の世界的な傾向)は、究極を言えば、男子が真似しようと思えば大体マネできてしまうと思うんです。
しかし平岩さんは、女子にしかないジャンプやターン、動きの質が尋常じゃなく高かった。そして伸身ダブルなどの大技をやっても、女子の身体でしか表現できないしなやかさがありました。
わたしはそのように思います。

まあ今の時代、男女で分けて考えるのはどうなんだ?とお咎めを受けるかもしれません。まあ確かにそうではあります。
しかし与えられた生物学上の違いを最大限に生かして、自分にしかできない表現を生み出していたという点が平岩さんの凄いところだったと思うので、男女の話について少し触れました。

体操は他のスポーツとは違って、男女で競技する内容(種目と言います)が違います。
究極の身体表現を追求した結果、「それぞれの身体的な特徴に合った競技内容にしよう」、ということになったのかはわかりませんが、せっかく違う種目や採点基準があるなら、存分にそのルールを活かして魅力的な演技を創っていくことはいい戦略だと思います、私は。

ただのファンが熱く語りすぎました。
そして、話が平岩優奈さんから少しそれてしまいました。

体操業界の共通認識(特に日本)として、「美しい体操」は誰もが口をそろえて言います。そして目指そうとしています。
その結果、子供たちもきれいな体操をする選手にあこがれを持つことが多いです。
ですので、平岩さんにあこがれていた子供たちもおそらくたくさんいたのではないかな?と思います。

彼女は競技としての体操は引退されますが、体操にかかわる仕事はこれからもしていきたいとのことだったので、体操界に明るい風をたくさん吹き込んでいってもらえると、子供たちもうれしいと思います。

でも一番は、自分の望む楽しい人生を送って頂きたいです。

現役生活お疲れさまでした。そしてたくさんの素敵な演技や諦めない生き様を見せて下さり、ありがとうございました!
これからのご活躍も願っております!


ほぼ平岩優奈さんへのメッセージみたいになってしまいました。
読んでくださった方、ありがとうございました。

2023年2月15日


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