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半年ぶりの電車に先々週乗った

ようやく電車に乗ってもいいか、みたいな気持ちになるのに半年かかったって、本当にSFみたいだな。

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今週の電車は何故か窓が開いていて、トンネルを抜ける時にイヤホン越しですらすごい音と風。誰も閉めるわけでもなく窓に目をやる感じに公共性を感じる。誰のわがままかわからないモノは簡単に処理できないのだろう。

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隣席の女性はターミナル駅のアパレルで働いてるらしく、通路向かいの女性とペチャクチャ世間話と恋愛話を垂れ流していく。乗客の8割は3分早く着くためだけに電車を乗り換え、車内は閑散とする。学校に直接車で向かうわけではないから、出自の知らない他者の動きというものが半年ぶりに目の前で上演され、見知らぬ人間の造形を次々に目にする感覚は、さながら山篭りから降りてきた修行僧だろうか、軽くめまいのする心地。

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目に見えるものを電車に乗りながら言葉に変えていく。口に出したときのリズムを考えながら、多少甘くなるのも見逃しながら、思考の流れを紡ぎ出す。

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今できる精一杯の創作活動は、文と写真に関わるものなのだろう。閑散とした列車の中でマスクをこっそり外した背徳感と開放感。香る金木犀の香水。赤黄色の秋はすぐそこだ。

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サポートして頂けた分は、写真に対する活動全てに充てさせて頂きます。缶コーヒー1本分からの善意への期待を、ここにこっそり記します。