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近況、それと琵琶湖と共に生きる話

久しぶりの更新だ。

コロナによって仕事の形はかわり、人との新たな縁を結ぶことは、前より少し難しくなったように思える。

ただ、そうした中で、去年から育んできた関係を形にする行為をさせてもらえることが何度かあって、今回はその話をしようと思う。

琵琶湖。滋賀で育った私にとって、それはつかず離れず心のそばにいるものであり、どこにいたとしても、ふとさざなみの音を思い出すもの。
母なる湖、近畿のみずがめ。色々な別称を持つけれど、琵琶湖が持つ力はとても大きい。でも、その力を直接的に見る機会というのはあまりなくて、どこかでそうした縁を探し続けていた。

そうした中で、一人の漁師と会った。

同世代で、自分のよく知る漁港を本拠地にしていて、琵琶湖へのひたむきな思いがあったその人と知り合ったとき、これは運命じゃないかななんてちょっと思った。
ただ、運命だからこそ、少し怖かった。うまく、何十年と付き合っていくことができるかな、と。

まだ、この先どうなるかはわからないけれど、でも、今の現状としては、その人の漁を、少しずつ記録させてもらえることになった。

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自分の見知った魚が、大きな網にかかって、力強い腕で引き上げられていく。少し手伝わせてもらったけれど、すぐに私は音を上げてしまい、眺めて写真を撮るばかりになった。
大量の魚の命を奪う行為が、とても美しく見えるのが不思議だった。
そして。

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漁の中で見る朝日は、いつにもまして、本当に、本当に、心に残った。

なんてことのない風景に朝日が投げかけられるとき、そこに長く影が差し、黒く姿を縁取る。

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全ての色が赤に飲み込まれ、そこにいるだけで、生きていることを肯定された気持ちになる。気のせいかもしれない、だけど。でも、今目の前で起こっている光景は、間違いなく、一生忘れないだろうなと思う。

これからも、まだまだ、撮り続けていくと思う。漁をされている方は、漁体験もして、更に活動を広げていくらしい。お互いがお互いに影響し合って、滋賀に、琵琶湖に、すこし良い風を吹かせられれば、それはとても素敵なことだろうな。

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夏は過ぎていく。季節は回っていく。そこに少しでも、自分の視点で、誰かに彩りを与えられたなら。そう願いながら、明日も写真を撮るんだろう。

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お世話になっている漁師様

https://twitter.com/komatatsurock

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