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【エジンバラ 大学留学:後期】スポーツとメディア③スポーツニュースや物語を構築する理論の勉強

こんにちは。今日はスポーツとメディアのスポーツニュースや物語を構築する理論の授業についてまとめていこうと思います。

冒頭は、メディア(TV)は、情報を切り取り強調することで、対象(スポーツ選手)のアイデンティティを作るという説明。

スポーツメディアは、常にエンターテイメント性を追いかけていることも念頭に置きましょうとの説明でした。

理論上重要な3つの要素

ここは重要そうなので覚えておきます。

1. Concept of infortaiment (情報+楽しむの造語)

2. Concept of Vortextuality

3. General Ideologial Constructions (イデオロギーの構築)

1. Infortaimentについて

Infortaimentの構成要素

スポーツメディアに関して、どんな要素が、”この情報+楽しむ”というコンセプトに入るかということですが、これもさらなる3つの要素から構成されます。

ドラマ、エンターテイメント、ジャーナリズムです。

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この整理なかなか痺れました。なるほど!という感じで。

スポーツは、事実ベースの話なのですが、そこにエンターテーメント性が必要。だから、そこにドラマ(Narrative)の形で、感動秘話見たいのを付け加えるんですよね。

問題は、時にその手段で有るはずのドラマが脚色しすぎて、事実を曲げてしまうことにあるんですよね。

で、前回やったのはなんでこの事実を曲げてしまうかというのは、実はスポンサーの広告だったりとかで、選手が単なる商品にすぎないということでした。

繰り返しになるのですが、本来であれば事実を伝えるということが目的のメディアが(説明のための手段として物語がある)

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スポーツになると、資本主義の中で、エンターテイメント性が目的になると、これを追求し出して、ドラマと使うことで、事実を歪めることがあるということですかね。

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Infortaimentの原則

(1)Realism
事実をベースだけど、エンターテイメント性が必要

(2) 効率的な誇張(Maximu Action and Minimum Space)
→効果的効率的な影響を狙う
(3) 勝者に光を当てる (敗者は忘れ去られる)
(4) 広い社会問題、歴史問題を取り除くイベントに尽力する(オリンピックなど)
→スポーツは国を1つにする力がある!(結果)、 ということでなく、問題があるからそれをうやむやにするために、スポーツの力を使っている(手段)という解釈もできます。

③スポーツメディア共通の特徴

国内の問題を忘れさせるために(ジェンダー、民族、宗教、貧困など)、国の一体性、統一性に着目する。

→ここ結構重要ですよね。スポーツで一体になるとなぜ問題が解決することになるのでしょうか。

スポーツの1つの力は、グループ化による一体感の醸造する力ではないでしょうか。

僕の感覚で恐縮ですが、これって日韓問題にも当てはまる気がします。というのも、日本にいると、日韓問題があると、お互い相手は敵と思いますよね※。一方で、海外に出ると、同じアジアの文化圏というだけで割と仲良くなりがちです。正直欧州の人に、韓国も日本の間で区別はそこまでできないと思います。(他人の国の関心なんてそんなものですよね)

※なお僕個人のスタンスは、人の好き嫌いは、自分の経験で判断しようと思っています。僕があった友達の韓国の方はいい人たち(少なくともヘイトを明言する人格に人ではない)なので、自分の経験から日本人として韓国人の方は好きです。メディアの情報だけで相手を嫌いになるのって、本当におかしいことだと思います。ただ、連日メディアがそのような放送をしていると、自然と相手を敵対視するようになることも理解できます(なので、メディアの影響は怖いです)

話を戻しましょう。上の話で言いたかったのは、一体感の境界内にいることで、身内感が出て色々許せるようになってしまうという話です。完全に感情論の話なんですが、これが重要ですよね。

また、スポーツフィルター(問題を曖昧にする)力も凄いと思います。

日本の場合、戦後前の反省及び戦後教育の影響で、日本国という一体感が醸造されることはタブーとされてきた雰囲気があります。君が代斉唱のことですら戦前を思い出すので、大問題となりました。1964年の東京五輪を見ても、日本という一体感が認められたのはスポーツくらいではないでしょうか。つまりスポーツというフィルターを通すことで、戦前の象徴であった”ニッポンがんばれ!勝利だ!”みたいなタブーは忘れ去られたんですね。この力って強力ですよね。

スポーツが問題を水に流す力。なので、スポーツ界は問題が顕在化しにくかったのではないでしょうか。

長く書きましたが、まとめると、スポーツが、社会問題その原因を無視して感情化できることが、スポーツの強力な力だと思いました。

スポーツは、盲目的にさせる
スポーツは、壮観、派手好き(歌や踊り、コスチューム)

個人的な考えですが、ここもスポーツの感情化ということがKeyになるのではないでしょうか。相関であること、歌、衣装などは、一体性を生み出し、感情化を助長するツールとして理解しました。

ドラマ化
個人に着目
男性らしさの象徴(UK代表キャプテンは勇敢であるべき)
Heterosexuality(異性に対してのSexを強調した切り取り方)

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Nationalism
Militarism

→相手を倒すということや、Heroを生むことがスポーツとNationalismやMilitarismとの相性が良いのではないでしょうか。

2. Concept of Vortextuality

Vortextualityの翻訳難しいですね。変化の激しいみたいな感じでしょうか。

◆2つの重要な要素 として、
-媒体プラットフォームとメディアコンテンツの成長
-循環速度が大幅に向上

抑えるべきポイントとして、以下が説明されていました。

変化のプロセスに着目して、何が起こっているか把握する。

セレブリティ文化や新しい文化(ニューメディアやソーシャルメディア)との連携している

情報がどんどん変わる

フェイクニュースや一方的な情報が出て、時に大きな動きを生み出す(トランプの国会議事堂の事件を説明)

3. General Ideologial Constructions (イデオロギーの構築)

マスディアの作るイデオロギー
国民性/国民の誇り、英雄的なアスリート、ドラマチックな物語、世界的な正統性

国家の作るイデオロギー
ナショナリズム;資本主義;健康とフィットネスのアジェンダ;社会的包摂/リジェネレーション

個人のイデオロギー
体調を鍛える・痩せる・若々しさを保つ・チームワーク・国家の誇り

ここは以下の言葉が印象的だったので、残しておきます。

メディアを通じたスポーツの情報が何を意味しているのかを考える必要があるということですね。

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<今週の論文>

Vortextuality: The Oscar Pistorius trial, the media and the public (Chuma and Ndlovu,2016)

南アフリカのパラリンピストの英雄のピストリウスの恋人殺害容疑におけるvortextualityについての考察。この事件では、単なる殺人だけでなく、問題が、人種、階級、安全保障、犯罪、「家庭内暴力」などの批判的な問題を提起し始めた。vortextualityの意味は、以下の通りです。

主要なニュースストーリーが、すべての注意が一時的に、それらに向けられているように見える程度に、ニュースメディアを支配している

そのためvortextualityのイメージとしては、渡部さんのような事件が、色々な問題を提起していてメディアを席巻していることを指すのでしょうか。

これもweek2で学んだ通り、メディアが重要なことを逸らす力の例かもしれません。

この時に考えなければいけないのが、メディアの役割ですよね。渡部さんの件も然りですがメディアがジャッジしていることがあるのですがようにみるのですが、これはメディア役割なんでしょうか。


今週はこんなところで。

<追記>

2/4日にこの話題に関するSessionがあり、全然議論についていけなったので、反省を込めて追記しています。ついていけなかった理由は、議論のトピックを確認していなかったこと。ちゃんと確認して望みましょうという恥ずかしいもの。(このメールが昨日来ていて、見逃していましたという話)

トピックは、メールかクラスの掲示板に記載されています。


1. Provide 3 examples of an infotainment story and explain how they could be considered as infotainment.
2. Provide 3 examples of a vortextuality story and explain how the could be considred as vortextual.
3. Provide 2 examples of fetishised peak moments in sport
4. Provde 2 examples of dramtization in sport and explain how they are dramatized.
5. Provide 2 examples of the state (or nation) being supported and 2 examples of the state (or nation) being challenged (anti-state).

授業ごとで、こういう通知とか、どういう方法で議論するのとか、どのteamsの部屋で議論するかなどまちまちなので、結構ストレスがたまります。。オフラインだと教室にいけば、方法がわかるからいいんですけどね。

では!



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