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2-3,ロカの続き/our future

ロカの続き/our future

職務質問にあわないようにイヤホン耳に突っ込んで下向いて歩く。
急行電車が左側の頬を掠める。
口パクみたいな駅員の顔。
逆鱗の的となったのは僕自身の事。
そうか僕は死ぬとこだったのか。
命が電車を轢くとこだったんだ。
駅員から目を逸らし僕は逃避行。
興味もないような小規模な店に入る。
今日もアイデンティティが崩壊する。
吐いて捨てるほどに後悔する。
あの一瞬で僕は僕の続きを台無しにする。
それがこの月夜。

症候群が小動物にように這っていく。
僕の中のハッピーエンドを奪っていく。
泣いている背景をアシスタントに描いてもらった上で上から塗り潰す。
これは日替わりの趣味のスノビズム。
日の出ずる酷い頭痛、街を見る一人ずつ。
僕を見ている人がたくさんいるような錯覚を起こして勘繰りを覚える。

ギターでも何でもいいから名前をつけるんだ。
全てのメールの語尾には“笑”をつけるんだ。
いずれスキルはアビリティを超えていくだろう。
凡人たちは互いを罵り吠えているだろう?
取り残されたような気分で山田かまちを馬鹿にする。
そんなネット上の書き込みを重ね重ね馬鹿をする。
取り残されたのは僕だったと“笑”を添える。
話題を逸れるように目の前のそれからも逃げていく。
未完成のままで続いていく僕の遺作。

普通の事を普通に考えてるつもりなのにズレて。
常識がないなんて言われたいのが全て。
時々、僕は文庫本を適当な場所で半分にする。
後半部分をゴミ箱に捨てては分離する。
僕の読書は前半部分の途切れた絶筆。
だから残り半分の物語は僕の現実。
さっき死にかけた事も明日には忘れ。
作品が走れるためだけのレールを作れ。

『ロカ』の続きは天国の本屋なら置いてる?
『ロカ』の続きは地獄でしか買えないとか?
現世、アンチテーゼ、感じねぇって事を感じてる。
腕時計を外して踵で踏み付ける。
危ないものならたくさん持ってるはずなのに交番の前を幽霊のように僕は素通り。
危ないものなんか最初から持っていなかったらしい。
安全剃刀の方がまだ僕よりも痛かったらしい。
まるでギターケースのように僕を背負っていく。


https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC/1249685166


https://open.spotify.com/album/60iF6g1ld5756poLEt1oU9?si=S2ZdPU6yQHeworsrVptPfw


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