06,J-POPが嫌いな友達/Monad

J-POPが嫌いな友達/Monad

真っ当な人間になりたいなら、カラオケにある歌詞と反対に生きればいいなんてアイツは言ってた。
アイツが読んでたブログの書き手は前に死んだ女優らしいんだと言ってたんだ。
当時中学生だったその彼女に人生救われたってアイツは言ってたんだ。

JPOPが嫌いな友達、意味のないセリフ吐くのがジェラシー。
JPOPが嫌いな友達、君の前で聴く曲が恥ずかしい。

「歌謡曲の歌詞みたいに出来ないことをそれに託すんじゃなくて祈らないことで実る色がある」なんて、
恥ずかしい歌詞みたいなことを口走ってたアイツはこの町のことを悪く言うことで価値を高める癖があった。
夢があったわけじゃないから眠れなかった。メタファーが邪魔をして言えなかったセリフが山ほどあった。
アイツのセンスが羨ましかった。

JPOPが嫌いな友達、意味のないセリフ吐くのがジェラシー。
JPOPが嫌いな友達、君の前で聴く曲が恥ずかしい。

アイツは格好いい価値観かもしれないと思うけど「歌謡曲聴けない」と「大学通う」とは言えないよ。
「カラオケに行けないの？」なんて質問にいつも下唇噛む。
都会のビルとか歌詞とかチグハグ映り変わるのにも似ていて、
否定で話をしていた僕らの青春もシューズも憂鬱も中古みたいでリースも出来ないリサイクルショップに理解するように、
芝居するように今いずる商品とショウウィンドウ「もういいよ」を重ねるハイドアンドシークの逃避行の森もどうにもならず、
J-POPが嫌いな友達の前じゃこんな姿見せられないな。

自分の好みに自信持てないな。クラスメイトには嫌いな友達がいる。誰が誰を嫌いとかを知るよ。
JPOPが嫌いな友達、意味のないセリフ吐くのがジェラシー。
JPOPが嫌いな友達、君の前で聴く曲が恥ずかしい。
J-POPが嫌いな友達、捨て曲だと思ったアルバム曲。
J-POPが嫌いな友達、君が好きだった曲がカラオケにあってさ。
なんかさ、それを歌ったらやっぱさ、みんながポカンとしたけどあの歌詞みたい生きたら真っ当になれそうだなって黙って思ったよ。