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顔/faith

顔/faith

lyric by.母野宮子
track by.EMDEE1
mixed by.クロダセイイチ(Genius P.J’ s)

僕は自分の顔が嫌い、父親に似ていてすごく嫌い
一重まぶたに天然パーマ、その遺伝子が原点だった
忘れもしない中学一年、仲の良かったツレだけモテて
隣で黙る僕はいじけて、仲の良かったツレはイケメン
コンプレックスが月日のように積み重なってすごく無慈悲に感じる思春期
憂いてる自分に嫌気がして塞ぎ込んだイメージ
クラスメイトの女子に話しかける方法がなくて哀しい
どうして普通に笑って話せる? 教師へ普通に手挙げて話せる?
「世の中は顔が全てかも」って布団を被った不貞寝が本音
そのくせ僕の自意識過剰が反比例して歯軋りのようだ
お洒落な服を着りゃ少しでもマシかと鏡の前で一人相撲してる明日と
憧れのミュージシャンと歌詞カード、同じ宗教を探すような「ありがとう」
女子と話す度にヨソヨソしくなり、無機質な態度で男らしくない
向こうから話しかけられる日もなくなり、横断歩道は常に危ない
スポットライトの当たらない場所で、当たってる奴より自意識を燃やす
テレビに映れる顔じゃないけど、映ってる奴より特別な自分
自分の顔が嫌いな僕は中身は父に似ていなかった
鏡が時期に天然パーマのように歪曲して捻くれた
こんな遺伝子なら残してやるかと、詭弁を振るった未来に泣いた
父が持ってる揺るぎない誇り、尊敬してるが僕には出来ない
真っ赤に染まったこの夕日は、ニキビのように潰れた中二だ
そこで時間が止まった釘だ、銭湯で股間を隠すような羞恥だ
周知の事実と言えるわけでもなく、自分の中に抱えてるハードワーク
大学生になってからまた思う、やっぱ顔なのかなって不慣れに酒を飲む
いつかこの顔を受け入れて相応の態度で自信をもっては
大物みたいな情緒と表情を経てから校長先生から賞状を得て笑う
そんなイメージを履歴書に書いても、就活、面接、受かるわけないでしょう
第一印象で全て決まると、無い一人称を埋めてはリアルを
掘っては墓に埋めてく作業、爽やかな顔でスーツ着た営業
表舞台で人と接しない、仕事を選んではもう人のせいにしない
幸いなことに彼女も出来たし、顔は気にしないと決めた手品師
思い返せばよく結婚出来たなと思う、諦めていた僕は結構素敵だなと思う
妻がいるだけで自分の顔が、自意識の邪魔をしてこなくなった
次第に目を見て話せるように、気遣いながらも交わせるモーニング
コンプレックスから抜け出せるかもしれない、長い夢から覚めるかもしれない
そういう希望も悪くはないかも、受け入れた自分を蔑まないでおこう
そんな矢先に妻から返信がきた、そのメールは一言だけ「妊娠した」
こんな遺伝子なら残してやるかと、詭弁を振るった過去に泣いた
親不孝なほどに嫌ってきた顔だ、それがカルマなら背負うのは僕だ
我が子がこの歌を歌ってる未来、それを受け止める覚悟をしたい
僕は自分の顔が嫌い、父親に似ていてすごく嫌い
一重まぶたに天然パーマ、その遺伝子が原点だった
僕の遺伝子が残るかもしれない、ただの偽善には成り下がらない
女の子だって言ってる妻に、顔が似て欲しいって思ってた悪阻
僕は自分の顔が嫌いだった、父親に似ていて嫌いだった
一重まぶたに天然パーマ、その遺伝子が原点だった
娘は僕に顔がそっくりだった、なのにどうしてこんなにも可愛い
父から得た揺るぎない誇り、思春期に文句を言われたとしても

思春期に文句を言われたとしても、思春期に文句を言われたとしても
思春期に文句を言われたとしても、 君がこの歌を歌っても
思春期に文句を言われたとしても、思春期に文句を言われたとしても
歯切れ悪いけど紛れもないこの曲はほら僕らの「顔」だ


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