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10,名前に夏が入ってる女の子へ/Endless Summer

名前に夏が入ってる女の子へ/Endless Summer

夏の終わりが煙る。俺に、懐かしく。
夏の終わりが煙る。君の携帯電話のケーブル、首に巻きつけて眠る。汗が流れ来る。
夏の終わりが煙る。君の名前には夏が入ってる。

夏、毎朝、女子から8×4、借りてる男子を妬んでケイドロ。
貸してくれって気軽に言えるその産まれ持った先天性を炎天下が焦がしたのが今。
浮き沈むシニシズム、罪と罰、脱ぎ飛ばす指と明日。
夏のうちに初めてを済ませて澄ました顔して空かしてみたかった。
経験が着てる服を脱がしてみたかった。
名前に夏って漢字が入ってる女の子は可愛かった。

夏の終わりが煙る。俺に、懐かしく。
夏の終わりが煙る。君の携帯電話のケーブル、首に巻きつけて眠る。汗が流れ来る。
夏の終わりが煙る。君の名前には夏が入ってる。

この人前でアイデンティティを披露なんて出来ない僕らのヒーローは、
校長先生のお話を素晴らしいとは言えない、それが建前。
たった1日で死ぬ蝉もいる。夏祭りあの子に彼氏がいる。
奇跡は僕を遠くへと連れて行く。初恋だなんて美談に出来るものじゃないな。
頑張ったって意味がないな、努力なんて時代遅れの産物さ。勉強なんて人間のサンプルさ。
そして、事件は、起きた。
この街には最近、潰れたボウリング場があって裏口の南京錠の四桁の番号を適当に回していたらたまたま当たったんだ。
ボウリング場には時代にそぐわない選曲の並ぶジュークボックスが放置してあって。
君が自分で言うほど汚れてない事を知る。
ふざけて百円玉を入れてみる。

夏の終わりが煙る。俺に、懐かしく。
夏の終わりが煙る。君の携帯電話のケーブル、首に巻きつけて眠る。汗が流れ来る。
夏の終わりが煙る。君の名前には夏が入ってる。

ジュークボックスからは僕らの世代が知らない曲が知らない映像と一緒に流れた。
名前に夏が入ったクラスメイトを一人、彼氏がいるのを承知で呼び出す。
彼女の笑顔は、このあいだ雑誌の表紙を飾っていたやつだ。
見た目に反してアナーキーな彼女は自制心より好奇心の方が大きかった。
この世界のあらゆる出来事が未経験だった。
誰もいないボウリング場の廃墟で僕らは遊んだ。秘密基地のように何度も通った。
自分の手でピンを並べて自分の手でピンを倒した。
冷房が効かないから汗だくだった。
太陽が当たらない果てがうざったいくらいに彼氏にメールを返している君の誤魔化し方が好きになるリビドー。
君が自分で言うほど汚れてない事を僕は知ってる。
ふざけて百円玉を入れてみる。




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