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『Heroes of the Storm』の話がしたい(その2):Guinsoo時代の『DotA AllStars』の功績

はいどうもー。このノートは前回の続きになっているので、前回のやつを読んでいるの前提にしてます。読んでね。記事タイトルは「『Heroes of the Storm』(HotS)」の話がしたいってなってるけど、連載としては「HotSに至るまでのDota史」になる予定です(そうしました)。

HotS最新情報:アップデート予告と、#saveHotSタグの誕生

さて、ダラダラしている間に『Heroes of the Storm』(以下、HotS)の最新情報があったようです。

公式フォーラムに投稿された情報によると、今後の数カ月は以前から予告されていた通りにアップデートが進むそうです。85番目のヒーローは2019年1月の最初の週のPTRに来る前にアナウンスされるらしいです。イベントや既存ヒーローのリワークもある予定のようです。これ以降については議論中とのこと。※実際に新ヒーローのImperiusが公開されました。

以前から言ってるように、パッチのペースなどはともかく、アップデートしなくなるわけじゃないよってことですね。前に予告されたヒーローロールやマッチングについても改善が入るそうです。

コミュニティーではBlizzard公式大会の終了を受けて、#saveHotSのハッシュタグが誕生しています。アマチュアHotSリーグのHeroes LoungeはHeroes Lounge Division Sという新たなリーグを発表しました。こちらはヨーロッパとNAのトップチームが戦うものになり、プライズプールはクラウドファンディングによって集められます。めでたいことに、52時間で10000ドルを集めました。

InvenGlobalによると、ブリザード公式大会HGCに参加していた2チームHeroesHearth EsportsとTempo Stormも長期的な視点で大会などを考えているそうです。ほかにもEU Nexus Contestという、コミュニティーがサポートする大会も開催されます。こちらはRazerとのパートナーシップも結んだそう。

『DotA』の道のり

さて、前回はEul氏による『Defense of the Ancients』(DotA)の誕生まで扱いました。このDotAですが、人気は確かに出ましたが実際にメインストリームとなったのは『DotA Allstars』という亜種からです。それの誕生について、今回は取り扱います。

Eul氏のDotAは2002年リリースの『Warcraft III: Reign of Chaos』(RoC)向けに作られたMod(マップ)でした。その後、2003年に拡張パックとなる『Warcraft III: The Frozen Throne』(TFT)がリリースされます。TFTでは、Mod向けにもさまざまな拡張がなされました。拡張がなされたおかげで、RoC向けに作られたマップと互換性がなくなってしまい、TFT向けにマップを移植する必要がありました。

TFT向けにもDotA: EXという形でRoCから移植したものがあったのですが、人気は得られませんでした。EulはTFT向けに『DotA 2: Thirst for Gamma』というマップをリリースしますが、伝統的なDotAのプレイスタイルとは異なっており、こちらも人気は得られませんでした。人々は拡張パックが出てもオリジナルとなるRoCのDotAをプレイしていました。そんな中、Eul氏がDotAのソースを公開し、さまざまな亜種が登場していくことになります。

かつてセガがサービスをしていた『カオス ヒーローズ オンライン』もDotA: Chaosという形で生まれた亜種でした。以下の記事の下の方に載っています。

2004年3月には現在の『Dota 2』のプロトタイプとなる『DotA Allstars』のv0.95 Betaがリリースされます。こちらはMeianとRagn0rという人物が作ったもので、多くの亜種マップから良いヒーローなどをインスパイアしたりして作ったそうです。そして今はLoLのRiot Gamesの社員であるGuinsooが2004年に『DotA Allstars』の開発に加わります。

Guinsooが加わり、レシピ(アイテム合成)システムとRoshan(LoLにおけるバロン)が加わったそうです。『Warcraft III』のシステムの都合上、アイテムは6個しか持てませんでした。後半になると、安いアイテムを売ってから、高いアイテムに置き換えるしかありませんでした。そこで、弱いアイテムから合成していって、高価な強いアイテムが完成するというシステムが作られました。なお、このシステムはターンベースストラテジーゲーム『Heroes of Might and Magic III: The Shadow of Death』のアーティファクト合成システムからインスパイアされたという説があります。

『DotA Allstars』(Guinsoo)の功績はこれだけではないそうです(ロシア語ソースと、ぼくの主観を混ぜています)。あくまでもストラテジーゲームにRPG要素が加わっただけのオリジナル『Warcraft III』から、よりヒーロー同士の戦闘がエキサイティングになるようにゲームを作りました。敵ヒーロー殺害の報酬(メリット)が多くなり、さらにデスペナルティー(デメリット)が大きくなりました。そして、『Unreal Tournament』スタイルのキルアナウンスが追加されました。ファーストブラッド!、ダブルキル!みたいなやつですね。古い「DotA」は建物を破壊する要素が強かったのですが、たしかに『DotA Allstars』はUlt一発で敵を倒したりとプレイヤー同士の戦いの要素が強くなっていました。

2004年以降、Guinsoo、Neichus、IceFrog(のちにValveで『Dota 2』を作る)が『DotA Allstars』を制作していきます(いつ彼らが加わったのかは怪しげ)。ちなみにNeichusはPudge(フックヒーロー)を作った男だったりするので、MOBA業界に功績を残していると言えますね。2004年10月には公式ポータルサイトのDotA-Allstars.comをのちにRiot Games社員となるPendragonが管理します。その後、『DotA Allstars』は発展していき、eスポーツとしてもプレイされるようになっていきます。ちなみに、DotAの発展の裏には『Warcraft III』を開発するBlizzardのオンラインサービス・Battle.netを介さず、仮想LANで割れでプレイするという文化がありました。

2005年、Guinsooは『DotA Allstars v.6.01』をリリース。そして、Guiiinsooは開発から抜けてNeichusとIceFrogに開発を託しました(のちにRiot Gamesに入るためか?コミュニティーの噂では『World of Warcraft』の開発に加わったのではとも言われていたらしい)。このタイミングのNeichusとIceFrogの時代の『DotA Allstars』はバランスが悪かったらしく、古いバージョンが使われることもあったそうです。そして、Neichusは2005年6月に開発から去ったそうです。これぐらいのタイミングで『DotA Allstars』は中国語版をリリース。中国での人気が高まっていったそうです。

今回はこの辺にしておきましょう。次回はLoLとか、HoNとか、『Dota 2』とかがきっと出てくるはずです。記事の執筆が遅れてすみません。ちょっとずつやっていくことにします!

※2019/1/18 初稿では「The Shadow of Death」が『Warcraft III』のマップであるかのように書いていましたが、『Heroes of Might and Magic III』の拡張パックの間違いでした。大変申し訳ございませんでした。翌週さん、ありがとうございます。

※2019/4/13 私がブリザードに対してモチベーションがあまりなくなったのと、こっから先がもっともセンシティブな部分なので書くかは未定です。
雑にまとめると、LoL作ってた人とサイト運営してた人がRiotに行ってDotAの掲示板が閉鎖、HoNが作られる(IceFrog)、Dota 2が作られる(IceFrog)。その後、Blizzard DotAがStarCraft IIのModとして作られるがValveともめてBlizzard AllStarsになる→Heroes of the Stormが誕生。→現在はDota 2のModとして生まれたDota Auto Chessが大人気みたいな感じです。

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