適当に敬意を

「子曰く、三十にて立つ」
私はもう少しで三十路になる。もう少しと言っても、あと一年と二か月。
それまでにどうにかして私は自分のことを好きになりたい。

私はよく「変わってる」と言われる。
その言われることについてはもう慣れているが、馬鹿にされたり馴れ馴れしくなったり見下されたり、そういう態度を取られるとムカつくというより悲しくなる。
あたしの心が狭いのか、それとも傷つきやすいのか、考えすぎなのか、スルースキルがなさすぎるのか、どうして性格が変わってるんだろう、どうしていつも私はこんなんなんだ、なんで普通にならないんだろう、
一人になった瞬間にぐるぐると無限のループが始まる。

こんな思春期に悩むような内容を、28歳の今になっても解決せずに生き続けてきた。
高校時代の部活、先生に何か聞かれたら即答をしていた。そんな癖が抜けない。沈黙がないように、気まずくならないように、見たものをすぐに言葉に出すようになってしまった。特に言わなくてもいいこととかでもいちいち。それは結果として自分にしか分からない世界を生み出してしまい、周りの人はどう反応すればいいか分からない状況を作り出してしまっていた。

「こんな人に会うのは初めてだよ」
という誉め言葉?から、
「新古車だと思った事故車だったわ」
という究極のdisりを受け止めてきた。

私は言い返す能力がない。頑張って言おうとしたら大体涙交じりになってしまう。それか意味不明な言葉ばっかり言ってしまう。
あたしは左利きやから仕方ない!と思うようになった。それでもどうにか普通になりたくて、右手で日記を書いたりした。でもそんなので急に性格が変わるものでもなかった。

人生の先輩にアドバイスをもらった。
「心の広さは人それぞれだから、変えようがないからそれは変えなくていいじゃないか。ずっとユカで生きてきたんだから自分に自信をもった方がええ!そしてちょっとイカれてる位がらしいで」

せやねん。あたしには自信もないし自己肯定感も低め。
どうしたらいいのか姉にアドバイスをもらった。
「自分に可愛いと言い聞かそう。ルックスじゃないよ。存在が可愛いんだよ。」
そうか、私は今まで鏡の前でしか言ってこなかった。存在が可愛いなんて一度も思ったことなかった。
あたしは世界に一人だけ。どこにもいない。こんなに変わっててイカれてて、美しい人間。

考えてみたらどこも変なところなんてないじゃないか。思考は別として。
正社員、借金なし、大学中退の高卒、体型も普通、健康、運転免許あり、借金なし、貯金もあり、趣味も多数、一人で飛行機にも乗れる、高速も楽勝、カメラのお願いも頼める、群れることが嫌い、人助けもする、落としましたよって声もかけれる、ガス欠になったことない、毎日風呂入る、毎日フロスしてる、遅刻したことない、ギャンブルもなし、タバコもなし、アルコール依存でも薬中でもない、生きてる。

言葉を乗せて相手に矢を放つとき、なるべく的に残らないように気を付けよう。だけど好きな相手には蕩けさせてしまおう。
私よりも変わってるやつらはこの世にごろごろいるので、私を変わってるだなんて思ったことある人たちはもっといろんな世界を見るべきだ。あたしなんて超平凡だぜ。あばよ




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