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第13話 あなたの考え方は、本当にあなたの考えだったのか⁈

この物語はフィクションです。
登場する人物は全て架空です。
マインドフルネスに関わる情報を
不思議な少女と30代女子の対話から
描かれています。

あたりはいつの間にか夜の闇に包まれていた。するとピンクのウサギは怯えながら森の草むらの方へ逃げていった。

ゆめみ : あっ待って!

ゆめみは疲弊しきっていて、もう追いかける気力もなかった。
ピンク色の生き物をウサギの姿から元の姿に戻すため、何時間も試行錯誤で念じたが何も起こらず、さらに追い打ちをかけるよう、ウサギを見失った。

ゆめみ : あぁ、いったいなんなのこれ…

翼を持つ少女が微笑みながら、ゆめみに話しかけてきた。

翼を持つ少女 : ねぇ、これまでのあなたのことを思い出してみて♪
あなたの心は、あなた自身の考え方次第でどんな形にでもなれるし、どんな行動も起こせるの♬
でも、そのことに気づきがいないと、
いつも同じような結果になる
わ。
だからあの子は戻らないの♪


ゆめみはこれまでマインドフルネスで学んだことから”気づき”と言う言葉に反応した。
“まだ自分で気づいていない何かがあるってことね⁉︎”。
ゆめみは少女の言う通り、自分の考え方を振り返った。
だいだい自分がどんな考え方をしているのか?もしかしたらそこに何かヒントがあるかもしれない、、。

ゆめみ : そうか!私はいつも物事がうまくいかないとすぐに布団に包まって逃避するクセがある!
だからあのウサギは逃げ出したのッ⁉︎

翼を持つ少女 : うふふ♪ 思考と心は無意識でつながっているの。しかもそれは自動的に結びつく、だからなんでその考え方になったのか、自分ではなかなか気づけないの。

ゆめみ : よしじゃあ、この自動な考え方を見直して、立ち向かうもう一度‼︎

ゆめみは再び念じた。うまくいかない状況での自分の思考のクセ、”逃げだす事”を考えてしまったら、一呼吸おき、あきらめずにウサギともう一度向き合うことを念じた。

何度か試すうちに、ゴソゴソと草むらの奥からウサギが目の前に飛び出してきた!

ゆめみ : うわ!戻ってきた!

ゆめみは飛び出てきたウサギに驚いた。
そしてなによりも、自分の思考が無意識のうちに、自動で ”逃げる” ことを選択していたことに気づき、ショックを隠しきれず固まっていた。

翼を持つ少女 : それを「スキーマ」と呼ぶの。
自動思考はスキーマに基づいて生まれることがあるの。

ゆめみは動揺していた。
”自分の頭で考えていたつもりが、スキーマに基づいて ”逃げる“ ことを選択していた⁇
何それ⁉︎ どうして⁉︎

翼を持つ少女 : うふふ。スキーマは個人個人の知識を体系化したものなの。特に過去の体験や環境、そしてその記憶によって、知らず知らずのうちにスキーマは構成されていくの。

ゆめみは自分の心に浮かぶ思いや感情は、過去の経験によるクセであることに気づいた。

ゆめみ : そうか、、小さい頃から何かできないことがあると、かんしゃくを起こして逃げ出してたり、学校でも自分だけができない、例えば水泳がある日なんかは、いつも欠席してたな(苦)、、、。

ボソボソ独り言をはじめたゆめみにカットインするよう、少女が喋り出した。

翼を持つ少女 : さすがゆめみね!あなたはすでにこの心の世界で、新たな気づきを起こしたわ!

ゆめみはすぐさま、少女へ尋ねた。

ゆめみ : もしかしてここは、私の心の中なのね⁉︎

翼を持つ少女 : ご名答!ここではゆめみに自己探求を体験してもらうの!

ゆめみ : あなたは誰なの⁉︎

翼を持つ少女 : おっと、自己紹介ね、
わたしはまだ名前はないの、、、そうねー、
いつもあなたを高いところから見守ってるから、天使みたいなとこかな♡うふふ♬
そちらのピンクウサギちゃんは、ん〜、
まぁあなたの心に潜む動物さんってとこかしら♪
よろしくね!

ゆめみ : は、はぁ…。わたしは、ゆ、ゆめみです、、よっよろしくお願いします、、!

ゆめみは頭の中を整理している。

天使の娘 : それじゃさっそく、ウサちゃんをまた変身させてみるの!
おっと、その前にあなたのその疲労感をとってあげるね。

天使の娘が笛を吹いた。その音色は、ふくよかな柔らかい響き。そしてその音はロングトーンで鳴り続ける。
ゆめみはそのドローン音に包まれるように、音色の心地よさを身体で浸りながら感じていた。

天使の娘 : ふ〜〜っ!われながら気持ちいい音色だぁ、どう?

ゆめみは自分の身体のあまりの軽さに、思わず笑ってしまった。

ゆめみ : ははっw すごい、天使さん‼︎
ありがとうございます♪

天使の娘 : では、気を取り直してぇ、
ウサちゃんの試練スタートなの!

ゆめみ : よし、待っててね心の動物さん!
今、元に戻してあげるから!

つづく

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