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エルデンリングクリア後感想 闇霊侵入の悪夢を見るほどハマったソウルライク初見プレイヤー そして僕は暗月の伴侶になる

エンディング含め、多数ネタバレあります。
これからプレイするよって人は気をつけてください。

2022/04/16現在でメタスコア驚異の96点というすさまじい評価をたたき出しているエルデンリング。
さすがにプレイせずに人生を終えるのはもったいないかもと思い、ソウル系の難易度にビビりつつも購入、一ヶ月半ほどかけて(かなりゴリ押しだったものの)裏ボスまで倒しました。本当にはちゃめちゃに楽しかったので、その感想を書いていきます。

ラニ様帽子が好きで、せっかくかぶるならとそれに合わせた冷気魔術寄り技魔ビルドになりました

ちなみに最終的なプレイ時間は90時間ちょっと、レベルは189まで上げました。知力80・技量40まで上げて、ラニ様帽子かぶって月影とアデューラの月の剣をブンブン振り回して遊ぶ感じのビルドでした。
ちなみにこれは攻略サイトや攻略動画を時々見た上でのプレイ時間・レベルです。

攻略Wiki・攻略動画を見ているはずなのに疲れるほど死ぬ

攻略を使っている時点で私にキレたくなったプレイヤーの方々もいるかもしれませんが、ソウル系初体験の自分としては時々攻略サイトを見るぐらいでちょうど良い難易度だったと思います。というか、攻略サイトを見て、まだダンジョンが残っていて、ボスも残っていて、それでも90時間以上使っています。マジかよ。

この理由は大きく2つ。1つはボリューム量がすさまじいから。攻略ページをそれなりに見て、効率よくアイテムを回収して、レベリングをしても、まだ行けていないダンジョンが(大小ありますが)10個以上残っています。すさまじい物量。記事書くために久しぶりに起動したら普通にマップの探索していないところがあってひっくり返りました。

もう1つ。こっちがメイン。とってもたくさん死ぬから。攻略サイトを見ようがボスの攻略動画を見ようが、結局このゲームはアクションゲームなので、正しいタイミングで正しいアクションをしないと死にます。マジで何回YOU DIED見ればええんやって思うぐらい死にます。攻略サイトを見て効率よくレベリングできて耐久力が上げられたとしても、結局は複数回殴られて死にます。特定のボスには回復動作を狩る行動パターンなんかが準備されているし、被弾したら有無を言わさず即死する攻撃もあります。捕まれたり、噛まれたり、串刺しにされて放り捨てられたりします。
で、「はぁ~なんだこのクソゲー」って言って、攻略ページを見るじゃないですか。「ローリングで避けましょう」とか得意気に書いてあるんですよ。マジでおかしいだろこいつ、避けられたら苦労しねぇよっていう。動画サイトで「この上に刀上げているところでローリング入力してください」とか言われても、眼が追いつけません。ので、結局はたくさん死んで指に憶えさせるしかありません。これにパリィとかできる人たちがいるのがクリア後の今でも信じられません。

攻略中に本当に見た悪夢

これは完全に余談ですが、深夜に数時間プレイしてそのまま寝る生活を続けていたせいか、夢の中で祝福(セーブポイント)に触れようとした瞬間に侵入(※)されたことがありました。(※ダンジョン攻略中に敵が攻略を邪魔しにくる、というか殺しに来るシステムのこと)
NPCが侵入してくる場面で殺されてコントローラーを投げ不貞寝したことがあったのですが、その夜はゲームプレイ中に現実の自分が背後からバックスタブされて死ぬ夢を見て深夜3時に目が覚めました。今まで生きていてそれなりにゲームはプレイしてきましたが、夢に出てきて殺されたのはさすがにはじめてです。
結局その後眠ることができず、どうしようもなかったのでエルデンリングを起動しました。悪夢を見せて睡眠時間を削りに来るエルデンリング、改めて恐ろしいゲームです。

思っていたより簡単で、思っていたより不親切なゲーム

これはラスボスの害獣をゴリ押しで倒したときに興奮してガチャガチャしながら撮影したスクショ

ゲームそのものの感想についても書いていきます。一言でまとめてしまうと、想像よりも簡単な部分と難しい部分がそれぞれきっぱり感じられました。

意外と簡単だったのは実は一番気がかりだった戦闘部分。
本作はゴリ押しが効く場面が多く、アクションがそれほど得意ではない人でも武器・戦灰(協力NPCみたいなもの)を強化してキャラのレベルをちゃんと上げて、それなりに適切な行動が取れればエンディングまでプレイできそうだと思いました。
また、アクションと言っても結局はR1とR2、そしてダッシュとローリングによる回避ぐらいしかなく、意外と操作の選択肢は少ないので正解の行動にたどり着くまでは想像していたよりは短かったと思います。
……まぁ正しい行動が分かったとしてもタイミング良くその行動ができるとは限らないんですが。

一方でオープンワールドで自由度が高く探索がかなりできるせいか、次に何をするべきか、どこに行くと何ができるかという部分は正直かなり分かりづらく、不満というか不親切だと感じました。特にNPC関連のイベントなどは攻略Wikiを見なければとても回収できるとは思えない内容ばかりで、なんならWikiを見ていても取り逃してしまったイベントもありました。
また、使いづらい・分かりづらい部分も複数あります。例えば入手したアイテムを確認する際にいちいちそのアイテムを探すのが手間だったり、各種パラメータの内容・状態異常・武器の強化派生についてチュートリアル的な説明が一切無かったりする部分は遊んでいてムッとすることがありました。
アイテムを探す部分や各種パラメータの説明については、ゲーム中に解消するUIはしっかり準備されているのですが、ボタンの遷移的に少し奥まったところに存在していて、YouTubeの動画で使用されているのを見てはじめてその存在を知るなんてこともありました。
敵を倒して防具を入手するまで何が弱点なのかが分からないところ(モンスターハンターをイメージするとわかりやすいかも)、そしてそれぞれの武器に物理攻撃属性が存在しているのに表示が無いところも気になりました。そのくせ打撃攻撃だけが非常に有効な敵がいたりしていやらしい。もちろん敵の攻撃にも属性があり、それに合わせて防具にもカット率がしっかり準備されているのに、そこについては説明らしい説明がほぼ存在せず、見た目では雷属性と聖属性の区別がほぼ付かないのも、やっぱりいやらしいと思いました。

ただし、これらの不満点を不親切と捉えるか、癖が強いながらも味と捉えるかは意見が分かれる部分だとも思います。

上記の記事はエルデンリングのUIが洗練されており、昨今のゲームのUIがゴテゴテであることを揶揄した記事です。記事と元のRedditから画像を引用します。

実際のエルデンリング
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220307-194505/
Redditで投稿されたゴテゴテUIのエルデンリング
https://www.reddit.com/r/Eldenring/comments/t7q55h/if_ubisoft_developed_elden_ring/

もし自分が先述したような内容を解消しようとした場合、特にNPCのイベントや敵の攻撃属性などの表示なんかは、記事で紹介されているようなゴテゴテUIに近づいてしまうかも知れません。

この後紹介しますが、エルデンリングのグラフィックは本当に綺麗な場面が多く、それらを堪能できるようにするためにいろんなものが意図的に削がれているのは間違いありません。遊び終わった今この記事を書いていて、「それはそれで味だったのかもな」と思ったのも事実です。
なんだよこれって言いながらも、そのなんだよこれって言っている体験自体が楽しかったですし、よく分からなかったことをネットで調べて解決法が分かった瞬間に「なんだよそれw」って苦笑いしていたのも、遊び終わった今では思い出補正で良い思い出になっています。
ですが一方で、「エルデンリングだから」「フロムゲーだから」「高難易度ゲームだから」と言ってしまえば全てが許されるかというとそうでも無いとも思います。開発した方々からしたら「そこも含めての難易度・体験設計なんでw」と言われるのかもしれませんが、自分としては不必要な理不尽さを感じる部分もあったので、もう少しやりようがあったのではないか、と思いました。

数多の死を越えた先にある達成感、そして絶(望的な風)景

ここまでエルデンリングに対してだいぶ文句を言ってきました。が、前述の通り、いろいろ思うところはありつつ、そしてたくさん死にまくりつつも、夢中になってアホみたいにプレイしてしまったのも事実です。

それらを支えていたのは、やはりこのゲームに存在する探索の楽しさ、試行回数でボスに打ち勝ったときの気持ちよさがあったからでしょう。
馬でいろんな場所を駆けるオープンワールドゲームらしい楽しさは言わずもがな。ソウル系のゲームではもはや十八番になっているであろう死んで死んで死にまくり、その結果としてだんだんHPゲージが削れるようになっていくあの体験は、ゲームの原始的な楽しさの一つである「試行回数による成長」を単純かつ強烈に体験させてくれました。

裏ボスであるマレニア戦は写し身+10というヌルゲー要素を使っているにも関わらず下手くそなので何度も死にまくりました。勝った瞬間には思わず本気でガッツポーズを取って叫びました。

また、成長の結果強敵を撃破した先にある美しい景色も、このゲームの魅力だと思います。その景色の美しさは、単なる綺麗さだけではなく、どこか恐ろしさを抱えているところがこのゲームのグラフィックの魅力だと自分は思っています。
以下、ゲーム中で撮影したスクリーンショットを掲載します。これらを見ていただければ、自分の言いたいことが感じられるかもしれません。

一番衝撃的だった灰都ローデイル。
ローデイルが王都から灰都になることは攻略サイトで事前に知ってしまっていましたが、それでもロード後のこの景色には言葉を失いました。ことの重大さを嫌でも理解する風景。
こちらも入った瞬間から震えたエリアである、崩れゆくファルム・アズラ。
ほとんどモノトーンにもかかわらず、飛び回っているたくさんのドラゴンと吹き荒れる嵐から、このエリアがやばい場所であることが伝わってきます。瓦礫が同心円状に浮いているのも、混沌としているながらも秩序を感じ、どことなく美しさが感じられます。
ラニ様のこの様子も。
血の量とボロボロのラニ様からきっと壮絶な死闘があったのだろうことが想像できつつも、一人で座っている様子から哀愁と美しさを感じます。
白ワンピ・夕焼け・ベンチの組み合わせを狭間の地でやろうとしたらこうなるのかも。
裏ボスのマレニア。綺麗だけどお前は二度と見たくねぇ。

もしこの世に本当に神が存在していて、それを自分が目の当たりにしたときには、きっとエルデンリングで見た風景を思い出すと思います。
エルデンリングの舞台である狭間の地からは、圧倒的に強大な力から醸し出される絶望感・恐怖・畏怖がありつつも、そこに同居する神々しさと美しさを感じました。そしてそれらの恐ろしさに虜になって、何度も死んで嫌になっているはずなのに、コントローラーから手が離せなくなる呪いにかかってしまうのです。

この先、「この先、ジャンプが有効だ」が有効だ

エルデンリングにはソウル系でこれまで存在していたメッセージというシステムが存在しています。これはマップにプレイヤーが定型メッセージを残せるという至極単純なシステムです。「何々が有効」みたいな攻略情報もあれば、「あぁ、俺はやった!」のような感想文も残せます。また、メッセージは良い・悪い評価をすることもでき、評価数はメッセージの横に表示されます。

ベッドに座る女性NPC、フィアに対するメッセージ。下ネタじゃねーか。

このメッセージを介したオンラインプレイは程よいつながり感があり、マルチプレイがあまり好きではない自分でもとても楽しかったです。ボスを倒す前の激励メッセージでビビりつつも勇気をもらい、ボスを倒した後に喜ぶ・祝うメッセージで自分のうれしさが倍増しました。これだけでこのゲームを遊んで良かったと思えるぐらいに楽しいシステムで、過去作からこのシステムが継承され続けている理由がよく分かりました。

自分が特に印象的だったメッセージは、この節のタイトルにもある「この先、ジャンプが有効だ」です。

上記動画を見ていただければ分かるとおり、たいていの場合このメッセージは崖なんかに存在していて、そのメッセージに従ってジャンプすると飛び移れるよ、みたいな顔して書かれています。そして、これまたたいていの場合そのメッセージに従ってジャンプすると死にます。要するにジャンプが有効ってのは嘘ってことです。そしてこんなメッセージがめちゃくちゃ評価数が多かったりして、このメッセージでプレイヤーがどうなったかなんとなく想像できます。最高に楽しいゲームですね。

しかし自分がこのメッセージが印象に残っているのはそのような崖では無く、ゲーム終盤のボスであるホーラ・ルー戦の前に存在していたからです。

実はこのボス、やっかいな超広範囲攻撃をしてくるのですが、その攻撃はジャンプによって回避が可能です。ですから「この先、ジャンプが有効だ」というメッセージは、このボス戦の前に存在していることによって、プレイヤーをだます嘘メッセージではなく本当の攻略情報メッセージになります。
この、同じ文章が全く違う意味として解釈した瞬間に、(近い言葉が見つからないのですが)推理小説の伏線が回収されたかのようなような気持ちよさを感じてびっくりしました。もしここまでが全部計算されて設計されたゲームであるなら、それはそれで凄いですし、仮にそうじゃなかったとしても、このメッセージシステムとソウル系のプレイヤー層のノリの良さからしか生み出せない体験で、これもまたこのゲームからしか得られない楽しさで凄いと思いました。

ラニ様は俺(たち)の嫁

この先、ただのオタクに注意しろ

この口元だけで美しいのが分かる。

まさか2020年代にもなって俺の嫁なんて書くことになるとは思っていませんでしたが、本当に結婚したのでこう書いてしまいました。
お察しの通りラニ様です。ラニ様。SNSでも話題沸騰。このゲームではこの方と結婚できます。いや、本当に、ラニ様が、いい。顔がとか、青肌がとか、4本腕がとか、実は人形だとか、そういうところももちろんいいのだが。

「否とは、言わせんからな」
「…この姿だと、どうにも気が緩むな」
「…お前が、私の王だったのだな」
「それでも、付いてきてくれるのだろう?ただ一人の、私の王よ」

ああああああああああああああああああああああああああああ

もうね、この過程、さっきまで絶望が畏怖が恐怖がと書いていたけれど、そんな世界観でもやっぱり人と人の間には関係が紡がれるようになっていて、頼まれた依頼こなしていくとだんだん仲良くなっていって、もっと頼られるようになって、ちょっと話過ぎちゃったりもしてくれて、最後には絶対付いてきてくれるよなって全幅の信頼を寄せてくれるようになるこの過程が本当に素晴らしい、素晴らしいものですよこれは。
もうほんと、可愛い。恋とか恋愛っていうより、もっと優しくてやわらかくて綺麗で尊い何か、きっと愛しいって感情はこういうことなんじゃないかなって。しかも、スクショ撮り損ねているけど、初対面では「もう二度と会うこと無いと思うけどな」みたいなこと言ってるからね。そこからこうなっちゃうの、ほんと。大好き。大好きです。マジで好き。
しかも、このゲームってプレイヤーそれぞれに対して世界があるみたいな設定まであるから(「他プレイヤーの世界に侵入する」とか言っているのでたぶんそう)、要するに自分の世界のラニ様はちゃんと自分のプレイヤーキャラクターと結婚しているっていうのがマジでほんと、なんちゅうことを、ありがとうございます。ありがとうございます。僕にはそれしか言うことができません。

もう、なんか、言えることないんですよね。ラニ様に関しては。好き以外の感情が本当に湧いてこない。ラニ様から「私のどこが好き?」って言われたら、十秒ぐらい悩んで「ごめんなさい、月並みだけど全部」って答えちゃうかも。そんで「お前らしい答えだな」って軽く鼻で笑われたい。

エルデンリングの開発に一言だけ言いたいとしたら、なんでこんな世界観でこんなピュアで、しかも事実上の結婚とまで言えるようなテキストや台詞まで準備しているんだと。ありがとうなんだけど、ここまでやってくれるのはうれしいけど、ここまでやってくれるのはどうしてなんだろうと、そこだけは気になるところ。嬉しいんだけどさ。言うてぼかぁアーマードコアをちょっと遊んだことがあって、ちょっとはフロムソフトウェアのことを知っているから、例の毒ガス訓練の画像を思い出しちゃうのよね。「あぁ、結婚していちゃいちゃして良いんだぞ」って言われても、裏があるんじゃないかって思っちゃうというか。「お前とこうなるとはな 残念だが、私の蒔いた種だ 刈らせてもらうぞ」展開とか無いよね。これでDLCでラニ様を生存させるためにバカみたいに強いボスとか出てきたり、そもそも生存ルート残さないとかだったり、ラニ様と戦うとかだったら、俺ハゲるよ。


閑話休題。まとめに入ります。


まとめ:間違いなく最高のゲーム

感想記事の最後はできるだけ小気味よいことを書いて終わらせようとするのが自分の記事なのですが、エルデンリングに関してはちょっと無理だなぁと。ここまで書いてから数十分ほどどうまとめるか悩んだんですが、純粋に「間違いなく最高のゲームだった」としか言えなくなりました。それぐらい、本当に楽しかったです。
自分がソウルライク初体験だったこともあり、過去作や同ジャンル他タイトルとの比較ができないのは事実ではありますが、だとしても自分が狭間の地で過ごした90時間は掛け値無く素晴らしい時間でした。

自分はゲームの周回プレイはせずにすぐに別のゲームに手を出す人間なのですが、このタイトルに関してはかなりプレイしたくなってしまっています。今のところ「また90時間はちょっとな」と思いとどまれていますが、それもどこまで保つか。山があったら登る登山家はきっとこんな気持ちなんでしょう。

こんな体験をさせてくれた開発スタッフの皆様、そして各所にメッセージを残してくれた各世界の褪せ人たちに心から感謝します。次の狭間の地があるかは分かりませんが、いつかまた死にまくって頭おかしくなりながら冒険できる日を心待ちにしています。

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