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プーシキン

2021年12月5日(日)に国立地球屋にて、双葉双一のクリスマスコンサートが開催される。その、オープニングアクトとして、ぼくらのバンド、プーシキンが出演させて頂く運びとなった。

なにから書けばよいのだろうか、ということをこの2週間程ずっと考えていたのだけれども、考えても、考えたまま何も書かずに当日を迎えてしまいそうなので、見切り発車で書き進めたいと思う。なによりも、このオープニングアクトでの出演にいちばん驚いているのは、なにを隠そうぼく自身なのだから。

なにから書けばよいのか、というのはこのバンドがはじまったところから書けばよいのか、2020年10月31日の神保町ぶらじるでのことから書けばよいのか、2018年4月1日にネオンホールで開催された『エイプリルフール日和』のことから書けばよいのか、はたまた2010年2月18日の西荻窪サンジャックのことから書けばよいのか、2009年12月27日の西八王子アルカディアのことから書けばよいのか、すべてが点であり、ややこしいのがぼくのなかでそれらが点と点ですべて繋がっているから、なにから書けばよいのかわからないままでいる。

普通に生きていると、というか生きているから、何が起こるのかわからない。そのスピードに、ぼくの怠惰な性格にまったく追いついていくことができていないので、それにいちばん戸惑っているのかもしれない。

なにから書いても正解ではない気がするし、実際に正解なんてものはない。

先月10月中旬頃、双葉双一からtwitterのDMがきた。「12月5日(日)にプーシキンとして出演することが決まった。断ればグビだ。」という内容のものだった。ほぼほぼ、一言一句違わない文面かと思う。ぼくは二つ返事で出演を許可した。断る理由がなかったから。
というのも、プーシキンのメンバーとして、双葉双一がそのなかにいる。これはまず書いておかなければならないことだ。許可した、という数行上の文言に、お前なに生意気なこと言ってんの、と思った方がいるかもしれない。申し訳ない。

それまでの経緯や背景の説明はここで少し省略することにするが、なんやかやあり、双葉双一、りこさん、そしてぼくの3人で練習スタジオに入ることになった。双葉双一はその日、エレキベースを抱えてスタジオに現れた。ぼくらはTHE ROLLING STONESの「OFF THE HOOK」という曲をその日合わせた。英国盤『The Rolling Stones No.2』という真っ黒いブルースナンバーがたくさん収録されている初期の名盤の一枚で、当時カヴァーが中心だったアルバムのなかで、数少ないオリジナルソングがこの「OFF THE HOOK」だ。3人でスタジオに入るならばこの曲をやりたい、と提案したのはぼくで、双葉双一、りこさんは快く了承してくれた。
2、3度スタジオに入って練習をしていくうちに、日本語の曲をやりたいね、という話になり、いくつか候補が出たが、どれもあまりピンとこず、それならば、共通してみんなが好きな双葉双一の曲をやるのはどうか、という話になった。これもまた経緯や背景は省略するけども、「OFF THE HOOK」はぼくが歌っていた。双葉双一は寡黙にベースを弾いていたし、りこさんもドスドスとドラムを叩いていた。

その後、双葉双一はエレキベースからアコースティックギターに持ち替えてスタジオにくるようになった。

緊急事態宣言もあり、そんな頻繁にスタジオに入れたわけではないが、何度か練習をしていくうちにどんどんと楽しくなってきた。「ライブをやろう」と、練習後の喫茶店で言ったのは双葉双一だった。ぼくはライブはやらなくてもスタジオに入って練習することだけで楽しかったから、そんなにライブをやりたいとは正直思っていなかった。その喫茶店で、「プーシキン」というバンド名が決まった。バンド名が決まったあたりで、天井から水漏れしはじめて、だんだんと激しくなり、そこら中で水漏れが多発していた光景をいまでも覚えている。あたふたしている店員さんがバケツをいくつも抱えていた、のをぼくらは見ていた。

その後、なんやかやあり、ぼくの大好きで尊敬する高萩さんがこのバンドに合流することになる。

ぼくはこのバンドは、とてもロックンロールなバンドだと思っている。

なんの宣伝にもなっていないこの内容に、各方面、というかあの人から怒られてしまいそうだが、編集能力が皆無なのでうまい具合にまとめることができない。またプーシキンのことは書かざるを得ないので、今日はここでお開きとしておこう。

というか、単純に人前で演奏するということが2年半振りだ。国立の地球屋という場所がぼくはとても大好きだからとてもテンションがあがるが、それ以上にもうパニックだ。

楽しみ&不安。

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