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雨降り前

20:00過ぎにそっとパソコンを閉じて仕事終了。おつかれした。窓をあけていると、コオロギだか鈴虫だかの鳴き声が聴こえてくる。あと、なんかいたよな、思い出せないけど。一般教養が皆無のぼくは各々の鳴き声をよく知らない。こんなような長いタイトルのアニメがあったな。

コオロギだか鈴虫だかは求愛の為に鳴いている、のか。もしかしたら他の何かと混ざってしまった誤った情報かもしれない。先程まで綺麗な声色で鳴いていたのだが、急にスンッと静かになった。あっそういうことなんだな、と思いながら部屋でボーっとしていると2、3分後にはまたまたキルキルと鳴き始めた。早くない?!と思いながら、結果がどちらかわからないけど、ぼくはきっとそういうところまでいけずに終わってしまったのだと想像する。
近くにいた友人は「次つぎ〜!なんだあいつ!高飛車な感じで嫌なオンナだったな!行ってくれてせいせいするぜ!なっ!」などと励ましてくれるが、当人はけっこうタイプ、ドンピシャだったので落ち込んでいる。しかし、気を遣ってくれる友人の手前、「そうだよな、次つぎ〜!」とひきつった表情でおどけてみせたりしてみるが、心の中では泣いている。ぼくはそんなに魅力がないのか。なにをするのが正解だったのだ。短い限られた人生のなかで、ぼくはどうすればいいのだ。と、自問自答を一瞬のうちに繰り返す。ほんとのところは一目散に帰って布団にくるまって眠ってしまいたかったが、そんなことをしたらいままでのぼくと何も変わらないじゃないか。そういうところを彼女は見抜いてぼくのそばから立ち去って行ってしまったのではないか。そういうじぶんの弱さを隠しているところを彼女は嫌がったのではないか。
そんな結論に至ったコオロギだか鈴虫だかは、またキルキルと鳴き始めた。心なしか先程よりも力強く鳴いている。という、ぼくの勝手な思い込みによって。ただのイケイケ野郎かもしれないし、そもそも求愛の為に鳴いているなんてことすらないかもしれない。

道端にある“ご自由にお持ち下さい”をiPhoneに集めるだけのシリーズの最新版をお届けすると、まさかの水草が置いてあった。しかも割り箸やら持ち帰り用の袋とかご丁寧に準備されている。使わなくなった食器や、子どもが大きくなって使わなくなった玩具が基本的に多いけど、水草ははじめてだ。いろいろな人がいるものだ。

明日も明後日も雨降りらしい。関東はどんな感じになるのだろうか。バスに乗って行きたいところがあるのだけれども、状況次第だね。

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