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本当に価値のある写真とは何なのか

本当に価値のある写真とは何なのか。

※これはあくまで私の自論であり、強要する気も誰かを意図して攻撃する気も全くございません。写真に触れる数多くの中の一意見として捉えてくれたら何よりです。


さて、私事ではありますが来春に去年から目指していた写真の学校に進学できることになり、常日頃から写真に対して抱いている主義や捉え方を少しお話させていただきます。

結論から言うと、私は写真に対して本当に価値のあるものは決して時間と共に消費されないものだと捉えております。

ではその消費されない、とは何なのか。

それは、歳月というふるいにかけた時に摩耗されることなくそのままの光で輝き続ける、むしろその写真の持つ力が更に磨きをかけて増すような、そのようなものだと思います。


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私たちの時代は、主にSNSで自己表現をするような時代となっていると思います。

その中で私は自戒として特に強く、他者に媚びることなく自分の感性に正直で居ることを意識しています。

とは言え勿論反応が良ければ嬉しいし、逆に思ったよりも反応が薄かったりすると気にして落ち込むことだってあります。

だからこそ私はそのどちらかだとしても、あまり深く捉えないよう、其の写真に対するほんの1つの側面と過ぎないと思うようにしています。

それには私なりの根拠があり、その一つはたまたま今活用されているのがSNSという媒体なだけであって、そこで高く賞賛されたものが必ずと言って正しいとは完全には言いきれないし、ましてやSNSという表現のスタイルが10年20年…ましてや100年続くとはとても思えないからです。

そういったことを踏まえると、SNSウケを狙うなどといったある種他者に媚びるような行為は今は良いとしてもそれが永劫的だと捉えるには少し足らないような気がします。

では本当に価値のある芸術写真とは一体何なのか?

それは最初に話したように、ふるいにかけた際に残るものであり、自身の感性に嘘偽りなく真っ直ぐに向き合った作品なのだと思います。


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実はつい先日、そのようなことを深く実感し、腑に落ちた経験がありました。

それは写真を通じて知り合った友人と極しい寒さの中、作品撮りをした時のことです。

私が率直に彼らに感じたこと、それはあまりに真っ直ぐに自分自身の感性を信じているということでした。

彼らの言葉、まなざし、捉え方、目的。

それらの全ては他者ではなく自分と世界に対して真っ向に注がれていました。


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自信や確信が無いうちにはつい向けてしまいがちな他者評価信仰がそこには微塵としてなく、彼らはあまりに潔白で、それでもって謙虚でした。

そしてその芸術への謙虚な捉え方は歪んだ自己顕示欲や傲慢さを寄せ付けない手段でもあると私は感じました。

対他人ではなく、対自分であることで評価を気にし比べる必要性が見事に取り払われ、その事が心のゆとりを産み、結果として他者に対する寛容さや素直に受け入れることを構築する土台となる。

世界に対して「美しい」と感じたことを素のままに「美しい」と言える大らかな空気、各自に感性を伝え合えることの素晴らしさ、尊さ。そしてそれが芸術に触れ合う私たちにとって1番あるべき姿とも感じました。

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そしてデータが送られてきた時、私は写真を見て直感でこの写真は永遠だ、と思いました。

小手先の見栄えや名声、虚飾など一切存在しないその場にいた人達の正直な感性だけで作られた純粋な作品。

私は生涯、この写真が宝物になる確信がしました。

いつか若さを無くしたとしても、私はこの時の写真を見てひとたりとも後悔することはないと思います。

それは正直な美しさだけで創った芸術作品は過去の栄光などでは断じてなく、未来までも尚、光を持って輝きを放ち続けるからです。

あの時は楽しかったな。この時の気持ちを忘れずに頑張ろう。美しい思い出を明日への力に変えていこう。

冬特有の粛然に張り詰め、どこまでも澄み切った空気の透明さ、寒さに染めあげられた耳たぶの紅、レンズを見つめ返す真っ直ぐで透明な瞳。


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その瞬間を永遠へと、贅沢に時を止めた美しさの遺産。それはきっと、時間をかけて更なる心の財産になるのだろう。

その全てを、一生かけてこの胸の中で大切に大切にしたい。

その瞬間を誰かのために消費するのではなく、自身の正直な感性でもって表現したい。

そして生き続ける私たちが刻々と時を重ねたとしても、その写真だけは決して古くなることの無い恒久的な永遠性と、生まれた時から自分の核心にある美しいものを美しいと感じられるありのままの感性の普遍性を共に兼ね備え、輝き、未来さえもその光で持って明るく照らして欲しい。

そのような写真が、私にとって本当に価値のある写真だと思います。

私はそのような写真に立ち会うことが出来た、この奇跡のような瞬間を、その誇りを決して生涯忘れません。

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2020.12.06


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