【渋谷】青線地帯と三業地(上)

渋谷という土地に関して皆さんどのようなイメージをお持ちでしょうか。私は学生時代によく渋谷で遊んでいたので、若者が遊ぶ場所、というイメージでしたが、細木数子の本(細木数子 魔女の履歴書/溝口敦)を読んで少し印象が変わった。「若者の街」というよりもは、「古くから闇が深く根付いている場所」というイメージに変わったのでした。

昭和30年代に青線だった百軒店

渋谷や新宿で不良をやっていたという六十数歳になるという広域暴力団の元中堅幹部が言う。「昭和三十年代の百軒店は、店の全部がそうだとは言わないけど、川崎の堀之内や大阪の飛田新地みたいな”ちょんの間”専門だったはずだ・・・」(細木数子魔女の履歴書/溝口敦)

という証言もあるように、飲み屋と見せかけて春を鬻ぐ女たちも置いているというのがこの頃の実態だったもよう。

▲いかがわしい雰囲気は、50年以上経った今もビンビンにご健在である。

▲何の店だったのか、ドアが2つある色っぽい建物。

なお、細木数子の母親がやっていたという「娘茶屋千代(連れ出し制の飲み屋だったという噂)」があった場所も訪れたのだが、この日、近くのライブハウスでの催しで人が溢れかえっており、写真は断念、くやしい。

百軒店は勤め人向けの遊び場

当時は代々木にワシントンハイツがあって、米兵が多かったけど、奴らは百軒店よりむしろ円山町を利用してた。百軒店は当時でいう勤め人・・・(細木数子魔女の履歴書/溝口敦)

地理関係でいうと、百軒店があってその裏に円山町の三業地があったということになるのですが、まあ多分百軒店の方が安く遊べたのでしょうね。

三業地・円山町の当時の相場

話は花街の円山町に移ります。1968年発行の「プレイモア」によれば、当時の円山町の相場は、

特級酒、ビールとも二百円。付け出し三品で三百円・・・
花代は税込み一時間千百円。席料は、ひとり千円前後と考えてよい。

とのこと。知恵袋での60年代と現代のお金の価値にかんするQAを読んだところ、だいたい、×3.9みたいなので、ビール780円、突き出し三品1170円、花代4290円、席料3900円=トータル10140円といったところなんでしょうか。花街で遊んだことないので安いのか高いのかは分からない。(プレイモアによれば安いみたい。)

下巻では今の円山町の写真と、円山町の芸者について書きたいと思います。

-つづく-