千の世のおはなしのたまご

「おはなし」に育つ前のたまご。無いはずの目で、撫でてほしそうに、こちらを見ている。

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はじめに。ホラーが苦手だけれど惹かれるという話

夏が来る。 残酷なまでに強くなりすぎる太陽の光を人は恐ろしい話を見聞きすることで冷や汗をかき、体温を下げやり過ごそうとする。 ホラーの季節である。 怖がりは普段どんなことに怖がっているのか 人によってどんなことに、じわり、と削られながら過ごしているのかは違うと思う。 私の場合は、ふすまや布団の隙間や机の下から。 白い顔が、手が、裸足が、重さを感じさせずに現れる日が来たら嫌だなと警戒している。物理で勝てる気がしない。 まだ風呂に入っていない状態でそのイメージが追いかけてきた

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