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「未開の議場 2023」終演後こばなし〜アクセシビリティ、パラブラさんに聞いてみた篇〜


こんにちは、萩島商店街青年部、ハマカワフミエです。

終演後こばなし、今回はアクセシビリティについて紐解いていきますよ!

今回の公演の運営における大きな柱でもあった、アクセシビリティ。
アクセシビリティとは、身体などの障害・特徴によることなく、より多くのお客様が劇場という空間を楽しめるように、という試みです。今回は、株式会社パラブラさんのご協力のもと、いくつかのサービス・工夫を展開して上演を行いました。

そして終演後の今、青年部からパラブラさんのご担当者様にいくつかのご質問をさせていただきました!
サポートを必要とされる当事者の皆様はもちろん、特にサポートを必要とされないお客様、演劇・映像の作り手の皆様、いろいろな方に読んでいただければと思います。特に、このアクセシビリティという試みに興味のある団体さん、必見です!

それでは、どうぞ!!






Q.「未開の議場 2023」アクセシビリティへの取り組みにお力添えくださいまして本当にありがとうございました。作品をご覧になったご感想を、まずは伺えますと幸いです。

A .アクセシビリティに取り組む自分たちにとって、とにかく身近なテーマで、身につまされました。登場人物一人一人が魅力的で愛おしく、たくさん感情移入して、たくさんがっかりして、たくさん希望を感じました。ありがとうございました。


Q.様々な取り組みを検討した結果、導入した字幕タブレット、ご好評をいただけたようです。ありがとうございました!パラブラさんが聴覚障害のかた向けに展開していらっしゃるサービスは、他にどんなものがありますでしょうか?ご担当者さまの「推し」があれば、それも伺えればと思います。

A.字幕は、タブレットでの提供だけではなく、演劇だと字幕を舞台背景などに投影される作品があります。また、手話通訳付きで上演される舞台もあります。手話は、ろう者をはじめとした手話を第一言語とする方には、字幕より理解しやすい場合があります。

字幕や手話を付けられない場合には、最低限内容を理解できるよう、台本の貸出に対応することもありますが、事前に読んで予習する必要がありますし、鑑賞中に台本を参照して見失ってしまう場合もあるそうです。

「推し」というわけでもないですが、同時性のある字幕や手話で伝えることで、同じタイミングで笑って泣けるようなサポートを目指したいと思っています。


Q.視覚障害のかた向けに「登場人物・舞台機構説明」を冒頭に設けてみました。ご覧になっての感想をお聞かせいただければと思います。また、視覚障害のかた向けのサービスとしては、どういったものがありますでしょうか。同じく、「推し」と合わせてお聞かせくださいませ!

A.初めて稽古場で「登場人物・舞台機構説明」のリハーサルを観たとき、本当にびっくりしました。俳優さんそれぞれで内容を考えられたとのこと、なんと贅沢な…!それだけではなく、音声のみでどのような印象を抱くか想像しながら、メンバーで意見を出し合い作品のひとつとして作りこんでいく様子にワクワクしました。舞台説明は、機械的に情報を伝えればよいだけではなく、音声だけだと伝わらない、目で見てわかるイメージを膨らませて鑑賞の下地をつくり、作品世界に自然にいざなうのが目的だと思っています。私は稽古場でまんまといざなわれ、本番が楽しみで仕方がありませんでした。

「推し」は同時性のある音声ガイドです。が、『未開の議場』の「登場人物・舞台機構説明」は後世まで語り継ぎたいです!


Q.今回、外国籍のかた向けに、英語字幕の用意も行いました。パラブラさんでは、外国語対応のサービスもありますでしょうか?

A.映画も演劇も、UDCast シリーズは複数の言語の字幕を同時に出すことができます。
今回使っていただいた字幕タブレットのサービス「UDCast LIVE(ユーディーキャスト・ライブ)」でも日本語と英語でご利用いただきましたね。


Q.「こういうのがあったらいいのに」というお客様の声から実現したサービス、現在実現に向けて取り組んでいらっしゃる施策などはありますでしょうか?お聞かせいただける範囲で、お教えください。

A.鑑賞サポートの相談窓口はまさに、お客様の要望から実現したサービスです。たとえば、視覚障害の方でフォームや電子認証でのチケット購入が難しい方のために、お電話で申し込みの代行なども行っています。また、鑑賞サポートのある作品を知りたい、という声や、せっかく鑑賞サポートを実施してもお客様に情報を届けるのが難しいという声があり、UDCastサイトでは、幅広いアート&カルチャー情報を一同に集め、広報に力を入れています。

字幕や音声ガイドの提供方法についても常にユーザーの声を聞きながら開発や検討を続けています。アクセシビリティの導入のハードルをもっと下げていきたいですね。


Q.アクセシビリティに興味があり、その向上を図りたくとも、予算がない、人員も時間も…と及び腰になってしまっている団体は多いかもしれません。小劇場の団体では、どんなことから始めるのが良いとお考えでしょうか?

A.みなさん、自分たちの作品の魅力をひとりでも多くの人に伝えたいはずです。まずはどんなサポートができるのかをきちんと広報して、ウエルカムであることを表に出すことが重要です。新しいお客様と出会えますように!


Q.今後、アクセシビリティがもっと普及する劇場になることを願って、客席に座る、サポートを必要としないお客様に、お伝えしたいことがおありでしたら是非お聞かせください。

A.最近はさまざまな公演でアクセシビリティの取り組みが進んでいます。周りのお客様がそのことを知っていてくれることで、利用している方も安心して鑑賞することができます。鑑賞サポートの回も、舞台上で起こることや俳優さんのお芝居は、他の公演と何も変わりがありませんので、ぜひご来場ください。

個人的には、客席に多様な観客が集まり、劇場や作品が豊かになることは、単純に嬉しく身近なことと思っています。文化芸術こそ開かれたものであってほしい、というのが私たちの願いです。ぜひ今後ともアクセシビリティに取り組む公演にご注目ください。


Q.今後アクセシビリティに取り組みたい団体に向けて、ひと声おかけください!!

A. UDCastの鑑賞サポート相談窓口では、事業者相談も実施しています。お気軽にご連絡ください。

UDCast鑑賞サポート相談窓口


ご興味のある方は、ぜひお問い合わせを!

より開かれた劇場、客席が、この世界に一つでも増えることを心から願っています。




今回の終演後こばなしはここまで!

皆様、また次回、お会いしましょうね!

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