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その場所があること〜層雲峡ホステルと水谷ロッジ〜

2021年7月、層雲峡ホステルを訪れました。


1泊2日の日程で帯広に行って帰ってくる予定でしたが、1日目の夜に思い立ってオーナーに連絡すると、快くOKをいただきました。


雨の層雲峡はとても幻想的で、17時過ぎに宿に到着した私たちを食事中の4頭の鹿がお出迎え🦌🦌🦌🦌


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チェックインを担当してくれた女の子のさりげない優しさや可愛らしい距離感が、なんとも心地よく、この時点でもうすでにスキ


客室は男女に分かれたドミトリーの他個室が6部屋あり、私たちはたたみの個室を利用させていただきました。


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お部屋は広くて綺麗にも関わらず、たくさんの物語を内包しているような佇まい


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古いミシンを使ったデスク、木枠の窓の素敵な鍵、外に見える層雲峡らしい湿度をもった木々と小川のせせらぎ


スキ!!



オーナーの志水くんとは私が旭川に越してきてすぐに知り合い、初めて会ったときにそれこそ程よく距離感を詰めてくれる雰囲気を感じたのを覚えています

さらに遡るとたまたま二年前に出張で層雲峡に宿泊した際にこのホステルを見つけて以来Instagramでもフォローさせていただいていて、

偶然にも私のパートナーともバスケを通じて元々見知った仲でもあったということもあって、彼の宿に泊まってみたい欲が高まりました

✳︎層雲峡ホステルのInstagram✳︎

https://instagram.com/sounkyo.hostel?utm_medium=copy_link


私たちが到着した頃、オーナーはせっせと夕飯のカレーの支度をしてました👨‍🍳


こちらがそのカレー

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これがもうハイクオリティでびっくりするくらい美味かった!!!


カレーが振る舞われる談話室では山の会の方々がお食事をしながら盃を交わしていらっしゃったほか、お一人で来られている方もちらほら


ホステルといえば若い人が多いのかな?と思っていたら、この日は中高年層の方がほとんどでした


あとで聞くと、コロナ前は外国からのバックパッカーとベテランの登山客が入り混じり自然と交流が生まれていたとのこと


ラウンジには山や旅の本、コミック、絵本など、たくさんの本が並び、その中から昭和61年と書かれた数冊のノートを見つけました


層雲峡ホステルは、昭和30年代から2017年3月末まで「層雲峡ユースホステル」として営業されていた建物を改装して2018年6月にオープンしました


上記の昭和61年のノートはユースホステル時代の宿泊者が自由に記入できるもので、読めば読むほど映画「色即ぜねれぇしょん」(2009年公開)の世界…!!


テンション上がって平成に入ってから続々と閉館の一途を遂げるユースホステルについて調べてみたら面白いまとめを見つけたので、興味あればこちらもご覧ください。(円山公園内にあったのはびっくり!)





私自身バックパックを背負って国内外多くのバックパッカーズホステル・ゲストハウスに宿泊してきましたが、人見知り天邪鬼ひねくれた目線と性格を率いているせいでしっくりくる宿に出会えることはごく稀です(直したい)


私が層雲峡ホステルに泊まって感じたことは、

"はじめて入る建物だけど、なんだか落ち着く"
"気取らない居心地の良さ"

なんだかわからないけど好き、心地いい

どう表現したら伝わるだろうと思っていたら、志水くんがこの宿を作るときに立ち上げていたクラファンにちょうどいい言葉があったので勝手に引用します笑


そう、まさにそれなんです


その空間を実現するのは、建物の外装内装、調度品、そして「環境」と「人」です


層雲峡ホステルに到着してから、なんとなくずっと頭に浮かぶ言葉と景色がありました


"「人はいかに生きるべきか」を考えることや、論じ合ったりすることは大切なことです。
"ものを考えたり、語り合ったりするためには場所が必要です。"
"そしてその場所は、清らかな環境にあるべきでしょう。"


祖父・水谷寛が大滝村(現・伊達市大滝区)に「水谷ロッジ」を建てた時に残した言葉です。


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祖父も山が好きな人でした。

祖父は私が物心ついた時にはパーキンソンでほとんど会話はできず、小学校1年生の時に他界したためまともに会話をしたことはありませんが、

小学6年の自由研究で祖父のことを研究した際に、「この人は山スキーをやるために大学教授をやっていたのでは?」と思うくらい、山を愛していたと感じました


大人になって祖父の元で山を登りスキーを滑っていたOBの方々と会う機会が増えて知ったことは、祖父は山と同じくらい、人を愛していたことです

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幼い頃から何度も目に触れていたはずのこの貼り紙は、26歳になった頃、ようやく私の目に映りました


生きてみなければわからなかった、すごくすごく大切なこと


層雲峡ホステルは祖父の想いにもとても通じていると勝手に感じていて、ここには、自分と向き合う時間も、誰かと語り合う時間も、おちゃらけた時間も、深い時間も流れているんだなぁと思いました


宿の利用用途は究極「寝る場所があること」というシンプルなものだけど、そこにある理念は大きいといつも思っています

宿の形態に限らず


押し付けず自由で寛容なのに醸し出される理念というものが、この歴史ある施設と層雲峡という清らかな環境、そしてオーナーが持つ色なのでしょう


次は靴を買って山を登りに行きます!!


▼層雲峡ホステル









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