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身体が『こんにゃく』になる①

3週間前くらいだろうか。
私は「こんにゃく」になった。

こんにゃく【1】

朝起きる、と言っても4時ごろ一旦目を覚ます癖があった。
「トイレ行こー」なんて思って身体を動かそうとする。
動かない。

え?何?

『動かない?動けない?』

手先も持ち上げられない。
びっくりして声も出せずこんにゃくみたいにくにゃくにゃした様な、芯がない様な、ベッドから落ちそうな様な…。

怖かったのでとりあえず固まっていた。

筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)の脱力感と違うのは分かった。

今までと違う症状だ。
幸いトイレはまだ我慢出来るし、少し時間をおいてみよう…。

15分位すると手が動く様になった。
「おお、動く!」
変な感心をする私。

近くにあるiQOSを引き寄せ一服。
緩慢ではあるが腕も動き始めた、胴体と足はまだ「こんにゃく」だ。

そこから、更に20分。
今度は、ふにゃふにゃした芯のない「こんにゃく」人間になった。

しかし様子を見てあと10分。
ベッドの上で、足を曲げ伸ばしし、腰を動かしてみる。

うんトイレ行けるかな?

起き上がってみる、大丈夫。
杖を使いながら立ってみる、フラフラするけど大丈夫。

歩き始める、平気そう。
ふわふわしながら、トイレに向かった。

またベッドに戻り理由を考える。
この頃には、ほぼ人間。
戻るのに50分近くかかった事になる。

理由は何だ?
私は,意識ある「こんにゃく」だった。

コレどの先生に相談すりゃ良い?
私は掛かっている病院が多い。

・内科(糖尿病など)
・精神科(抑うつ)
・神経内科(線維筋痛症)
・婦人科(内膜症/子宮筋腫)
・内科Ⅱ(筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群))

分からん!!

ひょっとしたら金縛りみたいなもんかも知れん。
何回か起きたら相談すりゃ良いと思ってた。

こんにゃく【2】

「こんにゃく」になってから10日後の事。
夕寝(16:00〜21:30)の後、私は再び「こんにゃく」になった。

夜の薬を飲む時間である。
パートナーが起こしてくれた。

『動けなく、動かない』力が入らないと伝える。
最初は寝ぼけているんだろうと感じたと思う。

「「こんにゃく」みたいで動けない」

こんな説明でよく助けてくれたと思うが、寝ながら薬を口に入れてもらい、ペットボトルを両手で挟み何とか飲み込む。

私は、医療用のモルヒネの含まれた痛み止めのシールをお腹に貼っている。
(父親がガンで闘病中4mgを貼っていた。私は現在、9mg)

恥も外聞もない、お腹に貼っている古いシールを剥がしてもらい軟膏を塗ってもらう。
その後お腹の反対側に、新しく張り替える。

夜の薬、全ての工程を終えても、私は「こんにゃく」のままだった。

パートナー「大丈夫?」
私「よく分からないの、この間もあって…何の症状だろう?」

iQOSで一服しつつ、人間に戻るのを待つ。

私「力抜ける感覚じゃないの、かわいく言えば「クラゲ」。でもやっぱり「こんにゃく」かなぁ」
パートナー「うーん…」

困りもするだろう。
説明が『「こんにゃく」になったみたい』だし。

なってみなくちゃ分からない、私も別に「こんにゃく」の気持ちを知りたくなかったよ。

この日を境に睡眠リズムが狂い始める。

こんにゃく【3】*排泄に関する表現があります*

夜眠れないと言うのは暇だ。
今夜も3:30を回ろうかと言うところ。


*排泄に関しての話ですので、嫌な方は読まないで下さい。


9月2日の夜の薬で下剤を飲んだ。

この下剤は『こんにゃく【2】』で記載した医療用モルヒネの痛み止めの副作用で腸の働きを止めてしまうため、腸内を動かす様に出された薬だ。

普段なら、緩やかに効いていき普通の便と同じ様に排泄される薬。

お腹の痛みもなくコーラックの様な過激さもない。気に入っている薬だった。

9日の夜は違った。飲んで30分お腹を下し始めた。食べたものは問題ない。

いつも早くても5時間経ってから効き始める下剤が効いた?どうして?

夜寝ない決意をしながら、ベッドにいた。

時々トイレに起きて、ベッドに戻るを繰り返した。正直それだけで筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)の私には疲れる。

眠ってしまった。

そして便意で起きた時、私は「こんにゃく」だった。
前回の「こんにゃく」から10日ちょっと。

この時初めて「こんにゃく」の状態で動こうとした。

「動け、動け、動け!」
『動かない、動かない、動かない!!』

過去2回に比べたら最短で動ける様になったもののパンツの中と洋服が大惨事である。

パンツを捨て、洋服を手洗いし洗濯機に放り込む。

パートナーに迷惑かけずに済んで良かったなと心から思った。きっと助けてくれるけど、私が恥ずかしい。いたたまれない。
まだ41歳だ!下の世話なんてさせたくない!!

おばあちゃんの介護をしていたことが役に立った。便の始末なんて覚えても意味がないと思っていたが、助かった。

思えば私はヤングケアラーでもあるのだが、当時を懐かしく振り返られる事ができて良かった。

閑話休題。

洋服を着替える前にオムツを履く決意をする。
オムツは準備してある。何なら何日間も痛みで入院し、オムツで生活せざる得なかった事もある。
初めて履いたのがいつかも忘れるくらいは慣れている。
でも何であんなに蒸れるんだろう…憂鬱だ。

とりあえず、お腹の状態が落ち着くまでは…と考えた。

「こんにゃく」にはならなかったがオムツを履いていることで少しの安心感があり乗り越えることができた。

こんにゃく【4】-病院に相談-

流石に「こんにゃく」を放置できなくなり、掛かっている病院に連絡をした。

・内科(糖尿病など)
 →脳神経外科受診を勧めらる。
  紹介状を書いてもらう事になる。

・神経内科(線維筋痛症)
 →脳神経外科のMRIとCTを勧められる。

今はこんな感じです。

まさか、脳の検査と言われると思わなかったのです。

『あれ?「こんにゃく」ってそんなに、深刻なのかな』

結果を急ぎたい所ですが、ゆっくりのんびり焦らずに生きていきます。

病院への交通費として、使わせていただきます。