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Aとその他の会話

①会話文のみを抽出

「すいません、おくれましたっ」
「Bさん!」
「あれお前どこにいたんだ」
「いやぁ…」
「もしかして最初からいなかったとか?」
「最初はそこいたけど…」
「あのグループ、ウルセェしな」
「確かに〜私もあの席嫌かも」
「すいません」
「オレもあんまり煩いのは得意じゃないから」
「だから静かにしてくれる?」
「は、はい!」
「お前、実は強気だよなぁ」
「実は一番男前ですよね」
「えーでも私はCが一番男気あるというか、かっこいいと思うなぁ」
「それ、聞き飽きた」
「そんなこと言うなって」
「男気あるっていうなら、むしろAとか」
「何言い出すんだよ」
「いやそうですよね!自分なんかが」
「いやだって、実際そうじゃん。あの時の事忘れたのかよ?」
「そりゃ…あの別荘火事ん時だろ?」
「確かにあの時のAはカッコ良かった」
「えー!まだ覚えてくれてたんすね!あそこ行ったの大学の時ですよ?もはや心霊スポットですよね」
「カッコ良かったよなぁ…あれが最後だけど」
「他にカッコいいところないんですか、自分…」
「こういう話してると幽霊って寄ってくるとか言わね?」
「ちょっとそんな事言わないでよー!」
「わりぃわりぃ」
「今ここにいたりしてな」

②発言者と行動を追加

A「すいません、おくれましたっ」居酒屋に顔を出すA、辺りを見回し一人でいるBを見つける
A「Bさん!」声を掛けて近寄る
C「あれお前どこにいたんだ」Aの真後ろにいる
A「いやぁ…」立ち尽くす
D「もしかして最初からいなかったとか?」Cと共に近付く
B「最初はそこいたけど…」少し離れた席指す
C「あのグループ、ウルセェしな」Bの向かいの席に座る
D「確かに〜私もあの席嫌かも」立ったままだったが、Bが手招きして座る様に促す
A「すいません」AはBの隣に座る
B「オレもあんまり煩いのは得意じゃないから」飲み物を一口飲む
B「だから静かにしてくれる?」
A「は、はい!」背筋が伸びた
C「お前、実は強気だよなぁ」Bに向けて言う
A「実は一番男前ですよね」Bに向けて言う
D「えーでも私はCが一番男気あるというか、かっこいいと思うなぁ」Cにしなだれかかる
B「それ、聞き飽きた」机に肘をつく
C「そんなこと言うなって」Bにじゃれつこうとする
B「男気あるっていうなら、むしろAとか」防ぐ
C「何言い出すんだよ」身を引く
A「いやそうですよね!自分なんかが」頭をかく
B「いやだって、実際そうじゃん。あの時の事忘れたのかよ?」Cに向かって睨みつける様に言う
C「そりゃ…あの別荘火事ん時だろ?」腕を組んで
D「確かにあの時のAはカッコ良かった」伏せ気味に
A「えー!まだ覚えてくれてたんすね!あそこ行ったの大学の時ですよ?もはや心霊スポットですよね」前に乗り出して
B「カッコ良かったよなぁ…あれが最後だけど」深く座り直す
A「他にカッコいいところないんですか、自分…」項垂れる
C「こういう話してると幽霊って寄ってくるとか言わね?」ツマミを食べる
D「ちょっとそんな事言わないでよー!」軽くCをたたく
C「わりぃわりぃ」笑いながら
B「今ここにいたりしてな」Aの方を向く

③プロローグを追加

よくある怪談話と言えばどういったものが思い浮かびますか?事故物件?心霊スポットの帰りの車?
俺からもありふれた怖い話をしようと思ったんですが、怪談らしい話なんて持ちあわせていません。だから安心して読んで欲しいんです。でもせっかくならちょっとだけ昔に起こった事故に関して話す事にしますね。居酒屋で久しぶりに話題になったんで、その時の様子と絡めて話してみます。
だからあまり怖くないかもしれません。何より俺は話が上手くないんですよ…
あ、そうそう名前を分かりやすくアルファベットで表記しておきました。俺がAです。

④背景や各自の様子をAの視点より追加

夜20時過ぎ、俺はある居酒屋へと向かっていた。今日は久しぶりに大学時代のサークルでの飲み会があった。店には最近行っていなかったが、大学時代は頻繁に使われていた場所だ。しかし、飲み会は19時にはじまっているので、絶賛遅刻中ともいえる。
「すいません、おくれましたっ」
急いで来た勢いのまま、店に顔を突っ込む様に出してそう発した。だが居酒屋はかなり賑わっておりサークルメンバーには届いていない様子であった。どうしたものか考えあぐねていると、団体から離れた場所に一人でいる先輩のBさんを見つけた。
「Bさん!」
と声を掛けると、それとほぼ同時に真後ろから、Bさんと同学年であるCさんが向かってきていた。
「あれお前どこにいたんだ」
と、Cさんが声を掛けたところでBさんもやっと顔を上げる。Cさんは少し怖い先輩だった為、俺は遅れた事を何というか戸惑い、微妙な顔で「いやぁ…」と苦笑いした。
「もしかして最初からいなかったとか?」
Cさんにくっつく様にしていたDさんがすかさず口を挟む。大学でもよく2人でいるところを見掛けていた。
「最初はそこいたけど…」
気分が悪いのか低いトーンで答えるBさんは、一番盛り上がっているグループの方を指して答えた。
「あのグループ、ウルセェしな」
Cさんがそういうと、Bさんの前の空いてる席へ座った。
「確かに〜私もあの席嫌かも」
Dさんが分かりやすい嫌な顔を作って見せたところ、Bさんは少し微笑んだ。俺が突っ立ったままいるからか、Bさんは手招きをしてくれたので、俺は嬉しくなって席に着くことにした。Dさんもその時一緒に動き、当然のようにCさんの横は座ったので、俺はBさんの隣だ。その時、もしかして俺じゃなくてDさんにだけ向けてだったらどうしようかと思い、「すいません」と呟いた。変に小声で発してしまい、 Bさんには聞こえているのか定かではなかった。というのも、謝るのではなくお礼を言った方がいい気もしたので、微妙な声になってしまった。
ただ、「オレもあんまり煩いのは得意じゃないから」そう言ったかと思うと「だから静かにしてくれる?」と続けてBさんは発した。
それを聞いて「は、はい!」と喧しくない程度にハッキリと返事をした。良かった大丈夫そうだ。
「お前、実は強気だよなぁ」
そんな俺の気持ちなんて蚊帳の外で、Cさんが小さく笑いながら返していた。側から見るとBさんは大人しく、Cさんは強面で接点が無さそうに思っていたが、二人は意外仲が良さそうだ。でも意外と思うのはあくまでも後輩の俺だけかもしれない。この中では俺だけが後輩だ。
「実は一番男前ですよね」
と、俺はもの静かなBさんを尊敬しており思わずそう口をついていた。Bさんとは学部も同じだったので、先輩の中では一番良く話しをした。
「えーでも私はCが一番男気あるというか、かっこいいと思うなぁ」
DさんがCさんにしなだれかかる様にそう言うものだから、俺の言葉はまるで無視されてしまった。Cさんは満更でもない顔をしている。学生の頃から2人はいい雰囲気だったが、付き合っているのか…俺の知るところでは無い。
「それ、聞き飽きた」と俺よりは詳しいだろうBさんが呆れ気味だ。きっと学生の頃からこうなのだろう。
「そんなこと言うなって」とCさんがニカっと笑えば、Bさんはやれやれと言ったようにため息をついた。
「男気あるっていうなら、むしろAとか」
そうBさんが突然言うものだから、俺は予想外過ぎて間抜けな顔をした。
「何言い出すんだよ」
Cさんが少し苛立つような顔をした。Dさんは顔を伏せている。
「いやそうですよね!自分なんかが」
慌てて場を和ませようと否定するが、Bさんは続けて
「いやだって、実際そうじゃん。あの時の事忘れたのかよ?」と皆が忘れる訳のない出来事をほのめかした。
「そりゃ…あの別荘火事ん時だろ?」
やはり、Cさんも忘れられる訳ないという雰囲気で返す「確かにあの時のAはカッコ良かった」
すると、Dさんまでもがそう言うから俺はとても落ち着かない。あの時とはそう、学生時代、数名のサークルメンバーである別荘に訪れたのだ。その時ここにいる全員参加しており、俺の行動を目の当たりにしたメンバーでもあった。いや、Cさんは意識不明だったかな。確かに俺は逃げ遅れた人を助けたり、活躍したものの決して明るい話題ではない。火事と明言している様に、半数以上が思い出したくない話題でもあった。ここに居る事が気まずい…暗くなりそうな雰囲気に耐え切れず俺は努めて明るい声を出した。
「えー!まだ覚えてくれてたんすね!あそこ行ったの大学の時ですよ?もはや心霊スポットですよね」
ただ、Bさんが覚えてくれていた事が嬉しかったのは事実だ。
「カッコ良かったよなぁ…あれが最後だけど」
もう一度、BさんがDさんの言葉をなぞる様に呟いていた。
「他にカッコいいところないんですか、自分…」
ただ最後と言われ、上げて落とされた様な気分になり、俺は項垂れていた。
「こういう話してると幽霊って寄ってくるとか言わね?」
俺の話題から逸らそうとしたのか、Cさんがそう言う。
「ちょっとそんな事言わないでよー!」
心霊話が苦手なのか、DさんはペチペチとCさんの事を軽く叩いていた。仲が良さそうで羨ましい。
「わりぃわりぃ」Cさんがそう返すと、
「今ここにいたりしてな」とBさんがポツリと呟き、俺の方を見た。
俺は思わず、Bさんの顔を凝視していた。

⑤B視点による再構成

飲み会は騒がしい。煩いのが嫌いなオレは、開始から割とすぐにグループから離れて一人で酒を飲んでいた。
あんまり好きじゃない飲み会に来たのは、会場が今回この居酒屋だったからだ。学生時代によく来た懐かしの居酒屋だった。
「あれお前どこにいたんだ」
懐かしい気持ちに一人で浸っていた所、昔馴染みのCが彼女のDと一緒に近寄ってきた。
「もしかして最初からいなかったとか?」
Dは無遠慮な所があるが、ある意味そこが楽でいい。
「最初はそこいたけど…」
「あのグループ、ウルセェしな」
「確かに〜私もあの席嫌かも」
ひときわ煩いグループを指して言うと、CとDが続けて答えた。Cが当たり前のようにオレの前に座るから、Dにも手招きして座る様に促した。そんな事しなくても勝手に座りそうではあるが。せっかく一人で染み染みしていたのに喧しい二人が来てしまったと思い、
「オレもあんまり煩いのは得意じゃないから」
一呼吸置いてから
「だから静かにしてくれる?」
と、溜め気味に忠告しておいた。するとCがニヤついた笑みを見せながら、知った口で言葉を発する。
「お前、実は強気だよなぁ」
「えーでも私はCが一番男気あるというか、かっこいいと思うなぁ」
「それ、聞き飽きた」
「そんなこと言うなって」
独り身にバカップルの惚気ほど鬱陶しいものはない。普段から付き合いのある奴らなのでこちらも遠慮なく相手する。そのせいもあってか、会場の懐かしさから思い出していたAの話題を、オレはつい出してしまった。
「男気あるっていうなら、むしろAとか」
「何言い出すんだよ」
案の定、普段は豪快で強面なCが動揺する。Dも少し顔が苦い。それでもオレは続けてしまう。酒のせいかもしれない。
「いやだって、実際そうじゃん。あの時の事忘れたのかよ?」
「そりゃ…あの別荘火事ん時だろ?」
忘れもしない事だ。学生の頃、バカみたいに心霊スポットに行って、はしゃいで、バカやって、、、夏に合宿と言う程で遊びに行った別荘が火事になり、逃げ遅れた奴がいて…助けへ真っ先に走ったのは、後輩のAだった。
「確かにあの時のAはカッコ良かった」
顔を伏せてDは答える。あの時一番近くで最後のAを見た者の一人がDだ。彼女はAが最後に『自分一人で大丈夫なんで!DさんはCさんとこ行ってください!』と言ったらしい。その時、Cは意識がなかったっけ。
「カッコ良かったよなぁ…あれが最後だけど」
正直オレはビビってたし、遠目でしかAを見ていないけど、一人で火の中に飛び込んでいくAはめちゃくちゃカッコ良かった。無謀で、死んでしまったら意味ねぇかもしれないけど、あの姿はカッコ良かったんだ。
「こういう話してると幽霊って寄ってくるとか言わね?」
何かを感じたのかCがそう言う。そうなんだよ、オレもさっきから気になってたんだ。
「ちょっとそんな事言わないでよー!」
「わりぃわりぃ」
「今ここにいたりしてな」
なぁ、A、もしかしたらお前、今、ここにいる?


#創作

#心霊

物語を書いてみたい欲が止まらなくなりました。手始めにきっとどっかにありそうな、ベタな話を。

とりあえず思い浮かんだら全部文字にしてみようと思います。

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