お前の靴下は何軍なんだ？

　世の中の男性諸君、御家庭内での靴下事情で御苦労されていると思われる。毎日お疲れ様である。

　以前は冬でも就寝時は裸足であったのだが、このところは就寝時にも靴下を履いている。

　起きると仕事に行く前に着替え、靴下も履き替えて出掛けるのだが。この仕事に行く時に履く靴下を１軍としよう。

　１日の大半の仕事をする際の足元を覆っているからという理由のみでの１軍認定である。
　
　で、家に帰ってきて部屋着に着替える。外で履き倒された靴下はあっという間に替えられる。この部屋履きを２軍としよう。

　他にも休日の外出の際に履かれるヤツもある。これも帰宅すればすぐに履き替えられてしまう。頻度の低さからこれは３軍という扱いでよかろう。

　このところ嫁さんから２軍をもっと履き替えろとの指示が出てくる。２軍の就労時間が長いと言うのだ。ちなみに現在の２軍は膝下まである厚手のモノで実に快適なんだが。

　まさかの御家庭内での労働環境の改善問題である。ぶっちゃけ臭いのだろう。

　靴の中で揉まれた靴下はすぐにでも脱ぎたいし再度足を通すなど考えられんが､家の中で履かれる２軍はただの足カバーに過ぎない感じがしませんか？

　などと偉そうに言ってみるも入浴時に脱いだ２軍を湯上がりにまた履くという行為がよくないのだろうというのは頭頂部同様薄々感づいている。

　さらに就寝時の４軍を作らなければいけないのか？まどろっこしいなぁ。

　そういや嫁さん結構靴下履き替えている気もするなぁ。じゃあ今お前の履いてる靴下は何軍なんだよ？

　全部１軍だよ

　坊さんの説教を聞かされた時のように納得させられた。

　外のモノを家の中に持ち込んだり、家の中のモノを外へ持ち出したりしなければ良いという俺の傲りは打ち砕かれた。

　靴下カースト制度は終焉を迎え、街は幸せそうに喜ぶ人々で溢れかえっていた。

　見た目には若干不満そうに靴下を履き替える俺がいただけだが。

　小難しいことをゴチャゴチャ言わずに靴下替えろってことやろな。