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黙示録の四騎士のアクションシーンを図説で考えました

鈴木央先生「黙示録の四騎士」を読みました。飛んだり跳ねたりバトルしたり、キャラがたくさん動き回り、アニメみたいに動くのを読みながら想像できて面白いです。読んだのは1巻と6巻のみです。

冒頭の第1話は「父殺し」が表現されています。とてもシビアな冒頭です。ですが主人公パーシバルの生い立ちから旅立ちの話ですので、何かが始まる期待感もあります。育ての親である祖父と主人公の関係もとても大事なものと感じます。

この冒頭はキャラの動きが流線や擬音語で巧みに表現されています。動いていることでお話になってる様に感じます。ですので、この作品ではどんなふうに流線や擬音語が使われているのかとかを、説明してみようと思います。


動きの流線と擬音語(動作・バトル・魔力)

キャラの動きを説明する、流線や擬音語は普通のシーンでも、お話のメインであるバトルシーンでも使われています。第1話ではパーシバルが自分を表現するかのように、走ったり落ちたりするのに使われています。

そういうものを参考にして上のコマを描いてみました。キャラを省略して円にしてみました。これは、走る→飛ぶ→落ちる→着地するというふうに読みます。動きのある動作を流線や擬音語で説明することで見えない動きを想像させます。第一話では、こういうキャラの動きの連続と、セリフとお話を合わせています。どうやっているのでしょう凄いです。

上のコマはバトルシーンを参考に描いてみました。これは→押し合う→相手を弾く→一撃が当たる→攻撃を避ける。というふうに読みます。動きや衝撃を、流線や擬音語で説明することで、強い力や早い動きを想像させています。バトルシーンですので、2人分の情報があります。「黙示録の四騎士」ではこれに武器の振り方や足の着地など身体の動きがあり、どうやって動いてるのかわかります。しかも連続してです、凄いです。

上のコマは魔力を使うシーンを参考に描いてみました。これは、魔力を使って浮かせる→魔力を放つ→魔力で周囲を爆発させる、というふうに読みます。魔力という見えない力を流線や擬音語を描くことによって説明し、想像させています。「黙示録の四騎士」ではキャラの持つ必殺技ですし、派手に見えます。見えない力を、まるで本当にあるかの様に描かれています。凄いです。

「黙示録の四騎士」では、キャラが走ったりする「動作」、2人分の動きの「バトル」、キャラの必殺技である「魔力」の、3通りの流線や擬音語の使い方があります。多分、こういう3種類の動きを組み合わすことで、様々な動きに見えるのだと思います。しかも、連続して使うことで動きがたくさんになって、動いて見えるので、アニメみたいに見えるんだと思います。

たくさんの動き(連続・残像)

あと面白いと思うのは、たくさん動いていることを1コマで表現している所です。

上のコマのような動きのコマです。1コマ内に動きが何個も連なって見えるコマが使われていま す。2コマ目を見てください、円がたくさん跳ねてこちらにやってくるのを流線と擬音語で表しています。キツネのシンとパージバルが初めて出会った時にシンがこうやって跳ねています。3コマ目は円が跳ねていますが、もう1つの円に当たって砕けます。円が跳ねてるのに加 えて円が砕けるという状態変化が掛け合わされています。第一話でパーシバルが父親に岩を投げ つけてそれが砕けるといったシーンがこんな風です。1コマでたくさん連続して動いて見えるのがとても面白いです。

また、上のコマの様に、残像のような表現で動きをたくさん作っているところも面白いです。1コマ目は、円はジグザクに動いてこっちに近づいて来ます。第一話でバルギスが岩壁を登ったり、パージバルが父親に挑む時に使われています。2コマ目は、これがバトルで使われているパターンです。第一話でのグレーン(相撲)のシーンや、第4話の、黒い騎士が放つ炎を避け続ける時に、使われています。動きを1つ1つ描くよりもコマ数を少なくできるし、動いてると想像できるので小さいコマでも広く見えたりすると思います。素早く動いている動画として読んで下さい、といった記号みたいです。

キャラクターの楽しみ方

「黙示録の四騎士」ではキャラが動きます。なぜ動いたかといった、心が読み取れます。それはリアルなだけじゃないと思います。その心を持ったキャラを好きになっていいのだと思います。多分、同じような理由でキャラを好きになった人が他にもいるのだと思いますから、探してみるのも楽しいと思います。でも、色々気をつけて下さい。

追記と宣伝

漫画をあんまり読んだことがない人は、漫画がどうやって描いてあるのか分かると、漫画がとても面白くなるんじゃないかな。と、思ってこの文章を書きました。それから、1巻と6巻しか読んでいませんが、私はシン推しです。でも、本当の名前で検索するとウワー!!となります。

あと、こういうふうに説明できてしまうことは、とても凄いと思います。

あと、宣伝です。noteのマガジンでサイレント漫画の作り方レシピ、というのを描いてます。サイレントな1ページ漫画とその作り方みたいのです↓





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