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天幕のジャードゥーガルを読んだ感想とオススメしたい所

トマトスープ先生の「天幕のジャードゥーガル」1〜2巻を読みました。丸っこい可愛いキャラが動くので可愛いです。でも、とても可愛いキャラなのに、戦争の話があるので残酷さがあります。でも、とても好みです。お話は、主人を殺された女奴隷がモンゴル帝国に復讐を誓う話。といったところでしょうか、壮大なドラマを感じます。

主人公のファーティマは実在した人物だそうです。他にもモンゴル帝国に実在したキャラが出てきます。

オススメしたい所が沢山あるので、紹介していきます。


デフォルメされた民族衣装が可愛い

「天幕のジャードゥーガル」で、でてくるキャラの頭身は3〜4頭身のデフォルメキャラで、その頭身に合わせて衣装が素敵にデザインされています。

昔の服の模様、被り物、靴。シンプルにアレンジされています。いまのところ、イランやモンゴル、中華系?などなど、色々でてきて、デザインを見るだけで、とても素敵。これが動いて見えるのがまた可愛いです。

これから、お話が広がって新しいキャラが出てくるようです。更に色々な衣装を見れるのではと思います。トマトスープ先生がアレンジした衣装がとてもいいので、これをオススメします。


装飾的な画面構成の華麗さ

なんといっても、第1幕のお話がとっても華麗です。昔のイランの都市を舞台にしております。建物に施された模様とか建物自体の形とかが、動くキャラに絡まって、読後に振り返ると、とてもキラキラした思い出のような印象を持ちました。

この第1幕は、平面的で装飾的になっていると思います。絵物語みたいです。それは、こんなところがあります。

  1. 建物の壁が平面的で模様が沢山ついている。窓やドアなども模様のよう、しかもシンプルで綺麗です。(下の図1)

  2. 遠近(奥行き)のある立体、ない立体があるように感じます。(下の図2)

  3. 地面は遠近の圧縮が少なく平面的に見える。(下の図3)

  4. 均一な線のトーンみたいのが遠近のある風景にかけられていて「平面み」がある。(下の図4)

以上の、こういう「平面み」があるところがあります。そこに模様のように色々なものが散りばめられています。ですので色んな要素に、飾りのような装飾的な印象があります。

こういう装飾的な画面構成をしていると、漫画のストーリーを追って読むことと、装飾されている柄を見て楽しむことの2つの流れがあると思います。文字や絵を順番どおりに拾って読むという、決まった読み方をしないで、画面のいろんな箇所を好きに気になったところを見ていっていい感じがします。それはとても楽しいです。第1幕のこういうところは絵物語みたいでとても、オススメです。


シンプルな表情とドラマティック

「天幕のジャードゥーガル」はとてもドラマティックだと思います。それは表情の変化、キャラの動きを1コマ1コマアングルを変えて描かれているところがあるから、ということもあると思います。

キャラの表情や動作の変化、それをよく見せるアングルの変化、それにより映る色々な背景。様々に見えるこれらに、心惹かれます。特に顔の表情は3、4頭身にあったシンプルさなのですが、そのシンプルな表情の変化に惹かれます。

読み終わって振り返ってみると、こういうドラマが積み重なって、あのムハンマド坊っちゃんともう会えないの!?とか、奥様とてもいい人だったのに…とか、シタラの決心は硬いんだよな!とか、思うんだと思います。それはとてもドラマティックです。こういうドラマがあるところも、オススメです。


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