3種類の空模様を使った漫画の描き方(レシピNo.6)
雲が動いているだけのシンプルな漫画「空模様」を描きました。これは漫画技法の「構図」を使って描きました。
どのようにこの漫画を描いたのかの説明と、雲の絵の使用例を書きました。下の2ページのようになりました。
すいません、文字が小さくなってしまって読みづらいです(一番下に高解像度のPDFダウンロードがあります)。ですので、下に補足を入れつつ説明していきます。まずは、目次をごらんください。
雲はどんな素材か
雲の絵1つだけを素材として使います。素材としてのイメージを描きました。
雲は、モコモコしていたり、高いところにかすれたように浮かんでいたりします。風に乗りながらその形を変えます。誰かかが雲を流れて行くところを見ている感じにしたいので、雲を見る位置を固定しました。
構図で雲を動かす手順
これからこの雲の素材を使って、漫画を描きます。使う漫画技法は「構図」だけです。手順を説明します。
1.雲のシルエットを構図として使う
雲がどんな風に動くか想像します。雲はシルエットがはっきりしているので、その動きは、構図に当てはめて描くことができます。
2.雲の構図を考える
雲の絵に構図が当てはまるかラフを描いて確かめます。下の図の様に当てはめることができました。曲線での分割、らせん、ドットの3種類のを選びました。合わせるのにそれぞれコツがありますので、画像の吹き出しの中をごらんください。離れて見た時に大体シルエットが構図に合っていればいいという感覚で描きます。
3.先に構図でコマを割ったネームを描く
絵より先に構図だけでも動いて見えるようにコマを割ります。下の左図の様になりました。この動きのあるコマは、完成した漫画にもちゃんと反映されていますでしょうか?右の完成した漫画と見比べてみて下さい。私は反映されてると思います。なので、先に下描きの状態で、よく考えて描きます。
4.下書きしペン入れをする
できた構図に雲を当てはめ、下書きをする。雲の立体感が出るように描き、かつ全体のシルエットが合うようにします。できたらペン入れをします。
雲の絵の使用例を説明します
描いた雲の絵をつかって、サイレント漫画を描きました。雲の絵はコマの間の「間」になりました。区切りになったり、つないだりしています。雲の形にも意味を考えて描きましたので、①②③のシーンごとに説明していきます。
1.ちょっとした「区切り」として使う
上の漫画①は、彼女がしてきたオシャレを紹介しているシーンです。黄色のコマが、彼女のしてきたオシャレを表しています。雲は曲線で分割された構図で描いています。どちらも部分的な感じにしてみました。この雲は、ちょっとした「区切り」になって、黄色の絵をちょうどいいところで区切っています。見やすくなったと思います。
2.「場面転換」「時間経過」として使う
上の漫画②は、彼氏と彼女がデートをしているシーンです。オレンジのコマは、2人の立ち寄った色々な場所です。雲は2つのらせんが回っている雲の絵です。場所が変わる所に違う形の雲を入れることで、「場面転換」や「時間経過」を表しています。
3.「心理描写」っぽく使う
上の漫画③は、今日1日の2人の表情の回想シーンです。ピンクのコマは、2人の表情変化のアップです。雲は、だんだんドットが減っていきます。これらを合わせて、2人が、一緒に過ごしたことで、雲が晴れていくように関係が近づいた、という「心理描写」っぽい感じにしたかったです。
まとめ、様々な使い方ができる「空模様」
ここまで、雲を「構図」で動かす描き方と、使用例の漫画を説明しました。構図の形はここで紹介したもの以外にも沢山あると思います。こういう使い方は、雲と空でなくともできると思います。例えば、花や草、建物、色々なものの光と影、等々です。色々、試してみると面白いと思います。
印刷用PDFダウンロード
以上のことを3枚組のページにまとめたものをここからダウンロード出来ます。B5版カラー解像度350dpiです。印刷して、動画や漫画を読むことが好きなお子様の休憩時間に使ってはいかがでしょうか?
こういう3枚のページがダウンロード出来ます!
さらに、空模様の使用例を使ってWebtoonを書いたことの記事を書きました。ぜひのぞいてみてください↓
この記事はノートのマガジン、「サイレント漫画の作り方レシピ」の中の1つの記事です。1ページのサイレント漫画と、その漫画の描き方についての記事をまとめています↓
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