フタリソウサ「学校の噂」
はじめに
このシナリオは阿賀北ノベルジャム参加作品【返り道】の外伝作品です。
【返り道】を未読の方でも楽しめる内容となっていますが、先に小説を読んでいただくとより楽しめる作りになっています。
また、リプレイ化はご自由にしていただいて構いませんが上記太字部分と小説作者名を必ず明記するようお願いします。内容の改変もご遠慮ください。
この作品はフィクションです。
追記
本作は、「著者:平野累次/冒険企画局」が権利を有する『フタリソウサ』の二次創作作品です。
捜査困難レベル:0or1
シチュエーション
この事件は新潟県新発田市のとある中学校、ここのところ授業中の事故やトラブルが頻発しているようだ。そのうえで学生たちの間に嫌な噂話が流れている。
なんでも「いじめられて自殺した生徒の呪い」だとか。噂の真相を確かめるため、不審に思ったあなた達はこの事件について捜査を開始します。
舞台
新発田市立A中学校
どこにでもある普通の地方にある中学校。
最近不幸な事故やトラブルが多い。
新潟県新発田市
人口十万にも満たない地方都市。町としての歴史は古く、お城あり、駐屯地あり、ショッピングモールあり、真新しい市庁舎ありとその町並みは混沌としている。なんならドンキもあるしスタバもある。ボウリングもカラオケもあるが映画館はない。「長年住んでいるけど正直ごった煮が過ぎると思う」とは地元大学に通う学生談。
登場人物(名前はご自由にお決めください)
依頼人の校長or生徒
探偵(もしくは助手)の知人。最近学校で頻発する不可思議な事件に手を焼いておりPCに助けを求める。PCの捜査には協力的。
噂好きな生徒
今回の噂を学校に広めた集団のうちの一人。この噂は複数人の生徒が広めたものであるためこの人物のみに非があるというわけではない
生活指導
生活指導担当の教員、職務に忠実でPC達に厳しい目を向けるがそれはより良い環境作りに務めた結果であり最近の噂と事件を解決したいとも考えている。
不良
噂の発端となった転落事故の目撃者でありいじめの当事者。ここのところ噂のせいで学校の居心地が悪いらしく休み時間は校舎内にいることが無い。
真相
まず結論から言うと噂は真っ赤な嘘であった。たしかにいじめは過去にこの学校で行われていたが自殺をした人物は存在しなかった。
噂の真相は冬場の結露したすべりやすい階段でいじめ被害者が転げ落ちた、いじめっ子はその場にいたが事故であることには違いなかった。
この話に目をつけた集団がきっかけになり噂に尾ひれが付きこの噂が完成したというのが事の顛末だ。ここまで起きていた呪いはただの事故、たまたま不幸な事故が重なっただけだった。なにぶん設備も古いので結果的にこうなってしまったのだろう。
犯人
この事件に犯人はいません。
意図的に噂を広めた人物は複数人いますが統一された意思はありません。
「犯人はいない」「単なる事故」と答える事ができたら事件解決です。
知ってたカード1
ここ最近この学校で噂が原因とされる事故は三つ。理科室のぼや騒ぎ、図書室の本棚倒壊、体育の授業中の脱臼。
その他にも「1」が数多く報告されている。しかしどの話にも共通性がなく『2』に過ぎない。
騒ぎを収めるには「3」を見つけ出す他無い。
知ってたカード2
噂の内容をまとめるとこうだ。数年前、この学校の「4」に通うある生徒がいじめられていた。それはそれはひどいいじめだったらしく生徒は学校で「5」してしまったらしい。
いまこの学校を苦しめているのは「5」した生徒の呪いで目をつけられると一生不幸がついてまわるとか。
しかしここ数年、この学校で「5」した生徒は『6』という。
知ってたカード3
噂が流れ始めたのはつい最近でありこの噂は「7」ものでありこれと言った『8』。
発端は昨年度末に起こったある生徒の「9」。
その生徒と噂に登場するいじめられた生徒とは共通点も多くまず間違いない。
なにより、その事故で件の生徒は『10』という。
キーワード
①個人的な不幸話
②単なる偶然
③噂の真相
④特別支援学級
⑤自殺
⑥いない
⑦作られて間もない
⑧目的や狙いがあるものでは無い
⑨階段からの転落事故
⑩死んでいない
事件発生フェイズ
まず、このシナリオはPCの年齢と職業によって導入が変わります。
①PCの双方もしくは片方の年齢が10~20前半で中学生でない場合PCの友人でありA中学に通う人物からの依頼があります。
②PCの双方もしくは片方が中学生の場合、特にPCにこだわりがなければA中学の生徒になります。
③PCの双方が大人だった場合、あなた達どちらかの知人であるA中学の校長先生から依頼があります。
導入が①③のどちらかである場合、あなた達はたまり場で依頼人からこのように説明されます。
【最近自分の学校では生徒が怪我をしたり備品が破損したりと何かと不幸な事故が多い、それだけならまだいいのだが学校内ではなにやら良くない噂が広まってきている。幽霊と目があったら死ぬとか、不幸になるとか、呪われるとか。ともかくこのままでは安心して生活できない、どうか原因を調査してほしい。】
②の場合帰宅中のあなたの耳にこんな話が届くだろう。
やれ【陸上部の高跳び棒が壊れた】だの【中庭のプランターが全滅した】だのネガティブな話題が多い。それもこれも全部呪いのせいだと誰かが叫ぶ。呪い、最近なにかと話題に上がるが誰に聞いても同じものは一つもない。たまり場でそんな事を相方に話している内に助手は気がついてしまいます、探偵の内なる何かが高まっていることに。
こうなってしまった探偵はもう助手であっても止めることはできません。
(以下共通)
この時点で知ってたカード1をGMは用意してください。
そんなこんなであなた達は操作を始めるのですがあなた達は深夜の校舎に潜入する事になります。(具体的にどのようなやり取りが行われたかはPLと相談して決めてください)
しかし噂の幽霊どころか七不思議にも遭遇できず、その上その日の夜勤担当の生活指導教師に見つかってしまいました。
ここで初動捜査の判定を行ってください。この判定でしようする技能は<説得>です。
この判定でてにはいるキーワードは1か3です。
その後、校長と生活指導の計らいで放課後なら捜査できる事になります。が、生活指導は渋々といった様子。その上他の教員の目もあるのであまり目立つ捜査はしない方が今後の方針になりそうです。
フタリソウサシーン
②このシーンでは探偵と助手はそれぞれ集めた噂に関係すると言われる事件を一つ一つ検証していきます。鉄棒から滑り落ちたとか彼氏にふられたとか普通に生活していればわりとありがちな事件の数々に共通点はありません。キーワード②単なる偶然 を獲得します。
⑥捜査していく内に噂の内容もハッキリとしてきました、そこであなた達は噂の生徒について調べることになります。
しかし探偵はどうもやる気ではないようです、探偵はここ数年で新発田市の中学校で自殺事件が起こっていないことを知っていたのです。あなた達はアプローチ方法を変えることになります。キーワード⑥いない を獲得します。
⑧あなた達は噂の発生源を突き止めるために捜査を行いついにその発生源である噂好きな生徒をみつけました。が、しかしあなた達を見つけるなり噂好きな生徒は逃げ出してしまいます。判定を行います、指定技能は<追跡>です。失敗した場合次のサイクル終了時に減る【余裕】が1D3の値の分だけ増えます。
判定の結果に関わらずキーワード⑧目的や狙いがあるものでは無い を獲得します。
⑩噂の元になった当時を知る不良学生に接触することにしたあなた達は彼がよく訪れるというある場所に向かうことになった。
シチュエーション捜査VS容疑者イベント表を振りイベントにしたがってください。
失敗した場合、イベントの効果は適用せず次のサイクル終了時に減る【余裕】が1D6の値の分だけ増えます。
判定の結果に関わらずキーワード⑩死んでいない を獲得します。
真相フェイズ
このフェイズでは探偵PCの推理が行われます。
シチュエーションは皆さんで相談して決めてください。
思い付かない場合はたまり場で依頼人(依頼人がいない場合は生活指導)相手に語ってください。
「事件の振り返り」と「犯人はお前だ」を行ってください。
その後、真相を参考にGMは真実を伝えてください。
真相を聞いた依頼人は呆れたように「結局火種はそこか」「こんな話で困る私って」などと呟きます。
終了フェイズ
事件が迷宮入りした場合、教員に追い出される形になり捜査続行が不可能になります。
無事に捜査を終えた場合、依頼人もしくは生活指導からその後の学校の様子を聞くことができ中学生PCならその目で確認できることでしょう。
噂は一過性の物だったらしくいつの間にか消えてなくなっていたそうだ。不良の彼は相変わらず居心地が悪そうだが多少はましになったようだ。
「学校とは生き物のようなもので生徒が変われば学校の色も変わる。だけどどんなに年月が経とうとも根っこだけは変わらないし、生徒にも染み付く物だと思う。今回の事件も思い出という形でまあこんなつまらない噂程度では人の人生なんてそうそう変わらないけどね。」
そんな言葉を最後にこの事件というほどでもない事件は締め括られ、このシナリオは終了します。(誰の言葉かは皆さんにおまかせします。)
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