見出し画像

「HaFaBraプロジェクトなすの」って何なんだ。

HaFaBraプロジェクトなすの 主催の花月です。
既に花月名義のnoteアカウントで日記を書いてはいるけれど、この度、個人主催の管楽バンド(広義の吹奏楽)イベントを本格始動させるにあたり、プロジェクト専用のアカウントを作成しました。
イベントのお知らせや、イベント参加者へのメール確認のお願いなどに使っていく予定です。

最初の投稿として、このプロジェクトが一体何を目指しているのか、プロジェクトの名前を通して綴っていきたいと思います。

名前のこと=やること。

名前を付けた経緯

「HaFaBraプロジェクトなすの」は、去る2024年3月20日に開催した「ヤン・ヴァンデルローストマーチ体験会」(以下、ヤンさんマーチ体験会)の会場を利用するために作った名前です。しかしながら別に利用申込をする直前に急ごしらえで作ったわけではなく、以前から私の脳内にずっとちらついていた名前でした。

「HaFaBra」って何なんだ。どうして「HaFaBra」なんだ。

「HaFaBra」とは、Harmonie(日本でいう狭義の吹奏楽)、Fanfare(ファンファーレオルケスト)、Brassband(英国式ブラスバンド)の3つの編成を合わせた略語で、「ハファブラ」または「ハーファーブラ」と読みます。
主にオランダ語圏(オランダおよびベルギー北部)で使われていて、ベルギーにはHAFABRA Musicというそのまんまの名前の楽譜出版社もあります。

英国式ブラスバンドは、ざっくりいえばイギリスを発祥とする金管楽器と打楽器からなるバンド編成です。コルネットやテナーホーン、バリトンなど、日本だと「一言じゃ伝わりにくい」「珍しい」と思われるような楽器を使います。ブラスバンドについてあんまり雑なこと言わないようにしようと思うと何も書けなくなるな。
現代ではヨーロッパ全体に愛好家がいて、年に一度欧州選手権(European Brass Band Championship)が開催されています。今年5月の大会はバルト三国の一番南、リトアニアで行われます。

もちろんフルートやクラリネット、ダブルリード等の木管楽器を含む狭義の吹奏楽(英語でConcert bandやWind bandと呼ばれる編成)もヨーロッパには普及していて、この編成についても二年に一度欧州大会(European Championship for Wind Orchestras)が行われています。

この2つの編成の間にどれだけ距離があるか、普及度に差があるかは地域によって異なるとは思いますが…、ベネルクス、特にオランダ語圏においてはこの地域独自の”Fanfare”——「ファンファーレオルケスト」という編成の存在により、3つの編成が三つ巴の関係を形成しています。それがHaFaBraという略語にも表れています。

ファンファーレオルケストとは。自分で書いた所属バンドのサイトの解説を持ってきますね。

オランダとベルギーを中心に、ヨーロッパの一部(主にオランダ語圏~フランス語圏)には“Fanfare” “Fanfareorkest”と呼ばれる、金管楽器とサクソフォン、打楽器で構成される管楽オーケストラが存在する。それらは日本の吹奏楽団と同じように、様々なお祭りや演奏会、イベントを通して市民社会に溶け込んでいる。この編成においては、フリューゲルホルンが管弦楽団のヴァイオリン、吹奏楽団のクラリネットの役割を担い、重厚で力強くも温かみのあるサウンドを生み出す。

KOTORI Fanfare Orkest公式サイト「『ファンファーレオルケスト』とは?」より

※オランダ語にはHaFaBraとは別に広義の吹奏楽を表す”blaasmuziek”という単語があり、HaFaBraはblaasmuziekの意味に内包されます。blaasmuziekは他に同属の管楽器による合奏やビッグバンド、打楽器アンサンブルも含みます。

私がヤンさんマーチ体験会シリーズをやるにあたって、HaFaBraという概念は常に前面に押し出されるべきものでした。ヴァンデルロースト(以下、ヤンさん)のマーチの多くはHaFaBraいずれの編成でも演奏できて、可能であればこのシリーズを通して全曲・全編成での演奏をコンプリートしたいと考えているからです。

それ以上に、東京でブラスバンドとファンファーレの団体に所属しているこの数年間で、両編成をもっと吹奏楽(Ha)の人に知ってもらいたいという気持ちが強くなっていったことは、「HaFaBra」をプロジェクト名に入れた大きな理由かもしれません。ファンファーレに関してはまず国内の知名度という点でまだまだ課題が大きすぎるし、ブラスバンドは編成の存在は知られていても、「難しそう」「参加のハードルが高い」という声を現在も多く聞きます。そんなにおそれることはないよ、こんなに素敵な音がして、あなたの音もその一部になれるんだよ、と知ってもらう機会の絶対数がまだ足りない。

HaFaBraの「FaBra」の存在は、これからの子供たちに管楽バンドをやってもらう上での大きなヒントでもあります。この2つの編成で使用する楽器の種類は「Ha」よりも少なく済みます。特に「Fa」であれば、「Ha」からの切り替え時に新しく調達する楽器はフリューゲルホルンとソプラノコルネットだけです(ソプラノサックスはきっと学校にあるよね…?)。ホルンはフレンチホルンをそのまま使えるし、バリトンパートはユーフォニアムで吹いて大丈夫。既存の「吹奏楽」以外の選択肢がここにあります。

「ヴァンデルローストマーチ体験会」って何なんだ。

3/20の自己紹介で「私が日本で一番ヤン・ヴァンデルローストを好きな女です」と言った者です。そうです、私が日本で一番ヤン・ヴァンデルローストを好きな女です。

ヤンさんマーチ体験会は、ベルギーの作曲家であるヤンさんが今までに作曲した14曲のマーチを数回に分けてコンプリートしていこうぜ、という企画です。体験会と名付けたけれど実態は演奏オフ会みたいなもの。

ヤンさんのマーチの中では「アルセナール」というマーチが最も有名で演奏機会も多く、次点で「マーキュリー」、「ミネルヴァ」が人気です。しかしそれ以外のマーチもそれぞれ大変な魅力を持っていて、それを知らずに同じマーチばかり演奏されるのはもったいない!他の曲も知ってほしい!という思いで企画を立ち上げました。

以前、自分の所属バンドで「モンタナ」を推薦したところ予想以上の反響があったり、次に「アルテミス」を紹介したところ指揮者の好みにぶっ刺さったりした経験を積んだので、他のヤンさんのマーチも一度演奏すれば皆好きになるだろう、という自信はめちゃくちゃありました。

3/20に行った初回の体験会では「セレモニアルマーチ」と「ウェディングマーチ」を採り上げました。2曲とも一度知ってしまえば大好きになる曲だけど、いかんせん知名度はありません。今回の参加者の中にも、体験会に参加するまで曲の存在を知らなかった、という方が多くいました。3時間程度の合奏で2曲を仕上げるのは相当タフだったけれど、参加者の皆さんからも指揮者の天野さんからも、楽しかったという声をいただけました。

「なすの」って何なんだ。どうして「なすの」なんだ。

「なすの」便利な言葉ですね。栃木県北東部、よく「那須地区」と呼ばれる地域一帯に広がる扇状地に「那須野が原」という名前がついておりまして、そこからとったのが「なすの」です。新幹線の愛称でもあり、那須地区を管轄しているJAも「JAなすの」です。

「HaFaBraプロジェクトなすの」の「なすの」はおおむねこの「那須地区」、つまり栃木県大田原市、那須塩原市、那須町を指しています。わたくし花月、生まれも育ちも現住所も那須地区の大田原でございます。

大田原市内だけでは吹奏楽部を持つ学校が少なく、賞の貰える音楽祭も合同演奏会も講習会も、那須地区の他の市町の学校と一緒にやっていました。那須地区は私の音楽的アイデンティティを育ててくれた場所です。

2022年から実家に住所を戻したこともあり、地元に対する愛着は日々増すばかりでした。自分で何かイベントを開くなら絶対に地元開催だろう、という確固たる信念がありました。いま、自分が東京で何かやってもおもしろくない。飽和している。自分が東京で体験してきたことをちゃんと地元に還元したいし、東京や県外各地の人には私の地元に来て、知って、楽しんでほしい。できれば那須地区、少なくとも栃木県開催は譲れませんでした。そういう私の地元志向を前面に押し出す単語が「なすの」です。


これからやること。

6/29ファンファーレオルケスト体験会@宇都宮

友人で、私の楽器の先生でもある孝橋人誌さんを指揮者として宇都宮に呼んで、ファンファーレオルケストの体験会を開催します。おそらくファンファーレオルケスト関連のイベントとしては栃木県初になるんじゃないかな。
人誌さんが「ヤンさんのマーチの中で一番好き」だという「アルテミス」と、同じくベルギーの作曲家であるヨハン・エヴェネプール Johan Evenepoelが作曲した「希望のコラール」Choral of Hopeの2曲を演奏します。
Choral of Hopeは最初に音源を聴いたときからもうずっとやりたかった曲なので、やっと演奏できる機会が巡ってきてとてもはしゃいでいます。
音源↓
https://www.evenepoel-editions.be/upload/mp3_300.mp3


以下のサイトに開催概要と参加申込フォームがあります。前回イベント参加者と栃木県に縁のある方は3/28(木)21時から、それ以外の方は4/1(月)21時からお申込みいただけます。


ヤンさん曲体験会

本当は6/29のファンファーレ体験会でヤンさんマーチ体験会も兼ねようと思っていたのだけれど、Choral of Hopeをやりたい欲に敗北した(というか皆に人誌さんの指揮でコラールを演奏してほしかった)ので、また改めて機会を設けます。
吹奏楽(Ha)のイベントの間にFaとBraのイベントを交互に挟みこんでいくとうまくHaの人をFaBraに巻き込めるかな…という考えがあるので、そうすると次のマーチ体験会は吹奏楽、その次はブラスバンドになります。また全然考えが変わる可能性があります。

マーチ体験会を何回かやったら、今度はヤンさんのマーチ以外の曲を演奏するイベントをやりたいです。既に周りの人からやりたい曲として「フラッシングウインズ」や「ポンテロマーノ」などの名前が挙がっています。私は早くリクディムのファンファーレオルケスト版をやりたい。

栃木県でHaFaBra3編成の企画バンド演奏会をやりたい。

もうここまでくると将来の夢の話になってきますが、いつか3編成でのジョイントコンサートをやりたい。栃木県で。外から指揮者を呼ぶと同時に、県内で指揮者として活動している/指揮者を志している人にも出演してもらいたいなあ。何年後になるかわかりませんが、きっといつかやります。

主催者の話——さいごに。

主催の花月は自分の素性(顔、年齢、性別、本名など)を全然隠してはいませんが、改まって自己紹介するのもあまり好きではありません。
以下、簡潔に記しますので、あとは個人名義の日記をお読みいただければ、だいたいどんな奴でどんなことを考えているのかおわかりになるかと思います。

・ペンネーム:花月こころ(「花月」と名乗ることが多い)
・生年月日:1998年2月26日
・出身地:栃木県大田原市
・居住地:大田原→岐阜→大田原→さいたま市北区→東京都葛飾区→大田原
・主な演奏楽器:フレンチホルン、コルネット
・所属バンド:ハッピーペンギンブラス(2020/10-)、ことりファンファーレオルケスト(2022/10-)
・好きな人:ヤンさん、ポール・ジルソン、平沢進、堀込高樹、堀込泰行、梨木香歩、ヘルマン・ヘッセ、和山やま、品田遊


この記事が参加している募集

#自己紹介

229,106件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?