統合失調症の私が伝えたい5つの事 vol1

12日の出版オーディションの敗者復活戦をたくさんの方が見て、応援してくださいました。そして、温かいメッセージをいっぱい頂きました。大変だったけど、チャレンジして、本当に良かったと思っています。

一昨日は、一日中、爆睡。昨日は、なんか抜け殻みたいな気持ちになったのですが、昨日会った友達(出版オーディションを全力で応援してくれた友達)が、言ってくれたのです。「葉月さんの本が読みたい!」と。どういう方法を取ればいいのかわからなかったのですが、「そうだ!noteに書いてみようとふと、思い立ちました。別の友達というか、私の親友からのアドバイスもあって。

そういうわけで、今日から、私が出版したい本、「統合失調症の私が伝えたい5つの事」をnoteにアップします。かなり赤裸々というか、色々な事件が起こったり、引き起こしたりしました。でも、そんな過去があるから、今の私があると思えるのです。


はじめに

私は、現在52歳で、介護施設で、週に二回ヘルパーとして働いています。今から18年前の34歳の時に統合失調症を発症しました。統合失調症と聞くと「治る見込みのない、悲惨な病気」「犯罪を引き起こす、恐ろしい病気」という偏見が、いまだに根強くあります。

けれども、統合失調症は、けっして珍しい病気ではないのです。約100人に一人が罹患すると言われており、日本には約80万人の統合失調症患者がいると言われています。その数は、アルツハイマー患者数よりも多いのです。治療を中断していたり、治療を受けていない人も含めると、約100万人の統合失調症患者がいると言われています。誰がかかってもおかしくない病気なのです。
 
 病気の陽性期には、幻聴や幻覚があったり、興奮状態があったりするこの病気。そんな症状のために、当事者も、家族も不安になったり、周りの人も「怖い」と思ってしまうのですが、信頼できる医師のもとで、あきらめずにきちんと治療を続ければ、日常生活も送れるし、働くことだってできます。投薬治療と、心理療法で病気をコントロールして、社会復帰している人はたくさんいるのです。
 私は、統合失調症に罹患し、計5回入退院を繰り返しました。病気を発症したときは、今のように回復するとはとても思えませんでした。息子たちは、その時、11歳と8歳でした。
(私は、そして子供たちはどうなるのだろう?)
と、不安でたまりませんでした。統合失調症という病名に、私も家族も、ショックを受けました。と言っても、私は、頭の中が大混乱で、病気なのだということを冷静に受け留められていませんでした。元夫(発病後4年後に離婚しました)と、私の継母(私には生母と継母の二人の母がいます。ここ以降、継母を母と呼びます)まるで、出口のない、真っ暗なトンネルの中を歩いているような気持になり、私を3回目の入院させた後、手を取り合って泣いたそうです。
 
また、病気だったからという言い訳では済まされないくらい、たくさんの事をしでかしました。たくさんの人を巻き込んだし、友達も失くしました。離婚後、息子たちに会えない淋しさと、「生きていても仕方ないな」という絶望感から、オーバードラッグによる、自殺未遂もしました。
 そんな私でしたが、根気強く支えてくれる人たちが、周りにいてくれて、手を差し伸べてくれました。本当にメチャメチャだった私を支え続けてくれた親友や、私の困りごとをキャッチしてくれた友達、そして、私が自分の心と向き合う「きっかけ」をくださった、カウンセラーの先生との出逢いなど、私は本当に、人との縁に恵まれています。信頼できる医師や、スタッフにも出逢うことができました。本当に感謝しかありません。私を支え続けてくれた、伯母にも感謝しかありません。

 この本を書くことは、私にとっては、大きな挑戦でした。とても勇気のいることでした。発病した頃の事、離婚後のすさんだ心のくだりを思い起こして書くのが、特に辛かったです。それでも私は、「書きたい!」と思いました。いや、「書かなければ!」とも、思いました。今まさに統合失調症で苦しんでいる人たちのために。そして、統合失調症患者をどう支えていけばいいのかと、戸惑っている家族や周りの人のために。

統合失調症患者の家族の方の中には、「自分の育て方が悪かったのでは?」と悩んでいる人もたくさんおられます。偏見や誤解、差別を怖れて、家族が統合失調症を発症したことを隠している人も多いのです。育て方が悪かったのでは、けっしてないのです。重ねて言いますが、統合失調症は、誰でもがかかり得る病気で、けっして特別な病気ではないのです。

でも、統合失調症の当事者や、家族は、偏見や、差別が怖くて、なかなか声をあげられないのです。自己開示できないのです。自己開示できないから、わかってもらえない。わかってもらえないから、自己開示できない。そんなループから抜け出すためには、当事者自身が、怖さを乗り越えて、発言する必要があるのではないか?と思いました。

私はこの本をたくさん人に読んでもらいたいと思っています。苦しみと不安の中にいる当事者の方には、もちろん読んでもらいたいです。回復する時が来るのだという希望を抱いて欲しいからです。

また、統合失調症患者の患者治療を治療している医師や、スタッフの方たちにも読んでもらいたいと思いました。患者の「想い」というのが伝わればいいと思ったからです。

特に、家族や配偶者など、身近な人が、統合失調症を発症して、苦しんでいる人に、読んで欲しいです。統合失調症の治療には、家族の理解と協力が、本当に必要だからです。まるで暗闇の中を手探りで歩いているような不安を抱えている人たちもおられると思うのです。そんな人達に伝えたいのです。
「あきらめないで!一歩踏み出して!そうすればいつか、真っ暗なトンネルから、抜け出すことができるはずだから」と。
そんなメッセージをこの本が発することができれば、とても嬉しいです

そして、もちろん、統合失調症とは自分は関係がない、と思っている人にも読んでもらいたいのです。統合失調症に対する理解を深めて欲しいからです。社会に根強く残る、統合失調症に対する偏見や差別をなくしたいからです。

統合失調症だけではなく、精神疾患に罹患して、精神科や心療内科に行かなければいけないが、「精神科って、心療内科ってどんなところだろう?」と不安に思っている人にも読んで欲しいです。精神疾患に罹患したら、早期に治療を受けることは、とても大切だからです。
 
発病して、メチャクチャになって、離婚して、自殺未遂してとどん底を経験して…そんな私がここまで歩んでこられたのは、本当にたくさんの人たちの支えがあったからです。いくらお礼を言っても足りないくらいに、支えてもらいました。親友は、時には、本気で叱ってもくれました。カウンセラーの先生は、私に「病気の事を今までの半生を書きたいと思っている」という気付きを得させてくれました。何度も裏切って、傷つけたのに、私を見放さずにいてくれた伯母。そして、私の生きる希望であり続けてくれている二人の息子たち。私を支えてくれた、そして、今も支え続けてくれている人たち一人一人に、感謝の気持ちを込めて、この本を捧げたいです。

明日は私の生い立ちや,子供時代を書きます。子供時代の体験にも、統合失調症につながる伏線が隠れている気がします。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。


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