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読書記録#3

2023_12〜2024_3

「三体」
「三体Ⅱ 黒暗森林」劉慈欣

最近文庫化しました!

「地球外生命とのファーストコンタクトは、たった一人の女性の破滅願望によってなされた」

かなり前から面白いと評判でずっと読みたかった本。その時はまだ文庫化しておらず、ハードカバーのみでなかなか手が出せなかったのだが、誕生日に母が贈ってくれた。いきなり文化大革命のハードな話から始まったのには驚いたが、読み進めるにつれどんどん面白くなっていき、あっという間に読み終えてしまった。黒暗森林のラストには納得の感動というか、快感がある。時間があればぜひ読んでほしい。しかも今年の3月21日にNetflixでシリーズが始まるそうなので、読むのが億劫な人にもぜひ!


「ひと」小野寺史宜
「まち」「いえ」

コロッケが食べたくなるよ

高校卒業後すぐに両親をなくし、東京に一人で出てきた男の子のお話。この本は好きな人からおすすめされた本で、本屋大賞にもランクインしていたらしい。ちょうど歳が近いのもあって、かなり入り込んで読んでしまった。ひとのしたたかな生き様がふんわりと描かれていて、とても勇気をもらえた本。続く「まち」「いえ」も世界を共有していて、読みやすかった。


「ポラーノの広場」宮沢賢治

どこにでも持ち歩いていたのでぼろぼろになっている

小学生の頃、宮沢賢治の詩の絵本が実家に置いてあり、なんだか不思議な魅力のある本だと思って、「本の紹介をしましょう」という宿題の時にその本を紹介した思い出がある。宮沢賢治は農民であり、詩人であり、童話作家であり、、、僕の浅い理解ではまだ肩書き以上の言葉で人を語ることができないけど、その魅力にはとても惹かれている。この本では、有名な「銀河鉄道の夜」の初期形第三次稿や「風の又三郎」の初稿「風野又三郎」、「グスコーブドリの伝記」の先駆作品「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」などが収録されている。まだ有名な方もちゃんと読んでいないのに、いきなりこちらの方を読んでしまったのは、「ポラーノの広場」という聞き馴染みのないタイトルが気になったからだ。収録されているどの作品も童話としての形態をとっているけれど、賢治独特の文体に慣れるのには少し時間がかかった。しかし時間をかけて読んだだけあって、かなり賢治の作品について知れた気がする。「風野又三郎」にはとても心を動かされた。中沢新一の解説の「贈与する人」で、賢治がいかに自然から、修羅のごとくになるまで贈与を受け、それを作品にしてくれているのかに気づいた。
僕は世界からそこまで多くのものを受け取る力はないけれど、賢治の作品からそのエネルギーを分けてもらうことはできる。うれしい。続けて他の作品も読んでいこうと思う。


「読書について」小林秀雄
図書館で借りた本。小林秀雄と聞いて身構えてしまう一方で、タイトルに惹かれて借りてしまった。見出しごとにわかりやすく、どのように読書すればいいかを伝えてくれていて、面白かった。僕が受け取った結論。たくさん読め。


「成分表」上田信治

装丁がとても素敵 蓋のところがザラザラしている

図書館で借りた本。上田信治さんは「あたしンち」の作者けらえいこさんの伴侶。この本ではエッセイの形で、上田さんが考えていることが詰め込まれている。面白いのは、彼自身の人生から、生きている上でぶつかる言葉のいろんな定義を自分で考え、納得できるようにしてくれていること。「幸福」についてや「心があふれる」ことについてなど、いろいろ、納得させられてしまった。面白いです。


「天才による凡才のための短歌教室」木下龍也

最近、というか半年前ほどから、短歌というものに興味がある。「はつなつみずうみ分光器」という本で現代短歌とはどのようなものなのかをふんわりと知り、その中でいいなと思った枡野浩一さんや宇都宮敦さんの歌集を買って読んでみたり、Twitterで#tankaと探ってみたり。
この本を買ってしまったのは、Twitterで何度か見た気がする木下龍也という名前と、そのタイトルのせいだった。内容は、短歌を作る上での具体的なアドバイスが端的に書かれている。
これまで、短歌は人の作品を見るのが楽しかったのだが、この本を読んでから自分でも作ってみたくなってしまい、一週間前ほどから一日一つを目標に作ってみている。楽しい。短歌に少しでも興味のある人は、まず好きな短歌を見つけてみて、この本を読んでみてほしい。


去年の12月から今までの読書記録をつけた。年末年始と自分の人生のことでだいぶ大きなことがあり、読書の余裕があまりなくなってしまったけれど、彼女のおかげでまた本を読む習慣が戻ってきた。うれしい。今年もたくさん読みます。

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