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【映画】私は貝になりたいをみての感想。ネタバレあり。

Amazonプライムで私は貝になりたいを見ました。気になっている作品だったのでプライムで見れて良かったです。感想をまとめたいと思います。
以下ネタバレを含みます。ご了承下さい。

兵隊は牛や馬と同じ
中居正広さん演じる主人公の清水豊松は捕虜を殺害した容疑で戦犯として裁判にかけられます。
米国から裁判であなたは捕虜を殺したいと思ったのかという質疑が投げかけられます。
それに対し豊松は、上官の命令でやったこと、
上官の命令は天皇陛下の命令と同じ。私たち兵隊は意思をもたない牛や馬と同じですと言います。
この発言に戦争の異常さが現れていると思いました。
事実、豊松は上官に拳銃を突きつけられた状態で絶叫しながら銃剣で捕虜を突き刺します。銃剣は大きくそれて捕虜の腕をかすめた程度でした。
捕虜の死因はその前の暴行などによるものだと推察されます。
しかし、豊松の判決は上官と同じまさかの死刑判決。
豊松は衝撃をうけパニックになりますが、心の半分は何かの間違い、この判決は覆るだとろうと思っているようでした。

無力感
豊松の刑務所生活も長くなりました。おそらく半年くらいかと思われます。その間、刑務所内の受刑者に処刑は行われていません。休み時間には談笑したりなど刑務所にも束の間の平穏が訪れたようにも見えます。
豊松の奥さんも夫の刑を軽くしようと、署名活動に励み署名の目標人数、200人を達成します。
豊松も同室の受刑者ももう死刑はないだろうと心から思っています。
ある日、刑務員から豊松に声がかかります。
「チェンジブロック」
部屋から出ろといっう事でした。
この言葉に英語がわかる同室の受刑者は歓喜します。
チェンジブロック(部屋を移動)=減刑=刑務所から出れる。ととらえたのでしょう。
同じように死刑判決を受けている受刑者たちも歓喜します。自分達も刑務所から出れると。
しかし、部屋を移動し刑務所長から告げられたのは死刑の決定。明日、刑を執行するとのことでした。

これを見て自分達では変えられないどうしようもない理不尽な状況が当時は当たり前のようにあったのだなと思いました。まさに戦争の異常さを表していると思います。

結末がわかっている。
この作品は結構有名だと思うので、結末を知っている人も多いのではないでしょうか。
私も結末は知っていました。なので最後の死刑決定のシーンにドキドキやハラハラ感はなく印象も薄い感じでした。
むしろその後の豊松が遺書のような物を読み上げるシーンが印象的です。
無力感に包まれ人間に絶望し、生まれ変わったら人間ではなく深い海の底の貝になりたいと読み上げます。そして死刑が執行されてしまいます。
このシーンに映画の全てが詰まっていると思いました。

・まとめ
私は貝になりたい。結末を知っていても見る価値はあったと思います。
映画最後のシーンでは戦争も終わりをつげ、時代が移り変わっていく感じで幕を閉じます。
しかしその裏側では私は貝になりたいの主人公のような今では考えられない理不尽な事があったのだなと思いました。

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