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そのカレーは誰に向けて作っているの?

学生の頃に学祭の実行委員会に入っていた。
企画部を担当していたこともあり、
「それ面白いのか?」みたいなことを精査することもあったし、自ら考えることだけではなく、後輩の指導をするようなこともあった。
学祭の企画ごときに何も本気になる必要性はない・・・というくらいには、わりと毎年使い回しの企画もあったのだけれども。それでも「もうちょい面白くならんかね?」と色々考えたりもしていた。

ある時、僕は新入生向けに
「カレーの作り方」を考えさせた。

カレーに限らず、モノ作りというのは
ある種「企画」に似ていると思う。

素材の精査、かかる金額や時間の熟考、
提供の方法や、調理の仕立てなど。
似通ってくるものが多いと思う。

本来ならば、家の冷蔵庫にあるものから
「何か」を作らせるという方がもっと、
考える上での余地や幅などもあるのだけど。

あくまで学祭の実行委員会でやるワークとしては
ターゲット層やキャパなど諸々の前提条件が確定していたので
それに沿うように「カレー」という縛りをつけた。

それについての顛末は前に
ブログで書き起こしたので
細かくは書かないのだけれども。
(巻末にリンク貼ります)

それで、だ。

正直なところ、卒業して
数年も経つと、考え方も変わってきた。

そのカレー、食べてもらえるの??

ってところだ。
結局のところ、僕の企画の仕立ては
「来る」とか「居る」とかの
「集客」を前提に置かなくて良いまま
進めてきたものばかりだった。

今、考えると甘い。
めっちゃ甘いと思う。

バーモントカレーにハチミツをブチまけるが如き思想だ。

イベントの7割は「人」だと思う。
どんなに良いものを作っても「人」が来なければ意味がないし、逆に言えば「人」が来てくれるようなモノ作りをしなければいけない。

仮にそれがクローズであれ、少人数キャパのものであれ、
「人」が関わらないものでなければ意味がない。

「このカレーめっちゃ良いね!」と感動してもらって、
共有して貰わなければ、自己満足なのだ。

とはいえ本当に良いモノを作れば、ちゃんとわかってもらえるというような考え方もある。しかし、そのモノ作りがバズっていくまでには絶対に「人」が噛んでいく。

だからこそ、結局。
「そのカレー、食べてもらえるの?」
っていう部分になるのだと思う。

まだ僕の中でも、これについては
しっかりとした意見は確立できてないのだけど、
まぁ概ね、そういうことだと思う。

なんだって、ひとりきりじゃ
おもしろくないし、美味しくないんだよね。

どうせなら美味しいものを。
そして色んな人と美味しく食べたい。

さて、今日は帰ったらカレーを作ろう。
どんなカレーにしようかな、、、
とか、そんなことを考えると、
ちょっと帰り道が楽しくなった。

※カレーの作り方を書かせたお話については
以下のリンクからご覧いただけます。

※蛇足。

最近、カレーというときに
カレーライスでなく、
ナン+カレーの方のイメージが
先行するようになってきた。

一種、価値観の変化なのかもしれない。


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